すべてのおすすめ
 
 
今年も年に一回の 
メリーゴーランドが
広場にやってくる 
君は朝から鏡の前で
お洒落に余念がない 
 
僕は教わったイチゴ水の
作り方を思い出しながら 
除草剤を作った ....
 
 
眠れない羊が 
僕の数を数えている  
僕が一人、
僕が二人、
僕が三人、 
僕は増え続ける
ため息のように鳴いて
羊は順序良く
僕を整列させる
そのようにして夜は明け
 ....
 
 
ネズミもいた

アヒルもいた

犬もいた

小さいけれど
電気で動く遊具もあった

あっちにいるのは着ぐるみの
偽物ばかりではないか

そう言って
こども動物園の ....
 
 
二人でガラスのコップに入って
誰かが水を入れるのを待っている
窮屈なのが
とても楽しかった
将来何になりたいか
お互いに言い合いっこをした
君は看護師になりたいと言った
僕は ....
 
 
石の言語
語られることのない
肉体の履歴

行間でさなぎは
静かに波となった

命のないものは
絶え間なく産まれ
命のあるものは
ただ数を数えた

都市を離れて
 ....
 
 
ひし形の歪んだ街に産まれて
時々、綿菓子の匂いを嗅いで育った

弱視だった母は
右手の生命線をなぞっている間に
左耳から発車する列車に
乗り遅れてしまった

毎日、どこかで ....
 
奥の虫歯が痛かったので
バスに乗った
バスなんてないのに
歯なんてとっくの昔に
なくしてしまったのに

強風波浪注意報の町で
希望、という名の音楽を買った
嬉しいことが
少しだ ....
都会について語ると
都会は沈黙する、
唇はいつも僕にあるから

生き物たちが寝静まった深夜
列車に乗って
都会という名の駅で降りる
駅前では高層ビルが
ひんやりと脱皮をしている ....
牛丼屋でウシが食事をしていた
まさか共食いか、
と思ってよく見ると
豚丼だった
食べ終えたウシは
お父さんごめんね、と言って
手を合わせ
泣き始めた
他のお客さんは皆
見て見ぬふ ....
 
 
最初から、少年も
少女もいなかった
ただ、名前すらない、
願いのようのものが二つ、
風の中で
寄り添っているだけだった
大人ってばかだね
大人ってばかだね
そんなことを
 ....
少年はカブトムシをつかまえた
兄が教えてくれた秘密の場所だった
早く少女に見せたくて走った
その頃、少女は黙祷をしていた
自分の汗が少し臭いと思った
生活というものは量であると
感じ始 ....
71

右手に吹いた風が
左手に届く
200CCの献血
等級の低い列車で
ここまで来た
会議が始まる


72

プラスチックの空
消し忘れた電線の跡
眠るだけ眠ると ....
 
百葉箱に住んでいた校長先生が 
退職することとなった 
わたしたちはそれを寂しいことと思い 
お別れの言葉と
鯖を送ったのだった 
美味しい鯖ですね、と 
校長先生は美味しそうに食べ ....
 
 
霊安室に母が椅子を並べている
「みんな死んだのよ」
いつこの仕事に就いたのだろう
死んだ体を扱うように
丁寧な手つきで並べていく
手伝おうとすると
「いいのよ、毎日、お仕事、 ....
 
港で生きてると
いろんなことがあるよ
と、港の猫は言った

港で生きてないと
いろんなことはないの?
と、僕は聞いた

港以外のところで生きてないから
よくわからない
と、猫 ....
 
 
夜、ベッドの中で 
妻はいつもより濡れている
ぎゅっと抱きしめると
ぼくの腕の中で 
あっけなく崩れていった 
豆腐だった
水切りが足りないことに
どうして今まで
気づいて ....
 
 
野原に自転車が倒れていた
車輪が外れていたので
持っていたアイロンで
直すことにした
うまく直せないでいると
両親と兄がやってきた
みんなアイロンを持っていた
あれこれしてい ....
 
 
休日のオフィスでひとり
コピーをとってる
何度とり直しても
文字や記号は
羽をはやし逃げてしまうから
白い紙だけが高く積まれていく
明日までに終えなければ、
と思う
明日が ....
 
 
窓を開けて
春の風が入ってきて
ピアノの鍵盤ひとつ
押して消えてく

そんな嘘のような
ことがあったなら
それはきっと君の
優しさのせい

窓を開けて
流れ星が入って ....
 
