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 さみしさが夜空にぽっかり浮かんでいた。
 月は雲に隠れてしまった。
 噛み締めたくない孤独は、目の前で立ち昇る煙草の煙と共に、
 私の胸にその影を落とした。

 夢の中で何人もの人を殺 ....
 月明かりに照らされた夜の花は青く霞んでいた。
 虚無を抱えた若者の奏でるピアノは枯れている。
 長い歴史の中で誰かが落としていった休符は
 どこかの枯山水に配置された石のように儚い。

  ....
寝起きに熱いココアを一杯、これから朝を迎えます。
あなたに吹く風を私にも分けてもらえませんか。
春の嵐のような昨日をすーっと忘れてしまいたいのです。
 
雲の多い朝ですね。
 ....
 深い眠りに就く前にお前の笑顔をもう一度見たい。
 お前の笑顔は私と子供とを優しくさせる。
 たった一度の夜に訪れる魔法の力。
 さあ、私らに笑顔を見せておくれ。

 お前は病床で安らか ....
 吹く風に捕らわれた身は山を駆ける。
 幾たびも過ぎていった時を頼りに。
 先人達の漲る力に生を覚えて、
 村はずれの舗道にただ立ち尽くす。

 吹く風に捕らわれた身は川を渡る。
 輪 ....
 森の緑を照らす太陽が心地良い朝。
 緑という緑が生気に満ちて光り輝いている。
 森の奥からモーツァルトのクラリネット五重奏曲が聴こえてくる。
 精霊たちが奏でる音色に聴き惚れていると心に勇 ....
 記憶の彼方に浮かぶ一艘の客船は時を巡る。
 大海原は凪いでいる。
 トランス状態に入る前の静けさに音楽は語る。
 安らぎはいまだ訪れはしない。

 多少の情緒不安定は正常だ。
 海は ....
 誰でも自由に自販機でタバコが買えた頃、あれは15の夜だった。
 わずかな金さえあればタスポなんていらない時代。
 最初のタバコを吸いこんだ時の高揚感。
 格好つけたがりの少年は大人との境界 ....
 解放の日、森に朝霧流れ、緑の木々が薄青に沁みている。
 貴方の透き通った声が森に響き、鳥たちは讃美歌を歌っている。
 まったく突然に新しき日々が訪れた。
 それは過去を失った人々にも同じ事 ....
 山の麓の小さな村に今年も初夏がやってくる。
 黄昏時の老人が野菜を背中にしょっている。
 雁の群れが西の空に飛んでゆくのを目で追うと、
 彼方の空には一番星が瞬いている。

 憧れの初 ....
 白い景色の中で回るメリーゴーランドに人はいない。
 何かの気配を感じる朝はいつもより濃い目の珈琲を飲む。
 人工的な村は閑散として涼しげだ。
 そして私は今日もまた何かに迫られて過ごすのだ ....
 自由を求めて彷徨う魂は蛍。
 夜の神秘を嗅ぎ分けて、集まる。
 静けさの中にちらちらと煌く光は
 あらゆる煩悩を消してゆく。

 今ここに在る事の意味を考える者は
 光に頼りを探し、 ....
 愛を囁くと梢が揺れた。
 協奏楽の流れる部屋に人は無口で
 病人の枕元に一輪の花をかざした。
 今在る優しさに皆耳を澄ませた。

 枯草の美に共感出来た時、私は和的な幸せを得た。
  ....
 神々の祈りに私が微笑む時、ああそれは幻か。
 煙草の煙に佇む旅情、今は健気にその花を咲かせるがよい。
 苦痛にも耐えてきた魂。
 すべてが浄化される時が来たのだ。

 清い水の流れに鴨 ....
 窓から覗いた二つの目が遠く潤んでいる。
 心は情景に溶け込み白茶けた街はとても静かだ。
 まるで初めて見るかのようなその街の光景はどこか異国の匂いがする。
 灰皿の上では吸いさしの煙草が紫 ....
 
 早朝の湖を歩くのは誰だ。
 湖畔の宿で耳を澄ませばそれは聞こえる。
 眠れない夜を超えて我が神経を研ぎ澄ます。
 苛立たしく窓を解き放つと、音の消えた足跡がくっきりと宙に浮かんでいる。
 ....
 光の帯の中から生まれた君は無言で僕に話しかける。
 朝、光は太陽光線と絡み合い上昇してゆく。
 覚めたかい、目は。
 ほんの小さな君はまるで水晶のように笑った。

 錯覚に揺れる部屋で ....
 風の奏でる色彩はいつも淡色。
 僕の奏でる色彩はいつも原色。
 
 君は過去に向かって生きているんだね。
  僕は過去に縛られているつもりはないよ。
 そういう意味じゃないよ。
   ....
 忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
 淡い色に変色したノートや書籍。
 どこの国の物か分からない人形。
 出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。

