車に轢かれた「ただいま」があった
この持ち主はきっと
今頃帰る家がわからなくて
公園のベンチに体育座りしているのだろう


蒸し暑いこの季節になると
「ただいま」がそこいらで車に轢かれて ....
世界は、誰か一人でも。

綺麗と想ったら。

綺麗だ。
最近、我が家ではトラを飼う話が続いている
母さんはもうはしゃいじゃって
名前はなんにしようかしらって
スーパーのチラシの裏に訳の分からない名前
いっぱい書いてる
父さんは麻酔 ....
透明水晶の信号柱から
七つ先の林道をかけあがると

ずいぶんと見晴らしの良い高台に
ブナの木が一本立っている
木の実を転がしながら

その細い林道をしばらく行くと
もう帰ってはこれない ....
 不器用であることは
 罪ではありません



林檎の皮をどれだけ長くむけるだろうかと
無邪気にはしゃいでいた頃に

途切れてしまった命はいくつ
あの赤い肌をすべっていったこ ....
雨降りの日の水溜り

絵本の中では水色に

雨の上がりの水溜り

絵本の中では水色に

車が過ぎれば泥が舞う

くゆって濁って落ち着いて

すすればまさに泥の味

今は昔の ....
銀河鉄道に

此処はきっと
銀河鉄道に
呑み込まれてしまったのよ


銀河鉄道に


「此処に夏が訪れる事はありません」

僕が此処に引っ越してきたのは、この一言に惹かれたから ....
旅にでたけれど旅って何さ

ここはどこかな ねえ
サンダル船長さん 調子はどうだい

うん 段々 体が重くなってる
海水がしみこんでるのかなあ
沈んじゃうのかな

えー それは困るよ ....
カサブランカ
生まれてきたのだから咲きなさい
生み出されてきたのだから

生み出されずに
生まれてきた生命はいない
自分で自分を産むことで生まれる生命なんてない

カサブランカ
生ま ....
この夜を沈めて
蛍光灯の明かりが漏れる部屋は
心音で満たされて

夜の淵をたどり
深い海の底へ降りて

眠りの宮の前で
今日の夢を乞う

海ほどの
心の深さを
今日の眠りは約束 ....
あなたのことが知りたい
あなたの手に触れてみたい
あなたに抱かれたい

あなたの
すべてが
私は
欲しいんです

あなたの
すべてが
知りたいんです

恋に
落ちていく私に ....
あなたのために
さよならします

今まで
迷惑かけて
ごめんなさい

私が
みんな
悪いんだから

あなたに
許してもらおうなんて
思ってないです

さようなら
陸があって
呟きがあって
知り合った
冬の夜に
繁華街の路上に
落ちた割り箸の
片割れみたいな
よごれ方は
気に入ってる

夏の
失明する真昼に
無数の甲虫が光って
あぶらぜ ....
寂しい時は
僕の所へ
戻っておいで

いつも
君のことを
思い出すんだ

ひとりで
いる時
君の素直な横顔が
恋しくなるんだよ
愛しくなるんだよ

かわいい
君の笑顔も
 ....
夏が来ると
あの日のことが
よみがえってくる

君が
突然
いなくなったから
帰らぬ人となったから

あの日
君は
とても
元気だった

僕は
君と
古い
ボート小屋 ....
{引用=ばたん――
ドアがしまるような
収穫の音がして、巻きあがる
走り去ったランナーの
一陣の風

よみがえる
まなざしの白さ、
青い息
ゆらぐ光彩に
ぼっ
と一点とどまる
 ....
タンゴの旋律に
呼吸を合わせるように
茜色のロウソクの火が
ゆらめいている


凪だった{ルビ水面=みなも}を掻き立て
眠っていた感情に爪を立て
ゆさぶりながら


身体の中を貫 ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
最初はそれなりに期待していた
散々魅力的な話を聞かされたから
小さな希望も胸の中で芽生えていた

だけど現実は思っていたより味気ない
大人だって思っていたより大人気ない
それは惰性で噛んで ....
清らかな波を重ねて作られた
海は上質なつづら折りのキリム

潮騒 風の音 ウミネコの泣き声
響きあうハーモニーはadd9

空の映写機に投影された
夕暮れのスクリーンを背景に

僕は ....
熱い帯にタイダイの笑い声が響く
電気工事のおじさん
駐輪場のおじさん
建設現場のおじさん
交通整備のおじさん
ペンキ塗りのおじさん
たくさんのおじさん
設備工事の父さんも
あんな風にタ ....
せなかをたたかれはっとふりむくのっぺらぼう 先生
ボク帰って来ました
この教室に
円周角やら
関係代名詞やら
習った
この教室に


先生
あなた方が座っていた
デスクに

ボクが座っています
こんなにも
広かっ ....
青空高くリンリリン
田んぼは緑のハンカチ
アイロンかけたて

自転車のペダルを踏みふみ
これから告白しに行く
100%駄目って知ってるし
すごい迷惑だろうけど
アイスだってイチゴだって ....
深い 森の青 遠い山々
押し寄せる 驟雨の匂い
夏が海を抱いて

また再び
貴方と恋に落ちるのか

自己憐憫
自己嫌悪
隣り合わせの理想国・・・燃えて・・・
語りつくせぬ思いを
 ....
               080709



新装開店のお店の前

チラシを配る男の子
チラシを受け取る男たち
木登りが上手だねと
褒められたことがありますか
危ないから木に登 ....
青のインク
絵の具のチューブ
クレパス

全部ひっくるめて
投げやりな空を、描いた

何枚も何枚も
繰り返し

気がつくと
床が、海になってた
シーツの滑りが良すぎて
窓辺に頭を預けられない
身体に力が入らない
部屋は底から白んでいく

ペンキのはげたベランダから
甘いクリームが弾けていく
ただの牛乳だったので
私は
生クリ ....
生暖かい
風が吹く
油の臭いが
鼻をつく
イソメでぬめった
指先で
何本目かのビィルをあける


ゆらゆら
揺れる
電気浮き
つられた
人魂
ゆらゆら
揺れる

困っ ....
船に揺られて
苦楽を共にし
時に涙し
時に笑い

楽しかった
苦しかった
自信は自分を信じる事
と教えてくれた。

君は旅立つ
もう泣かないよ
永遠に別れる
互いの自由の為に ....
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