すべてのおすすめ
「手紙」
見渡す限りの誰もがのどが渇いていて
水!水!と叫びながら歩いているのに
誰にも耳が付いていないので
互いにそれに気づいていない
伝わることの無い声は
束になって風を起こし ....
遠い
遠い言葉が
この近さで生まれる
形を変えていく音の
はじまりが揺れ続けて
廊下に落ちていた
誰かの笑い声を思い出す
+
夕暮れが残る夜
潜みの中の湿った皮膚へ
....
空が青いから
僕は屋根を焼く
焦げて崩れたその隙間から
青かった空を覗く
思うほど息苦しくもない午後
崩れた屋根は既に屋根ではなく
いつまでも煙を空へと飛ばし続ける
僕は灰空を見るの ....
遥か上空を雲が流れていく
その少し下を鳥が飛んでいく
荒れた土の上を僕は歩いていく
できることよりできないことの方が多いこと
努力では上回れない才能があること
ガラス球に憧れて生きて ....