わたし時間です
あなたの時間です
わたしはあなたの中にいます
だから
わたしとあなたは同じです
わたし時間です
似ていますが痴漢ではありません
でもあなたはわたしがうとうとしていると ....
もうとっくに満ちていると思ったら
まだ正面を向いていなかったのね
でも魂を物質化した細胞は 光を反応させてたわ
付き合いが長いのに 何も知らなく
ただ焦がれるしかない自由ロマン
....
もし、新たなメッセージがあったら死んでもいい、と念じたとする。
すると、あった場合は嬉しいし、なかった場合は死から遠くなり嬉しい。
もし、新たなメッセージが無かったら死んでもいい、と念じたとす ....
金木犀のかおりが郵便受けから流れると鍵をしめた
私は外に出ていたときに
人生で最初の婚姻届の切れ端を届けた
しあわせに封をして焼印を押し君に告げたいことばが溢れた
買ったばかりのダ ....
トリックを最高額で競り落とし彼女に見せるカードマジック
犬に
おやつをあげました
これきり、と言うと
少し節目がちになり
それまで動いていたしっぽが
ぴたりと止まります
正直な犬
おまえは決して嘘をつかないから
嘘をつく人間は
失われ ....
積乱雲が雨を降らせる。
空が好きだな。雲が好きだな。それを映す
水面が好きだな。言い出したら霧を見つけた。靄も好きだ。
雲の根源は地上に流れる水にある。
葉の裏から出た水蒸気にある。
空が私 ....
白い砂漠に
矢のような日光が降り注ぐとき
摂氏五十度の風に
駱駝が弱音を吐く。
そのころ
私たちの小さな家の二階では
左腕がV字に固まった女が
つば広の白い帽子を右手で押さえ
吹き ....
{ルビ月極=げっきょく}さんは資産家だ
日本全国に空き地を持っている
でも、どこに住んでいるのだろう
月極さんのお家がない
そう思うと、ちょっとかわいそう
パートさんになった
月極で働 ....
焼酎を4分の1
大きな梅干を一つ
湯気をあげながら湯が
グラスに入れられていく
ひとくち飲む
タバコも 吸う
弟の話は陽気でたのしい
兄貴を面白おかしく
....
心は目には見えない
心は耳でも聴こえない
心は手では触れられない
思考でもない 記憶でもない
ただ感情というだけではない
心って いったいなんだろう?
見えない存在 心の在り処
....
あがりたの森を目指した
自転車に乗って
とにかくまっすぐに進めば
そこには
あがりたの森があるはず
あがりたの森に何があるのか私は知らない
そこが何なのかも知らない
ただ、ふっと ....
空のピアノを見ましたか
ほら・・、
二重橋のような、おおきな虹のことです
ト音記号と、ヘ音記号のついた
おおきな、虹
ドは、どこにあるのかなって
迷いませんか
ふしぎなことに ....
柄のとれたモップの毛先から滴りおちてくるのは
汚れた雨だれ
きっと
津波だってそうだね
津波なんて言葉ききたくもないけどね
月なみだってそうだよ
邪気がないからや ....
{引用=
掠れた息をつくように
ベッドにそっと
言葉にならないものを吐いたとき
その言葉にならないものはすぐ露のように朝の陽にきえた
あの日のあの雲にはもうであえな ....
夕焼け空の下、線路沿いの道を歩いてると、金網の向こう電車が物凄いスピードで通る度に「嗚呼、こんなのに轢かれたら堪ったもんじゃねーな…」とつくづく思ってしまう
幼少の頃から絡まれてた家の事件のせい ....
いわれの無い 悲しみは
こどもの頃の 押入れの匂いがするから
布団のすきまに押しこんだ
この目は きっと赤
ともだち
と いう響きの電話の声が
「いまから 出かけない?」と ....
手がふれる、という覚悟と、手がふれた、という諦念の間には、ほんのわずかの隙間があって、わたしはだいたいそこいらへんに住んでいるのじゃないかと思う。わかっていながら、実在に達しない、その、なんとも。 ....
真夜中
娘の背中をさすりながら
ただ一心に祈る
他に何も要らない
何も要らないから
ただこの子の咳を治して下さい
今この瞬間にも
地球上のどこかで
同じように子を抱きながら
....
夕暮れの淋しさひとつ風に乗せ
揺れるススキを追いかけて
ひとりで道を歩いてた
さよならさよならまた明日
ひとりぼっちもたまにはいいさ
夕暮れのせつなさひとつ風に乗せ
暮れなずむ空を見上 ....
きっかけは女の子がいれた一杯のコーヒーだった
「エスプレッソが苦いって誰が決めたの?」
その余韻は記憶となり小生意気な声で
私を侵食して何かを変えた
その時感じたフルーツのような新鮮な酸味 ....
深い傷 浅い傷
大きい傷 小さい傷
ずきずき痛む傷、甘酸っぱい傷・・・・
どれもこれも、私の体に残っているものならば
全て抱いて生きていこう
ひとつひとつが 生きてきた証だから
失いた ....
読みかけの本を閉じて結んだ髪をほどく
夜は音もなくすべってゆくベルベット
やわらかに{ルビ項=うなじ}にまとわりつき
わたしは旅に出る 夜の時間に分け入り
夢の中で出会ったあなたに会い ....
今年も帰って来ないか。
と、隣り その隣りの家の 墓掃除に来たと言う。
ボトルの水滴を拭き取り
口に含み微笑む
恋しくて
無言のままに 人恋しくて
老いたその指で 草を抜く
とんぼが にげない すこしも
とんぼの 目の中に わたしが
たくさん いるというのに
あぶらぜみが にげない すこしも
目線のたかさ で なきはじめた
あぶらぜみ わたし ....
爪先に何かを察知する
見上げれば
呼ばれては
また 満ち足りる月
夏の夜空の国の太陽
いつも 満ち足りている月
見下ろせば
呼びかけては
静けさに 照らす 夏の夜空の ....
ぼくも夏毛になりましたって そんなアホな
暑中お見舞い申し上げます たま
雨の日はほら
また寝ぐせがついてる犬のひげにアイロン だめかしら
どしゃぶりの雨の中しつこく猫をさがす犬 ....
先に
想いが渡る
次に
鼓動が渡る
最後に
身体と車輪が
ついていく
川面は
曇り空の下で
もっそりと
黙りこくったまま
10両編成の
小癪なリズムに
渡られ ....
輝きを追いかけ続け立ちすくむ向日葵は今も恋をしている
雨上がり雫きらめく紫陽花の空の彼方に七色の虹
睡蓮は神話の国の夢を見るまどろみながらたゆたう水辺
満月の月の光に誘われて待宵草の ....
「詩人」という言葉のその概念的内実を考えてみれば、「小説家」とも「文学者」ともちがっていることがわかるだろう。
そこには、詩を表現手段とすることと、個人であるという、相反するような人間の定義が宿って ....
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