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もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま

それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみた

やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった


 ....
もうちょっとを掬い集めても
もうちょっとはもうちょっとのまま

それでも息なんかふぅっと吹き付けたら
袖口でゴシゴシ磨いてみたけど

やっぱし、もうちょっとはもうちょっとのままだった

 ....
「愛してる」

簡単じゃないはずなのに
誰もが街なかでささやきあっている

君だけを
このひろい世界を




勘違いしてしまうのかな

束縛されたく無いはずなのに
相手 ....
四月病ってあるらしい
さりとて年度替りの初々しい賑わいとは
とうに縁遠くなっているのだから

花散らしの雨もあがり葉桜と化した桜並木を
これでよいのだと独りごちながら歩む




 ....


必要と頷いても
近くにあっては困るらしい

それは遠くにあって
必要なときにだけお世話になる

ありがとうございました

添えたお礼と深く折り曲げた腰を上げてしまえば
あと ....
風の吹き抜ける交差点で
あなたは待つ

約束は必ず果たされると信じて

ひたすら待つ
待ち続ける

そして見上げれば雲

春の雲

おぼろげで奥ゆかしくありながら
したたかさ ....
顔見知りの男が死んだ

いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた

そんな一人の男が死んだ




よくある話しだけど
おんなが二人いた

別れた奥さ ....
左手はご不浄らしいけど
わたしって左利き

どうしよう(笑

歯を磨くのも
お箸を持つのも

字を書くのも左なんですけど

小学校のお習字の時間
せんせいから右手で書くよう指導さ ....
息を切らしながら山道を登っていくと
薄暗い脇道から片目のポインターが飛び出してきて
びっこの前脚で器用に跳ねた

どうしたらよいのだろう

何かの病で左目を失くしたのか眼窩は
底知れぬ闇 ....
育てる
花を育てる

愛しい我が子を抱くように

育てる
花を育てる

我が子の明日を夢見るように




よく見かけるひと

花電車の通う線路脇で季節の花を育てるひと ....
か弱いものでも生きてゆける
それが人間らしさってこと

それなのに時には誰かを押しのけては前に進み出て

この一歩が生死を分けるのよね
なんて言い訳をする




世の中は悲し ....
水面を見上げると
ちいさなおんなの子の顔

こちらの様子が気になってしかたないのか

大きくなったり小さくなったり




わたしだけの世界
酒屋さんの軒先に置かれた古い火鉢
 ....
君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな





おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ

私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んで ....
一念発起とがんばってみるのは
容易いけれど
がんばり続けることは
なぜか難しい




それって三日坊主

だよね

悔いてはみるのだけど
いつだって
他のひとの視線が気 ....
コツコツと先を急ぐ女のひと
両かかととも赤く腫れあがっていて何だか痛々しい

足に合わない靴だったのかな

駅前広場は折からの霙混じりで
軒際で立ち止まっては、いちいち傘を開くのも鬱陶しく ....
出かけようとして出かけられなかった朝に
ひとりの女性の顛末を知る

喩えようのない過去の行状
足跡の是非はともかくとして
不治の病に長らく臥していたとのこと

病棟の小窓に映す時代の移ろ ....
愛さえあればなんてね
でもそれってお金で買えそうな気もするよ

何もしないからと言いながら
私の背中に変なのを押し当ててくる

そんな安っぽいんじゃなくてさ

至高の愛
とか
無償 ....
はだかんぼうな大銀杏の木
それでも寒々しさは微塵にもなくて

なんだか凛々しい

思わずさわりたくなって
てのひらで逞しい幹にふれてみれば

生きているんだ

木なんだから動きもし ....
ここ数日来の寒波で凍てついた地下鉄の連絡通路に
場違いとも言えそうな親子連れの姿

乳母車を押し歩くお母さんの脇には小さなおんなの子
お母さんの手助けと押すのを手伝っているようにみえるけど
 ....
ひと昔もふた昔も前みたいに霜柱立ったり
ちょっとした水溜りに氷張ったりするわけじゃないけど
それでも今どきの朝って起きるの辛かったりする

