僕はこの世界の果てで
君を待っている
永遠という言葉を
君は信じているのかい
僕には
それは、とても遠くに感じるんだ
それはまるで
壁に突き刺した
針の穴から
壁の ....
ああ、冬の日に
ぼくはあなたと失いたかった
夜の海をゆく
フェリーの三等室
垢にまみれた
蛍光灯に照らされ
ああ、焦りのような
遠いこころを見つめている
....
つめたくて
やわらかな
夜中の大気だ
コンビニの袋を
ちりちりといわせ
二人で歩いていた
着込んでいるのに裸なふたり
既婚でいるのに
ややこしいこと ....
窓のむこうの
樫の木のむこうの
こがらしより むこうの
空が染まるのをみた
はずなのに いま
なにもみえない
窓はかすかにくもり
樫の ....
ハイ ジミー
今日は晴れているかい
君がジムという名前かどうか知らないけれど
僕の中ではジミーと呼んでいたよ
ときおりすれ違うだけの君が
急に
ねえ兄弟
今日はなんて素敵に晴れてるん ....
「好き」という言葉に
飽きたとしても
君を見て ピンッと動く気持ちの方向は 変わらないと思う
ずっと
あなたの電話に繋いだら
あなたが出る
そんな当たり前のことを
確かめたいと思った夜に、いま
窓を開けて出逢いました
複雑な涙ほど
単純な味がして
離れてゆくほど
迫って ....
昨日のこと。
夕暮れる空をくじらは泳いで
大きなくじらのそばには
半分ほどの大きさのくじらがいます。
小さなくじらは泳ぐのが苦手なので
大きなくじらよりも先に
尾が橙色に染まってしまいます ....
都会の夜に出る月は
ひんやり冷たいムーンライト
街角に漂うほのかな香り
そして誰かのひとり言
街の明かりに人影ひとつ
後ろの正面だあれ!
目隠しをして逃げたのはだあれ
ひちりぼっちの影と ....
ひとつの星が庭におちて
それは晩ごはんのおかずになった
こうばしく甘いかおりが
ゆげにのって狭い家をつつんだ
ちょうどいい感じに焦げ目がついて
皿の上に盛りつけられて
それでも ....
女は宛ら 一室の部屋だ
好きな男好みに 設(しつら)えられた
日々模様替えする 夜々配置換えする
九十九を過ぎた婆さえも 「あれまあ不思議!」と云うような
女は部屋の 一室である
想い人あら ....
砂漠がたったひとつの井戸を隠していたころから
私の瞳は たったひとりの姫を隠していた
床は真四角の部屋 天井が一点で結ばれている部屋で
彼女は いつも たったひとりで 永遠を歌った
....
足のみじかいテーブル
一家団らん
先生、団欒の欒の字くらい漢字で書こうぜ
自由主義思想
ナショナリズム
それ以前は?
食にまつわる
先生、おれだけにむかって話すのやめてください
....
あなたがもってくるそのにおいは
あたたかすぎてこころがいたい
もしできるのならばぼくのそばで
ゆるすとひとこといってください
そしたらぼくはありがとうといって
....
ひとはみな
さみしいひと、なのです
おんなのひとは
心の慰みに 明るい色と楽しい柄で爪を華やがせ
さみしい心が賑やかになった気に なりたいのです
埋まらない心の物悲しさを知って ....
ポエム岬
千葉県房総半島は長い
犬吠埼から九十九里の有料道路を使って南下すること一時間
そこに小さな岬がある
ポエム岬
誰がはじめたかしらないが
そこはいつからかそう呼ばれるようになっ ....
バレンタインなんて関係ないねと
モテない奴らがひがんでる
そして俺もその一人で
この時期だけチョコなんか嫌いだと
デパートの前で心の中で叫ぶ
今は仕事もないので義理チョコももらえません
義 ....
すくえるものの おちていくすがたは
ただ だまって ながめるばかり
かたちなきものの ながれゆくようすは
ただ あふれて すきとおるばかり
おもいは灰に、
火にちりりと焦 ....
冬になると寒い寒いといつも言っていた
君の最後の言葉は
寒い
だった
雨が降っていた
君は雨が大好きだった
どんなにたくさんの雨粒達がアスファルトに打ち付けられても
”雨”の一言で終 ....
少しだけ、冷たい風が吹いてきたのは
とても遠い場所からだった
人はいなくなる、ということが出来るらしい
世界はいつも通りに明るくて
僕らは同じように電車に乗り込む
乗り継ぎ駅で世界が追い ....
【花時計】
ある一時
植物のように生きることを夢想する。宮沢賢治は雨ニモ負ケズといったけれど、植物は雨に負け夏の暑さにも負け
害虫にやられて レタスは高騰するのを見ながら。
....
NIRVANAは
それほどニルヴァーナでもなく
仮想現実は
それほど現実でもない
ぼくが抱いてあげたいのは
もしくはあなたの曲線
アフリカとユーラシア大陸をつなぐ
もしくは
北アメリカ ....
人と違ったことを見つけ出すことが、新しいとは限らない。
異色になることが、新色になることとは限らないと思う。
たとえば、ファッションで‘パリコレクション’というショーがある。
新しい服ばか ....
いまのは世界中の石像が
月のちからにひかれ
変身しようとして
均衡をうしない
たおれて砕けた音だ
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。
あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
手のひらの中に
そっと星を隠していたら
夜になって光りだし
銀河系宇宙であることが
ばれてしまった
それは蝶のように
よぞらをかざって ....
揺れている――
火が、無人の家に続く砂利道のそこここで、
揺れている、原野の風の行き来にあわせて
揺れている、枯れかけた草の群れが、
火が跳びはねて渦巻く、
日没前の世界に
揺れて ....
中学生の頃、僕は「不良グループ」と呼ばれる集団の中にいた。
でも学校ではまったく逆で、成績もまぁまぁ良かったし、友達や先生から「何であんなやつらと一緒にいるんだ?」って、「抜け出せないなら助けるよ」 ....
?.
{引用=
「俺は白だ!」空が泣いていた。空は自分のことを白色だと信じて疑
わなかったのだ。「違うよ、君は青色なんだ」「嘘ばっかり!」どう
しても聞いてくれない空に、僕は鏡を持ち出した ....
春のある日
緑の窓に
映るように出会う
ふたつの音楽
応え以上の応えを浴びて
昨日は突然消え去って
今日と明日は行き来する
花の手をとり まわる声
声の手を ....
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