 
小さな虫を追いかけて
少年がどこまでも走っていきます
窓の内側でも外側でもなく
ガラスの中に広がる草むらを
何も持つことなく

私はいったい何時
ガラスの中から出てきたのでし ....
 
 
壁に壁の絵を描きます
そのうちにどこからどこまでが
本物の壁かわからなくなります
途方に暮れていると
ゴミ収集車が最後のゴミを積んで
走り去って行きます
わたしはあれには乗れま ....
窓辺に飾られた
一輪のチューリップが
ひとり言をしている

叶えられなかった夢について
叶えられた些細な願い事について

自分がここにあることの意味について
そしてその無意味さについて ....
 
 
魚屋の片隅にあった目薬を買う
お店の人と角膜や水晶体等について
少しだけ話した
すぐ側で魚介類はそれぞれに
幸せそうな形で整然と並んでいた
それから帰りの駅ではお腹が痛くて
膝 ....
 
 
むかし男の人が死んだ公園で
山岸徹也くんと砂の城をつくった
歯ブラシが近くに落ちていて
それはとても古い感じがした
城門に番兵の人形を二体置いた
翌日、城は壊されていた
人形は ....
 
  
 
これから結婚について書きます。
その前に男性側の視点であることを前提としなければなりません。
何故なら私が男だからです。
女性側からの視点で書くことも不可能ではありません。
 ....
 
 
亀のレストランに入った
亀たちが食事を楽しんでいた
メニューにあった
「亀肉のソテー○○○風」
(○○○が何であったかは失念)
を注文した
料理名の下には
不慮の事故で死んだ ....
 
 
掌に雨が降る
小さな水溜りができて
魚たちが泳ぎ始める

両方の手で精一杯の
くぼみをつくる
それでも水や魚は
溢れ出してしまう

途方に暮れているうちに
いつしか雨は ....
 
 
おでんの中を艦船が航行する
デッキから若い水兵が
手を振ってくれる

大根とはんぺんが好き
牛スジは入れる習慣がない
ガンモは好んで食べないが
無ければ無いで淋しい

こ ....
 
 
道路を丸めて食べる
どうしたら草の音みたいに
生きることができるのだろう
 
曲った色鉛筆
間違えないように覚えた言葉
値札の無い指の軌跡
並べることばかり
いつの間にか上 ....
 
 
長いものに巻かれている
とても柔らかな
マシュマロに腰を掛けて

呼吸に合わせて
長いものが少しうねる
今まで大切な人と
大切なお話をしていたはずなのに
もう残りものの空し ....
月乃助さんのたもつさんおすすめリスト(196)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
メリーゴーランド- たもつ自由詩413-3-21
出航する朝- たもつ自由詩613-3-13
東京ディズニーランド- たもつ自由詩813-3-9
将来の夢- たもつ自由詩1113-2-24
足跡- たもつ自由詩613-1-9
誕生日- たもつ自由詩2312-12-28
さよならの町から- たもつ自由詩1212-12-22
都会図鑑6- たもつ自由詩8*12-8-4
都会図鑑4- たもつ自由詩712-7-25
ボーイ・ミーツ・ガール(もうひとつの)- たもつ自由詩13*12-7-20
ボーイ・ミーツ・ガール- たもつ自由詩14*12-7-9
「その海から」(71〜80)- たもつ自由詩612-6-26
卒業- たもつ自由詩512-6-20
名札- たもつ自由詩812-6-17
港の猫- たもつ自由詩812-6-2
湯豆腐- たもつ自由詩9*12-5-23
蜜柑- たもつ自由詩1112-5-10
背伸び- たもつ自由詩1012-4-18
春の風、流れ星- たもつ自由詩611-9-24
忘却- たもつ自由詩811-4-19
名前- たもつ自由詩511-4-15
チューリップ- たもつ自由詩611-4-13
目薬- たもつ自由詩1011-4-10
砂の城- たもつ自由詩311-2-20
結婚について- たもつ自由詩2411-2-16
○○○風- たもつ自由詩411-2-14
水溜り- たもつ自由詩611-2-12
帰還- たもつ自由詩711-2-11
手渡し- たもつ自由詩1711-2-6
戸惑い- たもつ自由詩511-2-5

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