とりあえずは出かける場所があって
帰ってこれる場所 ....
近頃どうよって悪友に尋ねられ
思わず恥骨の膨らみなんか押さえてしまう

去年は処女同然だったしね
あれって使わないと塞がっちゃうのかな

そんなことないのだろうけど
こころの窓ってやつは ....
幼いこどもが悪い言葉ほど直ぐに覚えてしまうように
ちょっと悪ぶってチャラい言葉なんか使ってみる

私に似合わないのはわかってはいるよ
でもね、今年のクリスマスも思い出となるよなサプライズはなか ....
うんうんと首を縦にふる
なんだか良いこと舞い込んでくるような

ダメダメと首を横にふる
良いことなんかどっか行っちゃって
なんだか悪いことだらけな日々となってしまうような

こりゃダメだ ....
ゾウさんの鼻先あたり
あるべきものが無いというか
腰の高さでぐるっとフェンスに囲われていた

ご丁寧にも幼い好奇心を遮るシートまでかぶせてある

わざわざペットを囲いのなかへ入れて
おし ....
あり合わせの野菜と特売の豚ばら肉で作った野菜炒め
ちょっと辛めなのは彼の好みで
できたての熱々をふたりのお皿に取り分ける

彼はと言えば相変わらずのパソコンに熱中していて

彼のお皿にはお ....
何かしら対価を見出したので愛するんだと思う
男のひとなら性欲の捌け口だとか

下心で膨らんだ股間を隠し
君だけを愛しているなんて恥ずかしくないのかな

女のひとだとしたら
無性に巣篭もり ....
背のちっちゃな女の子
男好きのする笑顔が印象的で
逢う度に違う男の子と一緒だった

背のちっちゃな女の子
いつも彼氏の背中に隠れてた
風が吹けば彼氏の体を風避けに
雨が降れば彼氏の差した ....
「じれったい!」と叫んでいた男の背中にすがりつこうとして
彼が必要としてたのは私じゃないことに気付く

う〜ん、淋しいかも

開けてはいけない扉を自らの意思で開けてしまったのだし
それが愛 ....
明日はきっと晴れるよね

そう願わずにはいられなくて
ふと手を休め振り返る

自由気ままに暮らしてきた日々

愚痴っぽくなってみたり
ときには人恋しいくせして無口になってみたり

 ....
やっぱ秋だものね

いつのまにか下腹のあたりに不吉な弛み
食べ過ぎた覚えないんだけど
運動不足ってこともありそうだし

いつのまにか

そう、いつのまにかなんだよね

いつのまにか ....
月乃助さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(66)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
もうちょっとなひと(みんなありがとう!)- 恋月 ぴ ...自由詩3812-5-9
葉陰のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*12-5-7
Raindrops(ちぎるひと)- 恋月 ぴ ...自由詩28*12-4-30
口ずさむひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*12-4-16
望むひと- 恋月 ぴ ...自由詩2812-3-19
Crosswind/Crossroad(契りのひと)- 恋月 ぴ ...自由詩29+*12-3-5
奈落のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*12-2-20
悩むひと(仮題?)- 恋月 ぴ ...自由詩27*12-2-6
オッペのひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*11-11-21
育てるひと- 恋月 ぴ ...自由詩3011-10-17
自虐のひと- 恋月 ぴ ...自由詩32*11-9-19
揺れるひと- 恋月 ぴ ...自由詩28*11-4-11
咲く花のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*11-4-4
がんばるもんのひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*11-3-21
雨音のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*11-2-14
顛末のひと- 恋月 ぴ ...自由詩22+*11-2-7
かさねるひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*11-1-31
ふれるひと- 恋月 ぴ ...自由詩24*11-1-24
いそぐひと- 恋月 ぴ ...自由詩35*11-1-17
あゆむひと- 恋月 ぴ ...自由詩31*11-1-10
初春のひと- 恋月 ぴ ...自由詩21+*11-1-3
悪いひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*10-12-27
うんなひと- 恋月 ぴ ...自由詩22*10-12-20
砂上のひと- 恋月 ぴ ...自由詩1910-12-13
取り分けるひと- 恋月 ぴ ...自由詩34+*10-11-29
愛するひと- 恋月 ぴ ...自由詩31+*10-11-22
初冬の夜空に歌ううた- 恋月 ぴ ...自由詩26*10-11-15
ケーハクなひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*10-11-1
秋の夜長に歌ううた- 恋月 ぴ ...自由詩33*10-10-25
忍び寄るひと- 恋月 ぴ ...自由詩19+*10-10-18

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