すべてのおすすめ
大脳皮質は、
前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つに区分されますって いうじゃない
それって クローバーみたいなものかしら
だって 四つの葉だもん
鮮烈な夢が炸裂するとき
きっと 脳内の ....
それは、
いつも見えない
激しくもゆるやかな
みなものような
風からはじまる。
それは、
いつもひとつの
....
空々漠々 とした
あおぞらも ちぎれるときは
わすれぐさのように 赤く鮮烈に土壌と宇宙との間で炸裂するのだ
きょうも嘘で すべてを汚染しつづけている人々の足元で 蟻は動く
死してもなお ....
乗り合わせた連中と
サイコロ振ったりカードを捲ったり
酔っぱらって歌ったり
ここで生まれた
もの心ついた頃には船の上
過去の航跡をぼんやり眺め
濃霧に満ちる行き先に目を凝らす
詳 ....
きこえるものが
みなすいとられていく
みえるものが
みなかすんでいく。
私のなみだを誰も知らない。
ティッシュ箱を並べてみても
素通りされてしまう。
だから私は、
道化 ....
『ダイパー・ドライブやっています』
“おむつのドライブ?”
丁寧な発音
穏やかなトーンの声に
思わず立ち止まる
行きつけのスーパーの入り口
『新生児用のおむつが特に不足しています。 ....
安売りをしていたので
星をひとつ買った
命名権付きということで
相応しい名前を小一時間考え
以前飼っていた犬の名前をつけた
部屋の電気を消すと星は仄かに瞬いて
偽物みたいに綺麗だ ....
スパイスと宝石の匙で
耳を穿られる
《誰の膝が欲しい?――
頭の中から始まる旋回舞踏
透明な花びら 光彩のミスト
すぐに船内の浴槽が揺れるよう
隠れた海が押し寄せて捲れだし
突 ....
「よう、よう。それでは、レッツゴー!
絶望という制服。着用ぉ、それでいて日本征服、決行ぉ。街中で探した明日と睨めっこぅ。そこでは僕だけが鬼だった、鬼ごっこぅ。
肩ぶつけてきた人に弱音ぶつけたぁ。ふ ....
夏の日差しを浴びて影が私の前を歩いてゆく。
大通りから一本中に入った林道に避暑客は少ない。
挨拶を交わすのは老人だけで見知らぬ若い友人たちは
まるで私を影だと思っているのだろう。
....
「おーい おーい」
と誰かが大声で呼んでいる
ドラッグストアの狭い通路
こんな時 こんなところで
大声で呼ぶ声なんぞ
知らない人に決まっている
振り返ってはろくなことは無い
と知 ....
ーちゅるるるーるるー*ー*
繊維を打つような花のワルツが聴こえてくる
※人間二人の姿
同じことをくり返す鳥の話し声には飽きたけど
猿が笑うんだよ、僕は猫そのものだって
やつらに犬をけしか ....
ぼくは雑巾になりたい
雑巾になって絞られたい
愛する妻の手で絞られたい
毎日毎日絞られたい
雑巾のぼくで愛する妻は
ぼくだと知らずに床を拭く
ぼくたちの日日の暮らしのために
毎日毎日 ....
私の目に、
迸る閃光が飛び込んでくる。
その人は、
腕から、
指から、
目から、
髪の毛一本一本にいたるまで
揺るがない何かを放っている。
(触れてはいけない)
....
小鳥たちの鳴き声
ここはドームだろうか
不思議と羽の音がしない
首筋から胸もとにかけて
蝋の塊は溶けて垂れていた
とっくに扇風機は止まっているのだ
目が覚めるのはいつもこんな調子で
....
家族や国を守るため
自ら志願し戦場へ行くと言うのなら
その人は行けば良い 後ろ指さされても
人殺しと罵られても
たとえ国家権力が徴兵しても
誰の血も流したくないと言うのなら
その人は拒 ....
結婚記念日に新聞ばかり読んでいる夫に抱き付いて
文句を言う
じゃあどこかに食事に行こうか
近くのステーキ屋とか
結婚記念日に仕事で遅くなった夫を待ちかまえて
文句を言う
じゃあどこかに ....
「ろくでなし」
我がロクサーヌ
臈長けたその唇で
いたぶるがいいさいつまでも
でもときどきキスしてロクサーヌ
見た目なんてどうでもいいことさ
中身のない石炭袋のようなものさおれ ....
赤い光を背負った父が
海の彼方の岩山から帰ってくると
闇色のかまどに張り付いていた
母の顔が白く浮かんで
子ども達の祭り囃子が
囲炉裏の周りをはね回った
平家の怨霊に千切られたり
画家が自分で切り落としたり
耳だけになった耳は
視ざる 語らず
そばだてるだけ
集めつづけて
誰にも渡せない
にくの花弁の内がわで
....
港町を照らす外灯が昨日の過ちを優しく包み込む。
日ごと繰り返される真夜中の徘徊に彼は意識を組み込もうとしている。
苦しみは土着し、天を仰げば悲しみに満ちていた。
振り向くと死が彼の背 ....
きらきらと
ひかる星たちかくしもち
きみは泣く
ちからのかぎり
きみは泣く
まっすぐに
ひたむきに
た ....
フリーマーケットにはまさかフリーダムは売ってはいないが
団地の夏祭りのフリマに無職の37歳
嫁に食わしてもらっている松岡君と出店することにした
家に眠っている書籍が主体で
売り上げの半分は ....
伝えんとする意志が世界をきりとるとき
言葉が生まれるのかもしれない
飲みにさそった結婚前のきみに
きちんとこれからのぼくの計画を話そうと
想ったがなにもなかった
あなたの推薦をうけな ....
真理を見たのです
燃えて輝く光を
そうして心は石と化し
硬く刻まれて死の使者となりました
冷たい墓石のセールスマンが
来世を高らかに謳うように
ある日ミミズが降ってきて
声のよう ....
あるひとは写真を見て灰色と
あるひとは訪ねて来てエメラルドグリーンと
イメージしたのは東京のほんとの空の色
それで決めた部屋の壁紙
灰色って聞いて眩暈
エメラルドグリーンって聴いて
ど ....
雨の雫色の時間を
一緒に過ごしてきた猫も
居なくなって久しい一人暮らし
いまもまだ雨の雫色の日日
…そんな歌があって名づけた
雨の雫色 って日本語もきらきらと
思い出なら懐かしく整えて ....
じっとして
まっしろな大きな雲
空の下
流れる大きな影は生きている
山々は深く静まる
生き物たちは
じっとして
私の影は深く沈むように
そして
シャボンのような日々の私が
ふわふわ ....
目を瞑っていても
追いかけてくる足跡の靴音を
遮るためにドアを閉めても、
靴音が追いかけてくる。
とくとくとくと ....
泥まみれの夕立一粒に願懸け命懸け
立ち上がろうと 己に跪き独眼に見渡す
屍の点描
永遠の夕立 その隙間で呼吸を呼吸を途絶えないように
大事に大事に膝に触れ 感触の泥まみれを皮肉にも このだ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142