雨が笑ったら
それは春の始まり
雨が色付いたら
それは夏の始まり
雨が美味しくなったら
それは秋の始まり
雨が意志を持ち始めたら
それは冬の始まり
....
今朝方まで降り続いた雨で
赤い実、おちた
何とはなしにいつものパターン
硬い靴底で踏み潰す
だけどそれは、赤い実じゃなくてふにゃふにゃのみみずだ
ずるりと這う怠惰は音も立てず×××
固体な ....
あたしを信じてよ、と
泣いてる神様
宇宙はたったひとつしかなく
うばい合い、ころし合う
人形はただ
生きていたいだけなのに
そして、あなたと
暮らしたいだ ....
{引用=
1. カスタネット
}
紫陽花の花という花がてっぺんまで匂いたち、その色目も日に
日に濃くなっていく有様を窓から見ている。雨粒がはらはらと
落ちて窓ガラスにもかかる。風があるのだ。 ....
あの螢祭の夜
ミルクの河 渡った
ボクの手が少しギュッとして
キミは 痛い 顔を{ルビ顰=しか}めた
力の加減を知らない
ボクを許して
少し折れてしまった指
キラキラしながら
....
「口さけ女」
{引用=
耳元まで、口が裂けて広がっている女性噂妖怪。
幅の広いマスクで口を隠しており、道行く男性に、「私、綺麗?」 と尋ねる。
答えた男性には、マスクをはずし、口を見せ付け ....
幼い頃は
兄と妹と三人で
床を並べて寝ていた
がっしりした骨格の子供だったが
神経質で泣き虫なわたしの為
寝室はいつも完全な暗闇にならないよう
蛍光灯の一番小さな橙の光がともされ
両 ....
犬歯が疼く夜は
あなたのことを考えてしまう
黒猫が一方通行道路を逆走していて
わたしはみゃぁおぅと鳴いて忠告をした
哀しみに月はなく
瑠璃色の眼は立ち止まり
この影をきちんと認めて ....
俺は
知っている
あの日の
一瞬の
奇跡を
君は
知らない
あの日
俺が
伝えたかった
言葉
を
向日葵畑で飛び交う笑顔には
スイカの玉が よく似合う
夏を詠む右手に 夢から抜け出た指輪
七夕に見つめ合う男女に 嫉妬して 花枯らしても意味ないし
数多のホタルを 天の川に放つ
真っ ....
何か大切なものを
過去に忘れてきてしまった
そんな気がする
握りしめた手の中には
小さな鍵がひとつ
それが何の鍵なのか
それも思い出せない
わからないまま街を歩いた
見覚え ....
或る秋晴の杜にて
私は
訳無く零れ落つる滴を止め能はず
時同じうして「何故死は在るのか」
天を仰ぎ雲一つ無きを知る
其は其で好い。
死せる感覚に 五感を研ぎ澄ませ
森の音を ....
実験的に無駄を省いたら
風も 木も 波も 空も 木霊も
みんな みんな 同じリズムで
繰り返している
少しずつズレていくのは
それが少しだけ違う音になって
だんだん 少しずつ変っていく ....
燃えるごみを
ごみ捨て場へ持って行こうと
外へ出たら雨であった
透明のビニール傘を差して
そのままぼんやり空を見上げる
水滴の降ってくるさまが見えるのが
大変おもしろい
周囲でく ....
12階のベランダから地上を見る
得体の知れないものが
あたしたちの体の中にある
欲望
空気の中にみえない
何かが飛び交っている
愛
悪意
諦め
執着
春を
夏を
秋を
冬を
....
空と海とが
おなじ青だと思えるほどの
白い砂浜だった
波打ち際には
貝殻がおどっていて
それにあわせてはしゃいでいる
君がいた
スカートのすそを気にしながら
そ ....
掴む
あなたをしることは
太陽をつかむよう
刻んだ空の破片を
脇に抱えて
あなたを見つめると
丘の上の鐘の音が七色に飛び散っている
あなたはいつもそこで
わたしはいつもここ ....
なつかしい猫
いつか啼いていた気がする
私だけの思いが影を引いて
路地を今曲がってゆく
そんなに淋しい瞳で
私を見つめないで
やさしく撫でてあげたくなる
さしのべた指先を ....
休む間もないバイトのシフト
朝から晩までタイトなスケジュール
単調に繰り返す毎日の中で
青空が呼ぶ声がしたんだ
理由なんて必要ないよ
後から書き足せば問題ない
今風の合 ....
ああもういやだなあ名前書いておけばよかった
ちょっとマラソンしてたら腎臓落としちゃった
交番に行って届いていないかたずねたら
お巡りさんは何か変な顔で僕を見ているし
道行く人たちに腎臓落ちてな ....
蓮の葉ベットの上 雨水が風に合わせコロコロ遊んでる
水玉が転がる やわらかさで 落ちる闇の雫 揺れる花
心情も背景もモノクロで
理屈ばかり浮かんでる
疲労の蓄積に心も肩も背中も凝 ....
誰かに
傷つけられた
心の傷は
簡単に
癒えるものではない
同じような
状況に
ある人を
傷つけたりしたらいけない
やさしくなろうよ
みんなで
ひとりの
辛さを
わか ....
そして雨に濡れた
木は影さす
雨の木の影は遠景の都市を覆い尽くし
雫の滴りが大地に潤いを与えていた
雨雲の空
そそり立つ木々には滋潤
幹には伝う雨
影が色濃く大地に降りる
....
きれぎれに
夕暮れに
夜夜に、きみは髪の毛を編んで
いる、指先で
ふれて
いる、暗闇に、きみは
きれぎれに
くちづけている、刻々と
空になるまで
砂嵐の音で目が覚めた
いつの間にか眠っていたらしい
冷蔵庫の扉を開けて
牛乳を一気に飲み干した
浅い眠りの中で僕は
大切な夢を見ていた気がする
それが何か思い出せないまま ....
静けさを測る術を探している。冷たさには限界があるのだけど、
静けさを測る術を探している。住宅街の、小さな公園の、真夜中、ブランコをこいで、こいで、鉄の鎖を軋ませて、泣いてしまいそうだ、どこかの家 ....
雨が歌ならば
それはどんな傘でしょう
歌のような気がするだけで
それはふるえる
息継ぎの音
近すぎた鼓動の足音
声を聞いた
傘の下で
たしかなこと
待ち合わせた雨の庭 ....
右目からビームが出るのはいいけどその間見えないんだよね
ほいで別にビームといっても熱かったり痛かったりしないんだよね
しかも自分で制御出来なかったりするから若干だるい
朝ご飯を食べない日はあんま ....
アヒルにオセロで完敗した
俺はアヒル以下のくず野郎だ
もう二度とアヒルとはオセロなんかしない
アヒルとオセロをするくらいなら
ケツからビールを飲んだほうがましだ
そう言い残して家を飛び出した ....
星が消滅するのは
とてもはやくて
とてもとおくて
とてもゆっくりにみえた
ぼくたちは
死にゆく生き物です
だから
いまここで
おもいっきり
深呼吸をしたい
まばたきをし ....
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