つくづく不平らしく、海に向かって、高慢な舌打して、
「ああ、退屈だ。」
と呟くと、頭上の崖の胴中から、異声を放って、
「親孝行でもしろ――」と喚いた。

(泉鏡花 「草迷宮」)

中学生 ....
もう僕には届かない空
あの時の空が
16年前の秋の日には
あった

空にまで手が届くほど
僕の青春は高く翔んだ
誰にも負けないぐらい高く
やがて堕ちることも知らずに

悔いはない
 ....
私から、
なにかが抜け落ちている。
そんな気配がして
足元を見ると、
枯れたことばの欠片たちが
犇め ....
『物差し』

幸せとか、不幸とか
いったい誰の
基準で決めるのですか

その基準となる物差しを
いったい誰が
持っているのでしょうか

あなたですか
神さまですか?


『 ....
 
キスは

するとされる より

するとする が、いい



 
いつのまに内緒話は死語となる 左下がりの枝に梨の実


「信じてる」 秘密のありか探る手で 画面で乾く目を伏せたまま


民族の衣装は乳を隠さない 壁が嫌になり踏み込む裸身

 ....
賑やかな祝祭は
終わり
各人は家路に着いた
人の優しさ
温もりが
泉のようにあふれでて
懐かしい人の
胸を満たし
小さかった人は
見上げるような大人になり
いたわられる人となって
 ....
「もう秋だな」
「ううんそうじゃなくて、まだ秋だよ」

「秋ってさ、どうして秋なんだろうな」

「そんなロミオとジュリエットみたいなこと言わないでよ おかしいなぁ」
と女の子はそう言って乾 ....
眠れない未明に
仕方もなく起きだして
ふと開けた引き出しから
懐かしくて熱いものが

彼女がのこして
そうするしかなかったままの
断片がみんな
雨の雫色をしてる

それらは歌で
 ....
キスを与えられないので
夫に向かってワンワン吠えているの
毎晩のベッドへ向かう
スクショしてほしい
切り貼りしたい夫との演舞

明日から残業が増えるんだって
へー関係ない体力 ....
コスモス
風にゆれる
何を言っても
遅いと揺れる

コスモス
風に散る
何を喚こうが
間に合わないと
散る

コスモス
風に折れる
ただ真っ直ぐに
延ばそうとした
腕のか ....
もう君の見ている風景に
僕は居ないのかも知れないけど
僕の見ている風景に
君がいつも居るんだよ
強い強い風の中
白いワンピースをひるがえして
一人立っている

大人になると言う事は
 ....
虫の音は過去から届くメッセージ紐解きながら浅い夢みる

つかめばするりと逃げてゆくとかげのしっぽに似た夜だ

まだら雲見ている猫の背中にもまだら雲がひとつぽっかり

朝起きて歯医者の予約を ....
景色が青で満ちていた
空気が青色をしていた時間
海と空と液体酸素
この世に青は多いのに
人間は青を憂鬱にしたから
青い憂鬱が僕らを包み込む
溜め息
美しい景色に ふっと
窓が曇り掠 ....
諦めたいんです。
もう、ずっと、ずっと、諦めたいんです。

幼い頃の初恋が、こんなに燻るなんて
思いもしなかった。

歳も離れてて、わたしは制服を着てました。
周りの男子は持ってないレデ ....
どんなに不合理に見える言動や行動にも必ず
それに対応する心的(真的)現実がどこかにあ
り――それは遠い過去の記憶やもしくは世界
のどこかなどに――それを見つけ出し正しく
反応した場合にのみ、個 ....
雨の夜
傘をさして街に出る

顔も知らない人に会うため
自分じゃないような早足で目的地に向かった

複雑で微妙な心境
臆病な人見知り

本当に会いたかったかどうかは
今もよくわから ....
ししゅう、
死臭を漂わせることばを、
書いてみたいと、
手を伸ばしたそこは
暗闇が続いていた。
私たちは一列になって、  ....
公園のベンチに座っていた
そよ風が恋人のように寄り添っていた
古いノートの中で
ことばは悶えた
それとも窮屈な服を着せられて
詩がのたうち回っていたのか

