すべてのおすすめ
通ってたカフェのマスターが
産直の宅配してるって
輸入雑貨店のオーナーは
いま中古レコードのお店をやってる
わたしが詩を書いてることを
知ってるひとが少しいて
わたしのお父さん ....
寒かったから
息を吐きかけ
こすり合わせる
店先のディスプレイは
パステルカラーが
華やかさを競って ....
春がいる
駐車場の奥の
ハイブリッド車伝いに
ブロック塀の上に飛び乗った時
チイ子はそう思った
春がいる
朝の見回りで
ナワバリ荒らしのクロに
やられた三角耳がまだ痛む ....
タトゥーに誤字
走らなくとも 進まさせて頂きに目を瞳をやる
戦ぐ四季の桃色と空色 それらの 彼 彼女らの感情はわからない
されど感じずにいられない 目に瞳に入れずには澄まされない
清さかな ひたす ....
ひび割れた指先から
冬の滴がしたたり落ちて
大地に染みこんでいくとき
温い風に梢を揺すられ
慌てたまんさくは
葉芽を出すことも忘れて
よじれた花を開いてしまった
北の風に身をよじ ....
影と影は
こんなにもたやすく
ひとつになれる
犬とわたし
樹とわたし
電信柱とわたし
あなたとわたし
昼に束ねられていた
よそよそしさは
夜がくれば
溶け
すべての影と影 ....
舟が
天の使いが
父を迎えに降りてくる
モニターの
緑の輝線
彼の何かを告げている
母と私は部屋を出て
お向かいの
やけににぎわう居酒屋で
白身魚の天ぷらと
焼き鳥とサ ....
■そんな人だとは■
あなたがそんな人だとは思わなかった
ずっと疑っていたのに
とっくに信じてもよかったのだなんて。
■冗談■
今にして思えば、冗談のような愛情だった。
....
早瀬のそばの竹やぶに
住んでおりましたので
笹舟を流しては遊んだものです
手を離すと同時に
それは勢いよく
旅立っていきました
赤い橋をくぐるまでは
なんとか目で追うことができましたが
....
つむじ風は南南東に駆け抜ける
収束しない想いを切り裂くように
二足歩行の夜は遅々として眠れぬ夢とともに
進化論の樹を遡り霊長類の高みへとたどり着く
昨日のことはもう知らない
知る必要 ....
ひかりがインフルエンザにかかったの
パパにうつるといけないから
週末は帰ってこないでね
ママは感染覚悟の臨戦態勢準備完了よ
そうか わかったよ
ひかりが好きな
とろアジと
....
私は男性が大嫌いだ、たとえ性別は女性であったとしても
空気があっても
水があっても
土があっても
風があっても
それだけでは命は生まれない
初めの何かがないと
その何かを
私たちは
愛
と名付けた
愛は命という愛の流れを引き起 ....
土脉潤起
つちのしょううるおいおこる
雲がほどけて
雪がこぼれる
北がやぶれて
風があらぶる
音がとだえて
水がいてつく
光がとおのき
命がしずまる
雪 ....
いつも
車両に乗り込んだ人は
先から乗ってきた人に
目で挨拶を交わしたきり
閉じたままの窓の外へ
視線を泳がせたまま
死んでしまう
いつも
死んだ人間が運ばれていく車両に
今日 ....
スーパーで並んでいたときのこと
小学校一年くらいの男の子が
母親とおぼしき人に
何やら言いに行ったかとおもうやいなや
ばしっと音が響きわたるほどの勢いで
頭をはたかれた
理由はわか ....
暗い宇宙のフカクから 、つめたくやわらかな雪は
降り積もる
目線と
平行するように 、
コンクリイトの
壁を這う
白の
ヤモ
リ
星のような手足と三日月のような尻 ....
蟹は
前を向きながら横へ進むのか
横を向きながら前へ進むのか
蟹のからだの構造上
顔のある方が前だから
蟹は前を向きながら横へ進んでいるのだ
が しかし
蟹も何か目的を持って進んでいる
....
140221
目からではなく
眼から
なんでだようと神様が口を尖らせる
漢字変換機能が眼を選んだのです
私の恣意的な意図ではありません
神様の思し召しと思っ ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音
ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
銀盤の周囲には
金や策略やら
得体の知れない黒いどろどろが
埋まっているとかいないとか
それと比べたら
ライバルのスケート靴に
画鋲をいれちゃうなんて
(そういう少女漫画があった)
わ ....
洗濯物の模様になって
取り込まれたテントウムシ
手足を縮めて
ぼく死んでまーす
アジサイの葉に
赤と黒の水玉模様
手を触れれば地面に落ちて
ころころ転がり
ひっくり返ってぼく死 ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で
澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
熱燗の、おちょこの横の
受け皿に
五匹のししゃもが銀の腹を並べ
口を開いて、反っている
いつか何処かで観たような
あれはピカソの絵だったろうか?
絶望を突き抜けてしまった人が
空を仰 ....
少女がしゃがみこんで
草むらを見ている
ふいに振り返り
その昔
あなたはわたしだったのと告げる
小さな瞳を通せば
草むらは森になり
水たまりは湖になり
その村の地下組織に住まう ....
【透明なマグマ】
あれからというもの踏切が 透明なマグマだ
車を走らせていて
次第に車を減速させ
遮断機が ゆっくりと降りている
車と車の隙間を ゆっくりと歩いていた猫が ....
雨はなぜ私をすり抜けていくのか
そんなことを考えながら歩いている
死者を飛び越える猫のように
あるいは歩きはじめた老人のように
それは古寺へと続く苔生した山道であり
田植えが終わったばかりの ....
今日は姪っ子と詩人の誕生日
姪っ子は一歳 詩人は何歳だったかな・・
時々 神と繋がっているはずだから 脳の杖は黄金の如意棒
だから 私たちを唸らせるんだ
生まれ持った持たされた才能に違いない
....
魚上氷
うおこおりをいづる
冷たい水底で
来る日も来る日も
あわぶくの羅列を眺めてきた
滞りがちな
私の中の遅い水は
妄想だけを鰓の内側に沈殿させた
待つのは慣れて ....
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