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{引用= テクノの骨、
銀色 の夢、抱えて。
左 に憧れ
右 に足の痺れ
固めた砂 のような
闇の中で ね
キミはいったい
どこの馬の ....
歩いても
歩いても
前へ進んでいる気がしない
そんなあたしは
焦っている
焦っているから
後ろ向き
たぶん守りに入っている
なぜ
いつから
見失ったのか
今日 新しい ....
去年の今日も薔薇の前
雪なんて当たり前だった幼い頃
道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ
一階はすべて雪の壁だったこと
なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで
物流の届かない ....
晩秋
すでにざっくりと強剪定された太い枝の切り口を
寒空にさらす街路樹
いつも
心の底ではあてどなく遠いあしたを待ち侘びていた
冬の雲
空一面に
狼の顔が ....
雪は
ひとひらと数えます
ひら、ひらと
落ちてくる様は
心がなにかを探しているようで
雪を
ひとひらと数えます
ふたひら
みひら
あとはもう数えるのは止めました
あ ....
ほころびを縫う
小さな欠落をたぐりよせながら
そのひとつひとつを
確かめるように埋めていく
ほころびのない人生など
ない
冬の夜にほころびを縫って
いる
母さんにもらった針 ....
後味の悪い夢を見た
夢で良かった夢を見た
分析結果の探せない夢世界からの遮断
気になる蒲公英の根から 無駄な栄養素を摂取したかのよう
現実の現状の手がかりにたすきを投げかけたであろう ....
坂の上から街を見ました
街の向こうに 海を見ました。
海は細長く、曇り空の下に無言で横たわる
私が見ても
見なくても
風が吹いても
吹かなくても
....
雪の結晶が晴れた空に浮かんで見える
手を合わせたいくらいだ
結晶ほどの重さに すぐ溶け出す定めにも幸せと感謝を
捧げたい
嬉し泣きで泣きっぱなしの世の中になればいい
そんな雪綿 ....
命懸けの仕事で儲けのない子
ピカソみたいなメイクだと思われていた
忘れた、ということを
忘れている道草の
風色はそよそよと
帰れないでいる
ほのぐらい影
(さようなら)さようなら
ずっと
うすぼんやりとともるこみち
ぽつり、ぽつり遠くまで
....
大人になったら
幸せが飛んでくると思っていた
けれど
幸せの羽は飛び去るためにも存在する
大人って
幸せにちゃんとさよなら、できる人
僕は水色のグライダーではなく
鳥の中でも一番ありふれた
雀やカラスでもなくて
ひばりのように高く
カモメのように鮮やかに
はばたきたいと
願う
風に乗り
....
ひかりをみつけたよ
人が踏みゆく
黒いアスファルトのなかに
埋まっている
埋まっていた
だけど
誰も
拾わない
拾えやしない
だいあもんどなんかより
き
れ
い
どこ ....
うっかりすると 本人も見逃しそうな 直立だった
それは闇夜のできごとだった
神技(かみわざ)の域
幾重にも 青天の霹靂が重なった年がつづいた
ある新月の晩
カワウソが 岩の上 ....
のんのさまに 手をあわせて
のの字みたいに 背中をまるめて
ちいさな 座布団に ちゃんこして
みらしらぬ 古民家にまぬかれて ちゃんこする
ちいさい人の みこころは
のんのさまみた ....
あたいはしがないエレベーターガール
箱に入って一日上がったり下がったりしている
こんなんじゃ彼氏だってできやしない
あたいは孤独なエレベーターガール
人件費削減の為に
近々箱を追われ ....
燭台のともしびに羽虫の燃え尽きるように
夕陽を沈ませてはならない
銀色のリングのような月を黙って見送ってはいけないのだ
彼女の涙を数えてはいけない
きっとすぐに溺れてしまうだろうから
....
たとえば
悪意であったなら
オブラートに包んで飲み込む
たとえば
優しさであったなら
丁寧に蒸留したあと
春色のカプセルにして
冬に打ちひしがれた小鳥のために
蒔いておく
た ....
三丁目が壊れてゆく
西から南西にかけて壊れてゆく
止めるすべはない
時代は崩壊に味方している
ツリーはごく近い市井にはみえずに
遠くから客を招くに余念がない
そういえば花火だ
なんと ....
明るまない窓の外をみながら
早すぎた目覚めに舌打ちをする
一月の午前四時
常識を忘れた空腹が訪れるが
理性はそれを満たさないことを選ぶ
代わりに水を一杯手許に置いて
グラス ....
あれは一羽ずつ
てんでに吐くうた声でなく
呼んでいる
応えている
追い越しそうに
また遅れそうになりながら
それぞれ少しずつ
列を乱し
競うのでなく
追従でもなく
他者との距離を
....
*いちばんほしいもの
守りたいもののあいだで
やがては 息もできなくなるので
いちばんほしいものは
手の届かない処へ
四角い窓のむこう
屋根と屋根の隙間のくらやみで
瞬いて ....
「ママ!ママぁ!」
真夜中私を激しく呼ぶ声の元に行き
いつも通り右手を差し出すと
大事なお人形を愛でるかのように
それを自分の胸の前でぎゅっと抱き締め
再びすやすやと寝息をたて始める
....
陽射しは澄んだ冷気を纏い
静かに微笑んでいた
病床から起き上がる母親のように
すると蒼白い時と仄暗い人の群れで編まれるはずの朝が
心なしか ふと暖色に染まり
視線は飛翔してはまた憩う 小 ....
耳から風を贈る 一致した音楽
気分と手を繋ぐ
瞬間の持続 幸あふる
気性と天気の反比例の線を膨らます努力を
楽しむ 年輪を重ね愉しむ
刹那の点線を歩んでゆく 増す増す幸こゆく
....
埃だらけのコンクリートに影を焦げつかせ、
立っているひとりぼっちの後ろ姿を見つける
のに君がずいぶん手間取ったのは、二歳の子
には高すぎる太い鉄柵がちょうど君の視界を
遮り、そこからコンクリ ....
空っ風の吹く夜は
別宅の湯屋のうすい硝子戸が
ぶるぶる震えて怖かった
ぼんやり灯る電球の下
木の蓋をとれば
お湯はもうもうと息を吐く
祖母は
もう、いいよ、というまで
ごつい亀の子 ....
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