その時ひとひらの蝶が
記憶に ....
プラナリアに 出会いたい
永遠の命だというプラナリア

世界が黄砂に なぶられて
沈鬱が大陸を覆い 海洋にも降りた
人は みみずのように
スマホのなかの情報に生きる術をもとめ
無数の出口 ....
何処にも見つけることは出来なかったはずだ
そう訴えているかのように
私の視覚を証言台に立たせ尋問する
画家であれば画材は其れまでに蓄えてきた感情の十色
上手く言葉を塗り付けようとするが
もう ....
おそらくもう夏は行ってしまったのに
夕刻になると
埋葬されない蝉がうたう
取り残されるということは
ひとつぶの砂のような心地
苦いさみしさだろう
――さいごの一匹になりたくないのです
生 ....
雑草、雑草って
みんな嫌うけど
雑草でも緑があると嬉しい

ただ自然に帰ろうとしているだけだ

コンクリートに封じ込められて
行き場をなくす彼らの子孫

でもひょっとすると
熱がこ ....
寝息から雨だれまで
すべて世界はきみのもの
知らないということが
あなたの世界を広くする
知るための手順は
あなたの水がめをみたしてなお深くする
あなたは覗くつもりで水がめを倒してしま ....
オリオンを確かめて
冬と悟る空に
白い吐息を吹きかけて
部屋に戻る少女たち

残された結晶たちは
さまよった末に
辿り着くのだろう
この夜も 夢へと

赤いバレエシューズ姿の女神が ....
ムシと言えば…

小学生のとき、有名な昆虫博士のお話を聞いた。
日本では 蜘・ムカデ・蛇にトカゲ・ノミ・虱など 小さな生きものをムシといったけれど ここでは昆虫のことを言います。では、昆虫とは何 ....
夕暮れの教室で
君と二人きり

何か話したかったけど

とうとう
話せなかった日

大人になって今
ぼんやりと思い出す
あの日の教室

何も話せなかった事を
いつも後悔したけ ....
球体は弾けた
その飛散した一粒一粒の種子が
時代をあまねく代弁するかのように
ある方向へと向かって流れ出す

思い出して欲しい
白い腕が守ろうとしていたのは何だったのか
幸運の女神は目を ....
 坂を上りきったところには思い出が宿る。
 僕は持ってきた手帳を開き、使い古した万年筆でそっと言葉を描く。
 生命の継続。生命の継続。生命の継続。
 三回繰り返すと不思議とその場所には新しい ....
 
夜、虫のこえ

秋がそこにいた

でも、まだしまえない名残のTシャツ



 
りゅうのあくびさんのおすすめリスト(2357)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誤解物語- 陽向∮自由詩5*15-9-15
Fly_high- 渡辺亘自由詩315-9-15
ペン- あおい満 ...自由詩915-9-14
【_基準_三詩_】- 泡沫恋歌自由詩19*15-9-14
関係- 殿上 童自由詩13*15-9-14
足跡- 深水遊脚短歌4*15-9-13
祝祭- Lucy自由詩15*15-9-13
秋道- らいか散文(批評 ...515-9-13
どうしたらいいのかわからない- もっぷ自由詩1115-9-13
再恋- かんな自由詩4*15-9-12
コスモス- Lucy自由詩16*15-9-11
繋がらない三連の詩_或いは呟き- 渡辺亘自由詩515-9-11
秋のあをぞら- そらの珊 ...短歌1015-9-11
白空- 凍月自由詩8*15-9-10
初恋リベンジ- 愛心自由詩415-9-10
立体描写の仕方- りゅうさ ...自由詩7*15-9-10
冒険の書- ガト自由詩8*15-9-10
雪原- あおい満 ...自由詩615-9-9
わたしのメルヘン- ただのみ ...自由詩14*15-9-9
小宇宙から流れくる____(改訂稿)- るるりら自由詩16*15-9-9
風景- 乱太郎自由詩18*15-9-9
秋のゆびさき- そらの珊 ...自由詩1515-9-9
雑草- ガト自由詩3*15-9-9
---- はるな自由詩315-9-9
今宵の使者は- もっぷ自由詩915-9-8
ムシと言えば…- イナエ自由詩7*15-9-8
放課後- ガト自由詩5*15-9-8
◎示唆の行方- 由木名緒 ...自由詩16*15-9-8
生命の歌- ヒヤシン ...自由詩9*15-9-7
Tシャツ- 殿上 童自由詩16*15-9-7

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79