山を駆け下り開けた浅瀬に出ると
ゆるゆると草を揺らしながら往く
水の膨らみは千変万化を繰り返し
陽射しに微笑みを返すのだ

小学生の女の子ばかり六人
紫外線から完全に身を守った女の先生と一 ....
声よ
もっとさびしくおなり

いい風がふく
青葉がいっせいにひらく

ささめく噴水のしぶきあがり
陽が当たって
きららら
金粉みたいに散らばり
水面には細い銀の腕輪

さみどり ....
都心を射ぬく沈黙のバスを執拗に尾行する
半分にすり減った横顔のまま

ビルの狭間にこうこうと深く冴え渡る闇の遠くで
連動する疲弊の連鎖に眉を震わせ

容赦なく目に斬り付ける
横殴りの光の ....
嫌い、っていうと
とうめいなこざかなが
わらわら 集まって
そこに
かすかな波を生じる

なんだろうこんな不安は

好き、っていうと
ちいさなひなげしが
いっせいに帆を上げて
あ ....
一瞬で
りんごもにんじんも正論も砕かれ攪拌されてどろどろのジュースになるみたいな
彼女だけの鋭いミキサーのすいっちは日常のいたるところで押されるのだった

あるいは一瞬で
女子なのにおおかみ ....
モザイクのかかる鼻だ 木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと

雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと

夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと

 ....
そうしてすべてがすり身となるのだ
肉も魚も豆も米も野菜も一切合切
ミンチよりも細かくなめらかに
均一のペーストに
そうして型成される
ソーセージのような蒲鉾のような
なんとも名状しがたい食 ....
 心の奥底を見つめる眼は誰もが持っている。
 心の奥底には見つめるべきものが眠っている。
 見つめてみるがいい。
 それを目覚めさせるのはあなた自身なのだから。

 目をそらしてはならな ....
今日は一日山登り
家に帰り片づけて
お風呂に入り
布団に横になる

目を閉じるとたくさんの
光が溢れてくる
身体が温かい
こぽこぽと生まれてくる
弾けて飛んでいく

私は
風に ....
遠い空の明け方の光のもと
純粋なデモが始まった
幾つもの国境と限界を越えた先のデモだけれど
空を渡ってこちらまでシュプレヒコールは届いてきた
純粋なデモの純粋な示威行動と純粋な主張 ....
時が経っても たぶんきみはきみのままで
あたしは ラッシュの人波に流されて溺れて
年老いた患者の愚痴を聞きながら
磨り減って 川下の石みたいに 丸くなる


そうして彩色されていく
 ....
 
花見の客もいなくなった公園に

八重桜が ぽつり

月夜に ぽつり



 
公園の遊具が拘束を解かれ
子供たちを纏い始めると
桜は突然咲くのだ
短い季節に燃え上るいのち
追いかけてはみるものの追いつけず 
去り往く姿 あっというま
廻り来る姿 あっというま
あっ ....
眠れないという寝言 八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
ビルが朝陽にかじられて
吐き出された陽光は窓をすり抜け
昨夜の恥部を暴き出す

