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茄子にソースをかけたものを食べて外に出た。人が叫んでいる。何事かと思うがこの目ではよく見えないので構わず歩いていく。車と車の間には程よい間隔があってところどころにきれいな売店も出ている。ジュースを買っ .... 夜、自分で自分の髪を切ってお湯で流したところ。外では台風が吹き荒れ、窓に重い空気の塊が当たる気配がする。奇妙に空腹ではあるけど食べないほうがいいだろう。そっと自分で自分の頬に触れると、顔がある。幸福で .... わたしがわたしのことを考えていると
障子がすーっと開いて誰かが入ってくる
いつか夢で会った人のような気がする
上から下まで赤い服を着ているので
目も眩むような思いで
何も言えないでいると消え ....
かぶと虫になったわたしが
瓷に頭をつっこんで蜜を吸っている
西日も射さない土間の隅で
瓷の縁に手をついて蜜を吸っている
本当はこんなこと許されていなくて
惨めでたまらないのだけど
もうかぶ ....
鳥の
輪を描くように
腕の中で時計を
守ってほしい
日に細かな気泡の浮かぶ
ガラスの器に
首の折れたストローを挿して
二重になった影を
辿ってほしい
絡めた指先から
震えとともに
 ....
怖い夢から目を覚まして
私たちは古い座敷に
手紙を持ち寄っていった
食事の支度をしたり
庭の草むしりをしたり
そうやって日々を過ごすことが
供養になればいいと
言葉少なに話した
遠くで ....
梨の始末をどうしよう
この梨を線路に設置して
レールと車輪の間でひき潰すなど
してみたいが
どこか目立つところに
置き去りにしてやりたいが
梨がきゅうきゅう鳴くので
ずっと持っている
 ....
彼女は残念な人
塩と砂糖を取り違えるとか
それならまだいいが
今日はイオと間違えた
イオとは木星の衛星であり
今この部屋を
星の軌道がゆくりなく通る
おそくきて勇魚死ぬる浜寒し 押入れに入れられて
もうずいぶん長くなる
ときどき遊びに来るねずみに
爪をかじらせてやったり
みかんを潰したりしているうちに
骨の浮いた老婆になってしまった
これではいけないと思う
これ ....
奥に進めばいいと
席を立ったのはいいが
どこまで行けばいいのか
聞くのを忘れた
暗い明かりの下
行き交う人は
あなたの目的は全部
端から端まで知っているんだ
とでもいうように
意味あ ....
髪が伸びてしまった
そばを食べるときに
邪魔で仕方ない
切ろうかと思う
髪さえ切れば
髪とそばを
一緒に啜る
こともないだろう
幸せになれるだろう
あなたは指で狐を作る

狐の唇が
狐の唇に触れる

百年が過ぎて

そっと離れる
馬面の犬が
馬なのか犬なのか
誰にもわからない

郊外をギャロップで
駆けていく
古い人体解剖図
の中の男に
愛をささやかれる
冷蔵庫の中から
あなたが出てきて
おとなになりたかった
と訴える
こんな夜には
ビルよりも背の高い
おとなになりたかった
おとなになりたかった
セミ
かと思ったらエビ
枝にたくさんの甲殻類が
困っている
届かなかった
無数の声を
毛むくじゃらの姫が
歌う

時計が砂になるほどの
はるか昔の
花束
とは言わなかったが深緑
の海の底でシャワーを浴びる
人魚の群れ

いずれ死ぬ花と骨の埋没
はるなさんの春日線香さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
人が- 春日線香自由詩118-10-6
触れる- 春日線香自由詩218-8-9
赤い服- 春日線香自由詩217-7-16
かぶと虫になる- 春日線香自由詩4*13-9-10
灯台- 春日線香自由詩612-9-4
供養- 春日線香自由詩511-12-18
梨の始末- 春日線香自由詩311-10-16
残念な人- 春日線香自由詩411-10-13
勇魚- 春日線香俳句111-10-11
帰れない- 春日線香自由詩911-8-29
廊下- 春日線香自由詩611-8-28
ざるそば- 春日線香自由詩111-8-17
- 春日線香自由詩211-8-14
冗談- 春日線香自由詩111-8-6
秘密- 春日線香自由詩211-8-5
エンカウント- 春日線香自由詩1111-8-4
誤訳- 春日線香自由詩411-8-3
夢の果て- 春日線香自由詩211-8-1
これは雨- 春日線香自由詩211-7-29

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