 遠い記憶 ....
 季節という音楽を君が奏でるのを聴いた。
 透明な旋律は白銀の街には鮮烈だ。
 音楽は創造され、どよめきの中の瞳を凝視する。
 真昼の動揺を隠せない人々はそのまま夜になだれ込む。

 夜 ....
 漂いの中に浮かぶ船はとても空虚だ。
 空虚は僕の心を浸潤する。
 広がり、閉じる。
 この情緒こそ難破船にはふさわしい。

 水面に移る悲しみを鳥たちが啄む。
 僕は自分が何か勘違い ....
 ピアノの音色が白く輝いている。
 僕はその中を歩いている。
 この先に何が待っているのか。
 初冬の風が厳しく吹いている。

 孤独とは。
 僕はピアノの音色に包まれている。
 ほ ....
 憧れを胸いっぱいに抱いて飛んでゆく私の青い半身。
 山を越え、海を渡り、異国の地へと行ってしまった。
 時折届く君からの手紙に安らぎを得る。
 私にもまだ笑顔が残っていたのだ。

 黄 ....
 暑さ厳しい夏を向こうに控えて
 君と聴くモーツァルトが今日は愉しい。
 無限の広がりをその音に託し、
 感情の極限を曝け出した楽曲達が
 この耳を刺激する。
 曇天が水滴を垂らすような ....
 丘から見える遠い園生は純白に染まり、
 私の吐息と重なって淡く輝いている。
 手前に見えるロココ調の建築物はそれ自体が見事な絵画のように
 緑一色の額縁で装飾されている。

 丘の上に ....
 ランプスポットに明かりが灯る頃、
 私は常連客に珈琲を淹れていた。
 柔らかな音楽が流れ、
 店内は優しい暖色に包まれていた。

 お客の一人は英字新聞を何かに切り張りしていた。
 他の ....
 さて、私の航海はこれで何度目だろう。
 未だ明けきらない朝に、港の喧騒は透明だ。
 果物かごを抱えた婦人が通り過ぎ、
 口髭をたくわえた紳士に足音はない。

 静寂なのだ。
 この神 ....
 自分に負けそうな夜。
 一人で泣くことも出来ない。
 頭の中は真っ白け。
 逃げ道ばかり探してる。

 こんなにつらい夜はない。
 体の力が抜けてゆく。
 なにか大きな怪物に
  ....
 紫色の人工の夜空に駱駝は歩む。
 星から星へ、月の満ち欠けを慈しむように。
 鼓動は無数の星の瞬き。
 銀河のオアシスで緑の水を飲む。

 銀河鉄道の乗客はいまだ起きている。
 窓際 ....
 窓から覗く森がまだ霧に包まれている朝、
 僕は一人静かに部屋を出る。
 森の木々から聞こえてくる鳥達の囀りが、
 昨夜聴いていたベートーヴェンの弦楽四重奏曲の余韻を少しずつ消してゆく。
 ....
りゅうのあくびさんのヒヤシンスさんおすすめリスト(102)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
或る夜に- ヒヤシン ...自由詩7*18-11-18
夜明け前- ヒヤシン ...自由詩7*18-1-27
朝メール- ヒヤシン ...自由詩8*17-10-14
一日の祈り- ヒヤシン ...自由詩9*17-8-14
吹く風に- ヒヤシン ...自由詩4*17-7-25
素晴らしき朝- ヒヤシン ...自由詩4*17-7-15
邪心- ヒヤシン ...自由詩5*17-7-8
永遠の夜- ヒヤシン ...自由詩5*17-7-1
解放の日- ヒヤシン ...自由詩6*17-6-24
初夏に。- ヒヤシン ...自由詩6*17-6-10
無題- ヒヤシン ...自由詩9*17-5-28
魂を繋ぐ者- ヒヤシン ...自由詩5*17-5-13
愛の囁き- ヒヤシン ...自由詩18*17-2-25
熱望- ヒヤシン ...自由詩6*17-2-11
再生の日- ヒヤシン ...自由詩7*17-1-28
悔恨- ヒヤシン ...自由詩8*17-1-22
- ヒヤシン ...自由詩7*17-1-18
彼との淡い思い出に。- ヒヤシン ...自由詩7+*17-1-14
見つめる- ヒヤシン ...自由詩12*16-12-28
冬の街- ヒヤシン ...自由詩7*16-11-27
漂うもの- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-20
- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-16
新たな旅路- ヒヤシン ...自由詩4*16-10-26
峻厳- ヒヤシン ...自由詩7*16-7-13
片想い- ヒヤシン ...自由詩11*16-3-19
喫茶店- ヒヤシン ...自由詩6*16-3-12
航海- ヒヤシン ...自由詩10*16-3-12
大失態- ヒヤシン ...自由詩5*16-3-5
生命- ヒヤシン ...自由詩8*16-2-27
森の旅人- ヒヤシン ...自由詩8*16-2-20

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