蛇口は しばしば朝だった
時折それは睡蓮だったし
無口な背の低い青年だったのだが
腰から下を火燵にしまいこんで あなたが
丸っきり正気をなくしているときなどは
....
吾輩はコネである
実力はない
コネだけで
人間どこまで通用するか
それが吾輩の生きるテーマである
おまえ、偉そうに
何を言っとんじゃ!
デヘヘ
{引用=過去の寄せ集めですが、明日からのために}
手の振りかた
{引用=賛成多数で
人として当たり前のことが
ぼやけてく
白い手袋を振るみなさん
頑張ってください
....
....
おまえに会いたい
誰よりもまず
おまえに会いたい
おまえのあどけない
頬に触れたい
おまえに触れてしまえば
若い女の誘いの言葉も
金銭目的の悪魔の囁きだと
綺麗サッパリ振り ....
膝下五センチのスカート丈
三つ折りの白い靴下
おかっぱに切りそろえた髪
私は校則通りの平凡な中学生
ふくらはぎ下までのスカート丈
伸ばしたままの靴下
パーマがかかった茶髪
そう、あな ....
生き恥を晒し合って空が青い
ペットボトルのごみの日
中身(心)はもうとうになくて
キャップ(顔)やら
包装(洋服)やらを
捨て去ったら
みな
潔い裸になった
とても清々しいごみの日には
カラスさえも
素通りする ....
また新しい朝が来て
見慣れたカーテンの隙間から
初めて出会う光が射す
窓の外は少し寒そうに
木の葉が遊んでいて
足元を這う蟻はせっせと
冬の支度を急いでいるの
この部屋に引っ越してき ....
遠い星までの距離を
なにをもって測ろうか
言葉でそれとも
夜の波の響きで
それともきみの血流の速さで
こころの深さはなにで測るの
ざわめく風のおとでそれとも
過ぎた日の木漏れ日の ....
何でもなかった一日が、
特別な日になってから四年が経った。
君の笑顔は夏の向日葵よりも眩しくて、
卑屈だった僕の心を照らしてくれた。
僕の悲しみは悲しみでなくなり、
母なる大地 ....
土に還れない落ち葉は
一枚一枚
くっきりと形をとどめたまま
美しい標本のように
雨の舗道に貼りついて
幾度も
踏みしだかれ
やがて晴れた日の
風に
粉末となって
舞い上がる
職場でりんごをひとつ貰った
婦長の実家が青森のりんご農園なのだ
あっちゅが
「丸かじりしたい!!」
と言うので、洗って手渡すと
にこにこして持って行った
「食べ終わ ....
おやすみなさい
今日の日は過ぎた
明日は親知らずを抜きに行く
二週間前に予約して
あっというまに
今日が来た
虫歯になっていますから
治療したとしてもどうせ
使いみちのない歯だ ....
空想の翼と妄想の足枷
境はあっても壁はない
空と海のように
神学と罪状を彫刻された
流木は風と潮に運ばれる
翼もなければ鰭もない
時折 鳥が降りて来て憩い
流木の節くれだった目を ....
ケンタッキー・フライド・チキンの
パーティーバーレルを
一度だけ買ったことがある
当時、随分と年上のキャバ嬢と
知り合いになって
嬢の勤めているススキノの店
10分900円のセクシーキ ....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
想像してみて。
この柔らかな死体が
何を思って生きていたかを
たとえば
生きている理由とか
翼の意味を考えただろうか
空を飛ぶ機能が失われたそれは
時折はばたく真似事をするだけの
使い ....
まだ 秋に吠えているの?
もう 母になるのだから 色白に染めた肌を粉雪の背景に凭れ
ゆっくり歩んで生きなさい
胸の張りが急速に母になってゆく まだサクランボ坊主なのに
体がのそのそしか ....
詩に関節技をかけられる
ギブアップして時代に媚びたと白状する
詩に投げ飛ばされる
天地回転 ものの見方がひっくり返る
詩に首を絞められる
反則も何もありゃしない
ついには殺されてし ....
ブランコ
息を吸って
息を吐いて
息を吸って
息を吐く
いつも意識の片隅で
緊張している
生きるために
前脚を出して
後ろ足を出して
前脚を出して
後ろ足を出す
....
すっぴんと
化粧したときとのギャップに応じて
化粧品代に課税するという
すっぴん税法案が
国会を通過する見通しとなった
国会周辺では
これに反対するギャル系女子と
35歳独身OL が
....
教えてない昔話をオウムがしゃべっている
あなたのような人は長生きしてほしい
そう素直な人あってのひねくれ者だから
だから九十四歳は悪くない 悪くない
これでも献花のつもりなんだ
アンパンマンを見たことがなかった
なのにアンパン ....
暑さ寒さも彼岸まで
現場帰りの皆さんがクーラーをやたらつけなくなって
冷蔵庫の作り置き麦茶もポット一本が減らなくなって
仮決算の季節です
「いいから着とけ、俺もう入んないし。」
太っ ....
レイラ、振り向いてくれ
朝の光のなかで鳥達は飛び交ってる
待てど暮らせどやってこない福音を捨てて
死が迎えにくる前にこっちへ来いよ
レイラ、振り向いて
最高の晩餐と最高の時間を
お前の ....
記憶の糸をほどく
風景や音や肌触り
縫い合わされていた
いくつもの欠片が
ふたたび熱を取り戻して差し出される
思い出は語られたがっているのだろうか
子供の頃ひと夏を過ごした祖父母の家
....
■■■
■■■ 電車の連結部で
■ ■ シュノーケルの音
■ ■ 渚が車窓から消え
つり革の人々は
相変わらず揺れ
■ ■ 大波小波が
■■■ 電車内の人々の足を濡らして ....
私には二人のにーちゃんがいる
ただならぬただのみきやにーちゃん
と
双子で5つも年上のお花にーちゃん
がいる
憧憬のキアラキアラした念が 翼を広げて飛んでいる
頼もしい にーちゃんたち ....
健全な夕暮れに秋の冷たい風が吹く。
私は人生の喜びを一人の詩人に教わっている。
心の師は人生を達観している。
そのため私は私の境地を再確認出来るのだ。
疲れた頭に師の言葉の数々が染み渡る。 ....
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