人々は慌ててカーテンを閉じ
ベッドを隠し
朝を始める

わたしと来たら
病室のカーテンを開け放ち
 ....
右の頬が激しく打たれた
しかし左の頬は無事だった

額がスズメバチに刺された
でも後頭部は無傷のまま

左目に火の矢が突き刺さると
右目はとっさに視線を逸らす

耳は恐々 欹てるだけ ....
 表通りに街灯は点る。
 閉め切られたシャッターの並びの中に誰かの忘れた人形が笑う。

 心の休息は遥か彼方に横たわっている。
 詩を歌えなくなった者は思い出の中に消えてゆく。

 垂れた ....
ときどき、神さまについて
考えてみることがある
私は無宗教だが
神さまを侮ったりはしない

イメージは漠然として
先祖の霊だったり
大自然の力だったり
稲荷大社の狐だったり

見え ....
靴を履いて出掛けるたびに 冷蔵庫が肥っていく
月を眺めて暮らしていると 冷蔵庫が痩せていく

月が見ている私の距離は 靴で行けない夜の国
そこは 冷蔵庫のいらない世界
そこは 腐らな ....
わたしはターヘルアナトミア

あなたの皮をペロリと剥いで

思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか

白日の下に晒してご覧に入れます

わたしはターヘルアナトミア

飲み込 ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む

いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで

いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋

唇から直腸まで
排 ....
聞き捨てた
島へ渡る船なんて知らないから
僕らは港を探しに歩いていたんだ
見たこともない白い浜辺
ただひたすら国道のガードレールに沿いながら下る
海は眩しくてずっと近かったから
額から ....
心の芯に哀しみがある
それがどうしても声にならない

岐阜駅から長良川まで歩く
今日は少し増水している
空は曇り
私の心も曇ったまま

心がしんと冷えて
命の底を視てみると
どす黒 ....
 テーブルの上に、あした買ってきたりんごを置いてあると言う。
 もちろん、そんなもの私には見えない。母だけが見ることのできるりんごだった。

 今朝も雨が降っていた。桜の季節はいつも雨に邪魔され ....
あなたにうがいを教えたことはないけれど
あなたはうがいを体得していた
言葉で教えられるよりも
見て覚えることのほうが
きっと何倍も簡単なんだと思う

それでもあなたが
うがいってなんなの ....
夜の静寂に歌のような言葉
耳たぶに引っ掛かって時を揺らす
此処にはいないはずの
あなたが聴こえてくるのです


  朝の雑踏に歌のような言葉
  靴紐を解いて時を忘れさせる ....
しゃぼん玉のような瞳を漂う
異形のチューリップ
コクトーの詩がめらめらと
記憶から皮膚を炙る 匂い
生まれたての羞恥心に注ぐ
冷たい炎のバプティズム
春を纏ったものたちは戸惑う
羽化した ....
はぐらかしてる
1日数ミリずれて
いつかここではないどこかへ

そうやって進む
何かに押し出されるみたいにして

1日1歩にも満たない
でも、
生まれた場所と
死ぬ場所は少し違うか ....
りゅうのあくびさんのおすすめリスト(2357)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
愉快な午後- ただのみ ...自由詩17*15-5-2
五月の公園- ふるる自由詩5*15-5-1
白い月- Lucy自由詩12*15-5-1
不完全な、けれど唯一の- umineko自由詩13*15-5-1
すいっち- そらの珊 ...自由詩17*15-5-1
モザイクのかかる鼻だ- 北大路京 ...自由詩415-4-30
君に触れるということ- かんな自由詩24*15-4-30
ショク文化大革命- ただのみ ...自由詩18*15-4-29
強い心- ヒヤシン ...自由詩6*15-4-29
山登り- 灰泥軽茶自由詩915-4-29
遠い空- 葉leaf自由詩6+15-4-28
卒業写真- 藤原絵理 ...自由詩9+15-4-26
八重桜- 殿上 童自由詩14*15-4-26
春ぼんやり- ただのみ ...自由詩16*15-4-26
眠れないという寝言- 北大路京 ...自由詩715-4-26
八重よ、八重- 夏美かを ...自由詩24+*15-4-26
ビルが朝陽に囓られるとき- イナエ自由詩17*15-4-25
ガガーリン- ただのみ ...自由詩11*15-4-25
深い夜に- ヒヤシン ...自由詩5*15-4-25
【_ときどき、神さま_】- 泡沫恋歌自由詩21*15-4-24
月と靴と冷蔵庫- 為平 澪自由詩9*15-4-23
ターヘルアナトミア- ただのみ ...自由詩18*15-4-22
地図- 梅昆布茶自由詩1215-4-22
海をわたる「残光2015」- アラガイ ...自由詩18*15-4-20
太陽- 渡辺亘自由詩1015-4-19
あしたのりんご- たま散文(批評 ...14*15-4-19
うがい- そらの珊 ...自由詩21*15-4-19
夜想曲_(四行連詩)- 乱太郎自由詩16*15-4-18
たいこともべきこともなくていい- ただのみ ...自由詩13*15-4-18
進み方- 小原あき自由詩4*15-4-18

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