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花のなかの
蜘蛛の影を吸い
水の螺子を巻く指が
静かに空をまさぐっている


まだらな闇
居るはずのない家族との約束
ところどころ見えない階段
現われては消える粉 ....
鳥のそばに鳥が降りて

と つぶやく


すると色は
色をやめるのだ
指さえ かなぐり捨ててまで


目は とうの昔に
泡のものだから
灰を踏みしめ 灰を廻る ....
爪で頭を掘るたびに
うすく小さな羽が生まれる
「いつまでもたどりつけない」と嘆く羽
たどりつけたらどうなるのか
未だに訊けないままでいる
水の底で
むかいあっている



水草が
こちらを見ている



水面の陽はむらさき
月が 横切ってゆく














 ....
蝶を呑んだものの肌に
蝶が現われ
真昼の終わりまで
話しつづけている


小さな音の
まわりだけの冬
鳥は追う
羽を忘れる


石の径の影
曇のなかの声
 ....
空気のにおいが変わり
熱と衣は円に舞う
夢を盗む夢を見たあと
共犯者を思い出せない


葉と花の足跡
街を分け つづく
はじまりを知らず ただ
はじまりから来たことだけを ....
あやういですか
あやういですな
どうやら夕陽が 見えていませんな
へそとひたいと てのひらに
目薬をさしては いかがですかな











 ....
指から少し離れた宙から
水が こぼれおちてゆく


紙を三つに切り
ひとつ あまる


ところどころ 穴のあいた肉から
音が抜け落ちてゆく


鬼の子が二人
 ....
わたしは写実をつなぐ
紙に沈む点を見捨てる
森のむこうの森
水たまりにくちづける


紙を裂いたかたちたち
紙を裂いたかたちにつづく
涙を抄い抄われる手が
別のし ....
かるかる さるさる
脳は脳の隅
帆をたたんで浮かんでござる
罠は黄色 傾けば白
お手玉しても
増えないいのち
















 ....
融けつづける雪に
無数の目があり
そのすべてが
空の指揮者を見つめている
腕も顔もない指揮者を
見つめている
















 ....
うろおぼえの夜に
指を差し入れ
震えを聴いた
波に従い 従わぬ線
脚の動きを
讃えるまたたき


岩のはざまから
空を視る刃先
曇りと筆
曇り時計


器を ....
長靴についた雪をとり
鉢植えの土に撒いたら
左目の下を葉で切られた


しばらく無言で
見つめあった


わたしは誰も見ない
そんな声を
聞いた気がした

 ....
水に映る 白いまだら
狼の家族を 追い立てる光
撒かれる水鳥の骨より白く
昼の月に背を向ける
昼の月に 背を向ける
桃のにおいの手が
空を混ぜて
はじまる


闇のなかを見つめ返す
まぶたの奥の水があり
ひとつの葉に隠されている


海岸と夜
手のありか
通り雨


 ....
白濁が白濁に午後つらぬいておまえを息に刻む刃の先




一時から一時半にてひとり縫う花の棘の指つぎはぎの指




夜が消え夜の代わりの夜が笑み早すぎる星に刺 ....
東京はいつまで京で居るのやら



半分に切ったら神が増えていた



朝知らぬ脳が尻尾を撫でている



叫ぶとき叫びの肉芯こすりゆく



 ....
陽光の糖度が上がり口のなかさらに甘くなれさらに甘くなれ



つぼみには蝶の群れただ渦の群れ細い林のざわめきの群れ



一本の指に龍の火かがやいて通路も爪もはばた ....
リモコンがリモコンを喰う朝ぼらけ



アマゾンの箱をひらくと射る瞳



ピンどめの天使の影の浮く便所



ぐぬぬより二文字多いぐぬぬぬぬ


 ....
破けども破けども澄む紙の橋



前からもまた前からも冬は来る



零時すぎ雨鳴らす雨踏み外す



ばね壊しばね上下する遺棄の庭



何と ....
がんじがらめ
ゆうべの龍
さらした光
たなごころ
虹の根元を
地の夜にひたす
まわるまわる鋭角の
ところどころが蝙蝠の属
黒の流れに映る紅
散ってはひらく葉の ....
はるなさんの木立 悟さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
午後と秘名- 木立 悟自由詩616-11-8
ノート(午後のかたち)- 木立 悟自由詩914-9-11
ノート(剥歴)- 木立 悟自由詩413-8-14
ノート(二水)- 木立 悟自由詩313-6-16
午後と冬- 木立 悟自由詩1413-4-12
昼と白- 木立 悟自由詩712-11-18
ノート(目医者)- 木立 悟自由詩312-9-15
わたし_うつわ- 木立 悟自由詩612-8-23
ノート(羽音)- 木立 悟自由詩912-8-10
ノート(49Y.3・19)- 木立 悟自由詩512-3-20
ノート(49Y.3・14)- 木立 悟自由詩412-3-20
雨へ_雨へ- 木立 悟自由詩8+12-3-7
ノート(48Y.1・6)- 木立 悟自由詩412-1-6
ノート(48Y.12・16)- 木立 悟自由詩511-12-16
いない_かたち_Ⅱ- 木立 悟自由詩811-7-21
触れずに- 木立 悟短歌311-2-19
ノート(雑冬)- 木立 悟川柳311-1-23
ひかり_へだたり- 木立 悟短歌311-1-2
さわぎ_さざめき- 木立 悟川柳610-10-23
獣震夜(業とひまわり)- 木立 悟俳句310-8-2
ノート(40Y.10・3)- 木立 悟未詩・独白303-10-6

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