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払い落とされるのが
私自身の精霊と言えるものであるならば
もう悩む必要はあるまい

リンゴが落下する
画家は決して筆を取らない
これに関しては逆らえない伝手はないし
永遠の壺の中 ....
肺の中に巣食った僕の三つの驚きは
実は月の雫なのだと
いつの間にか飲み込んでしまった涙の欠片は
あなたから遠いところのノクターンの苦さ
これから先もいくつ回るだろうと思えば
月は微笑んで ....
街は揺れているだろう
茜色の飛沫と共に
ひとつ両手で掬ってみれば
紫陽花のように
移ろいでゆく陽炎
瞳に映る乱舞に
惑わされ
それでも飛び散る
飛沫は
明日を運んでくる

 ....
不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方 ....
冬の群れが私を襲い
迷い込んだ高熱の森で誰かを叫ぶ
私の足腰の筋肉は溶けて
歩く音は電池の切れかけた時計
そして
この時だけは合法と見なされる白い粉を
何度も体内に注入する
四角い部 ....
文章の欠片が部屋の隅で笑う
僕の脳内で言葉に白髪が生えてきて
杖のない単語がよく転んで痛がってしまう

今日は元旦
「あ」から始める餅つき
「け」「ま」りで祝う祈願成就と健康第一
「 ....
東京にゴジラが現れたとしても
北の国ではいつものように雪が深々と降る
明日は猛烈な突風も予想されるからと
二日分の食料品を備蓄して下さいと報道されたが
それは遠くアルゼンチン沖のせいなのだ ....
奥深く海底の熱水床
わたしが今呼吸をしている処
群がる白い蟹は
わたしであるための遺伝子を
鋏で千切りまた繋げる

染色体を失った肉体だが透明ではない
保護色を身に着けたわけでも ....
平坦な生き方しかしてこなかった
それでいいと思っている
薄っぺらなままだった
それでちょうどいいと思っている
しかし
味はいろいろ覚えてきたつもり
甘めの醤油味みたいな
ざらざら ....
独房の堀で羽を休めるアゲハ蝶
憐れみの蜜を吐き出す
黒い光沢に光りが反射して
影だけ先に飛んでいく


十七歳の部屋では少女が
明日を憂えていた
それでも敏感に影を捉えて
不意に彼女 ....
何処にも見つけることは出来なかったはずだ
そう訴えているかのように
私の視覚を証言台に立たせ尋問する
画家であれば画材は其れまでに蓄えてきた感情の十色
上手く言葉を塗り付けようとするが
もう ....
      あなた 風をたくさん挟んで
送り出す
君への便り

いつまでも止まらない翼は
想い出を回し続け
空に漣を描いていく

今日あった小さなぶつかりは
すぐに修理できるから安心して欲しい

 ....
夜の静寂に歌のような言葉
耳たぶに引っ掛かって時を揺らす
此処にはいないはずの
あなたが聴こえてくるのです


  朝の雑踏に歌のような言葉
  靴紐を解いて時を忘れさせる ....
桜の季節がやって来たのに
泣く子はだあれ
桜の樹の下で一日中探している
薄桃色のかくれんぼ


向日葵の季節がやって来たのに
泣く子はだあれ
背丈より高い向日葵畑で探している
黄金色 ....
あなたの声が聴こえてきます
空は美しいと知ったのは
それから間もなくのことでした

あなたの声が見えるようです
雲に隠れていても
太陽の輝きはわたしを慰めます

あなたとどうして出 ....
タイスの「瞑想曲」が似合う秋
私から枯葉が
虫食い穴があちこちにある私が
落ちていく秋の夜中

もともと智慧の無い思考の葉脈であっても
いまだけはその働きを止めておきたい
聴こえてく ....
冬の間近に聴こえた去勢の声が
立ち止まらない足跡に踏み締められてしまって
還らない記憶となる

季節は幾度も挨拶してくれるが
それ以上語り合うことはないので
私の名前を一向に憶えてはく ....
言葉と言葉を繋いで紙の上
裏返しにしたらもうあなたはいない
見えないところで
優しさといのちを繋いで
載せる人差し指は悲しく踊る
詩に説明はいらないとは
誰かが言った言葉だが
ここにある ....
円周率の最後の一桁に出会ったら
宇宙はそのときめきに吸い込まれてしまうだろう
数字とは限らないその解は
きっと愛を語る詩人のように嘘っぽい
輪転機が無限に探すが
解けない問題こそ美しい詩のよ ....
    (わたしは秋
     枯れゆく落ち葉のしたで
     春の夢を待ち焦がれている)



北国の夏はぬるい
日焼けした肌
汗臭いTシャツ
サングラス
海と空がひと ....
掴む

あなたをしることは
太陽をつかむよう

刻んだ空の破片を
脇に抱えて
あなたを見つめると
丘の上の鐘の音が七色に飛び散っている

あなたはいつもそこで
わたしはいつもここ ....
りゅうのあくびさんの乱太郎さんおすすめリスト(22)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
洗浄- 乱太郎自由詩10*17-11-12
月の雫- 乱太郎自由詩10*17-7-17
飛沫- 乱太郎自由詩12*17-6-18
- 乱太郎自由詩14*17-3-21
風邪- 乱太郎自由詩10*17-2-4
あけまして- 乱太郎自由詩10*17-1-5
足跡- 乱太郎自由詩8*16-11-14
蒼と青と藍の底で- 乱太郎自由詩19+*16-3-17
かじりついてもいい- 乱太郎自由詩25*15-10-9
舞い_(四行連詩)- 乱太郎自由詩15*15-9-15
風景- 乱太郎自由詩18*15-9-9
お前- 乱太郎自由詩9*15-8-10
風車- 乱太郎自由詩16*15-7-10
夜想曲_(四行連詩)- 乱太郎自由詩16*15-4-18
かくれんぼ_(四行連詩)- 乱太郎自由詩15*15-4-17
出会い- 乱太郎自由詩12*15-4-7
瞑想曲- 乱太郎自由詩20*14-10-14
- 乱太郎自由詩15*14-9-8
詩的なあなた- 乱太郎自由詩24*14-5-16
- 乱太郎自由詩2713-8-19
わたしは秋- 乱太郎自由詩29*08-10-3
掴む- 乱太郎自由詩26*08-7-2

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