すべてのおすすめ
アイシテルなんて言葉は
初めて恋したときか
お互いが喜寿も過ぎた頃
おはようのかわりに
しわくちゃな顔で言えばいい
....
ゆっくりと ひとりで 途を行くひとがいる
もうずいぶんひとにに押されていきてきたようなきがする
妻や子供にもめいわくをかけた
でもいっぽん筋を通そうと思った
この年で
せめて残りの時間を拡散しない正しいもの ....
連なっている
ひとつひとつは
いびつななりであったとしても
連なることによって
ハルモニアを産んだ
重なり合っている
響き合っている
ひしめき合っている
峰 ....
消えちゃいたい
消えちゃいたい
融ける雪みたいに
はらはら降る桜のように
誰にも迷惑をかけず
誰も悲しませず
消えてしまいたい
そんな夜もある
だけどわたしは人間で
....
札束で突く
何が面白くて
大の男が
キャッチボールなんてやるのだろう
君と僕は
公園の片隅にある鳥篭の中で
黙りこくったまま
ひたすらボールを投げ
ひたすらボールを捕った
君の直球は
....
匣が匣として閉じられ
いづれ花が華として咲く
あわい希望を閉じ込める
包丁は包丁として布に包む
棘が棘として働くように
強い怒りはやわらかくしまう
箪笥の隅でみつけた ....
私の石はいま
眠っている
眠りながらも
あなたに関する記憶を育て
あの日と それにつづく日々を
絶対性のなかに閉じこめている
それほどに強い
あの日の記憶
どんな時間が私の上を
通り ....
生は死と向かい合っている
希望は絶望と向かい合っている
夜の
長いテーブルの端と端とで
見えない糸で引き合っている
まじまじと見つめれば
彼らは
なんと似ていることか!
わ ....
それは
人の魂を包むものでした
紫紺の夜空にぽっかりと
白く人魂のごとく
浮かぶのです
隠されているのでした
6枚の 花び ....
きみはなんて意地悪なんだ
今日だしたばかりの春物の上着を
嘲笑うかのように引っ張るなんて
あぁ、きみが気分屋のお天気屋だってことは
....
さらっとしながら
肌を刺すような
雪国の冷気も
真夏の高原の朝の
ぴりぴりくる
肌寒さも
その土地の
その季節が抱える
1日の予告
真夏のひまわり畑で
落雷や夕立も ....
あかん日もある
そんな日もある
けど、そやない日もある
わたしのやる気が逃げて行った
元気や根気も一緒のようだ
荷物をまとめ
手に手を取って
わたしのやる気が逃げて行った
追いかけることなどできはしない
途方に暮れて
薄闇の
終わりとも ....
この季節の雨音は、近づく春の足音です。
街の影に隠れていた雪うさぎたちも
一斉に次の冬へと旅立って行くと
“また来るわぁ。”と
駆け足の2月もすれ違いざまにささやい ....
見えない敵と
戦うよりも
たった一人に
向かう心を
少しずつ
羽ばたきながら
空の広さを
私は思う
あげは
風の強い日は
少し低きを
私は飛ぼう
あげは
....
日曜日の朝風呂は
どこか わくわくとして後ろめたい
隣のおばさんがそろそろパクチー(犬です)を
散歩させる時間
湯気でくもっている気配の浴室の窓をちらり見て
一体誰が入っているのかしらんと思 ....
デザインとはラテン語で物事を達成する為の計画立案の行為を指すらしい
では詩人は何のデザイナーなのだろうか
まあなかには計画の破壊者みたいな人もいるが
夢の設計者なのだろうか
それとも狂 ....
微かに震える
指先で闇に
縋ろうとする
あなたの薄紅の
吐息がひとひら
わたしの頬を掠める
見上げる
わたしに言葉を
飲み込ませ
むせ返るような
吐息を幾重にも
....
喫茶店が次々に店を閉じたというのに
この店だけは流行っています
屋根すらない喫茶なのです
白木蓮を囲んで 簡単な椅子が置かれています
清水から作った ささやかな飲み物があるだけの店です ....
時折だが主演俳優だけに頼り
脇役を軽視しているTVドラマや映画がある
その殆どというよりすべてだが
典型的な駄作の見本となる
それを称して脇が甘いと言う
本当に早い人は
公道を無駄に速くははしらないのだな
きっと
今日きみは61歳になった
お袋さんの年齢を追い越してしまったね
でもお袋さんはきっと喜んでいると想うよ
50歳の頃こんな歳で
“誕生日おめでとう”なんてと
想っていたきみ
幾つにな ....
きちんと一センチ伸びた白髪が
またもや月が巡ったことを
立ち尽くす私に伝える
捲り忘れたカレンダーよりも
ずっと着実に
ずっと正確に
遠い故郷で
私がその顔を拝む前に
燃やされてし ....
数匹の
空を走る鼠たち
太陽を追いかけて
アンテナ
風と風が起こすかすかな摩擦熱
あなたの悲哀はゲーセンのメダルと同じ形
あなたの歓喜は書物 ....
どうかリラックスして
痛みを増やさないでね
白いイルカに乗って
深海に潜ってゆき
不安や恐怖は
溶けてゆく
そんな気持ちに
どうぞな ....
春がやさしく微笑むと
白く積もった嘘が融け
ぬかるんだわたしの心を
悲しい泥水となって流れ下る
ひび割れたアスファルトの肋骨
空に頭を踏まれたままの道あるいは時間か
仰向けに開いた記 ....
此岸のこの世に 深みにふけず 軽はずみに挫くこともなく
ただ受け取る 両手が無くても その形を補う
強さしか滲み出ない エネルギーの みなぎ
此岸は彷徨いの足跡を己の銀漢を巻くDNAに ....
知れば知るほど、悲しくなって
知れば知るほど、怖くなる。
あなたはそう言うけれど
あたしはあなたが何をどれだけ
知っているのかを知らないわ。
彷徨える魂は、砕け散 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142