──わしが死んでも
  この時計は捨てんでくれよ

親父はよくそう言っていた
死んでから
それがたったひとつの
遺言らしきものだったと思い当たる

祖父がやっていた
はんこ屋の店先に ....
大輪の薔薇の下で咲く雑草に語りかける者のはいるのか

せいいっばいに花の姿を真似て見ても
日陰に生きる陰湿な風貌にふさわしい飾りからの残酷な香りは隠す事は出来ない

ひと葉 ふた言、言ってく ....
*壱*マダナイへの手紙

「あの猫の名前はマダナイっていうんだ」と、教えてくれた人がいた。
ああ うわさは聞いたことがある。
明治の文豪の家に 飼われていたという 噂だった。  ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!

満員電車の中
三 ....
 なにかになる

 と願いながら、
 まな板の上に

 かみねんどが
 しろく しろく
 うずくまっていて。

 なに者にも
 なれないままに
 ただ 干乾びていく。
 ....
ある場所で
点、として生じた光りが
わずかな距離を移動して
塵となる
それを一生という

かきあつめたもの
握りしめたもの
すべて消滅してしまう
けれども

細い雨のあとの
植 ....
            130613



悪質な内部者情報通報者は処罰されます!
まだ無い犯罪が生まれますから
お金に目が眩んだモラル違反常習者は
くれぐれもご用心
最低限のモラルが ....
きみの小指から熱い砂糖水が滴り落ちてきて
わたしの両の手で受けたとき
ああ、きみは海から生まれた生き物じゃないのだ、と悟る。
根本的に異質な生き物なのだ。
わたしにとってもきみにとっても。
 ....
    {引用=悪いことして、理くつくっつける人間は、用心しなきゃなんねえぞ。
理くつさこいてやってくる奴あ、用心しなきゃなんねえ。
                   「ひかりごけ」武田泰淳} ....
風の愛撫に
はらり ほろり
八重桜が泣いた

すらり と知らん顔
真新しい翅を輝かせ
トンボは行ってしまう

墓地への細道
静かな午後

まだずっと若かったころ
感性は魚のよう ....
昨日埋めたタイムカプセル掘り出している ひどく風の ある日
ひとの顔ほどもある木の葉が
ぬいんぬいんと おおきく 
円を えがいたり
突然 すさまじい勢いで 遠くに
流れてゆきます
空は ごろごろと 唸っています


ひと ....
脱ぐかといったら脱がない
深夜の湿度を保った風に揺られながら
海辺をきみと歩く

曖昧なことを
ことばで表現したがらないので
わたしの質問はいつも夜の闇に消えていく

星々だけ ....
梅雨の雨に打たれても
冷水のごとく頭を冷やしてくれるでもなく
ただじっとりと皮膚細胞の表面を融解させていくだけなので
五月雨には稀塩酸が溶けている。

猫は命が九つあるというが
命を七つく ....
夜中、雨音で目が覚める
キッチンテーブルで煙草を一本吸う
暗闇にたちのぼる煙に
一匹の黒い魚が遡ていく
勇ましいその魚影は
たぶんマラッカ海峡で
海賊たちと渡り合い
インド洋に出て行くの ....
バーカウンターで一人呑んでいると

ひとつ空席を挟んで 右隣のサラリーマン風の男が言った。



「どうせ俺は会社の、一つの歯車に過ぎないからさ」と。



おいおい、冗談じゃない ....
間奏まで唄うのか  俺は
 一粒の砂
 浜に埋もれて
 見分けはつかない

 陽ざしに燃える
 ベージュ色に乾いた
 波線のうねり
 
 その繰り返し

 俺は
 一枚の枯葉
 沢山の緑の
 ....
朝、
虹がでていたので
一応手をのばしましたが
一色すらつかめませんでした。
なので、
わたしは詩人をやめて
花になりました。

昼、
わたしは
アスファルトには咲いてやらない。
 ....
つまらぬものを つまらぬと言うのは

つまらぬ。



つまらぬものと 向き合ってみて

よくよく観察などしてみて

人から見れば つまらぬ遊びを

見つけることができれば い ....
失恋は、華だ。

なにより色恋には、夢がある。

だから失恋は、より多い方が良かろう。

恋愛は、叶ってしまえば・・・ね。



希望は、雪だ。

持ち続けるからこそ、吹き晒さ ....
君の前ではブラックで飲んでる うーん、もう
どうにもこうにも
まったく、やっかいなので
くちびるを接着剤でくっつけちゃいました。
くっつけちゃったので、しゃべれません。
これであんしんあんぜん、口は災いのもと。

あ ....
人は
はぎとった他者に
記し
記してきた

鳥は記さない
慈しみあう
つがいの声は
白い森に響き
溶けて消えていくだけ

{ルビ草子樺=そうしかんば}は
カバノキ科シラカバ属  ....
泥を沈めた水田が
澄んで
さかさまに写す
熊笹
イタドリ

ヒメジョオン
ミズナラ
ブナ
岳樺
胡桃
落葉松

ヤチダモ

山はまだ若い緑で
ふんわりと盛り上がって ....
          130610



普段着のまま尻端折る
本のページの隅を折る
この次に出会ったときには
もっとイケメンになっているはずだ
 ....
笛吹きケットルが壊れて
笛吹かずケットルになってしまった
笛を吹かない笛吹きケットルは使い難くて仕様がない
ケットルを買い変えようと思った矢先のこと
突然 笛吹かずケットルが言った

   ....
白いおまもりのはいったふうとうのふうを
ひとつひとつほどいていったひろさの中で
ひだり目は茶色みぎ目は薄緑のわかくさ色の
スカートの正座の少女の音読はささやきのさざなみの
ひざがしらからはじま ....
わたしの心臓を

あなたがもちさってしまったから

うごけないの、



たすけて
今宵の月は魔物。
天空の漆黒はその臓腑を抉られうっすらと白い血を流す。
私は憤然としてそいつに立ち向かおうとするのだが
姿すら現さないなんて卑怯ではないか。

今宵の月は魔物。
愛すべ ....
りゅうのあくびさんのおすすめリスト(2345)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
親父の遺言- そらの珊 ...自由詩1713-6-16
修治(しゅうち)- ぎへいじ自由詩18*13-6-16
あの猫の名前はマダナイっていうんだ- るるりら自由詩20+*13-6-15
名詩『夕焼け』の娘の感受性- 夏美かを ...自由詩26*13-6-15
やわらかく- まーつん自由詩21*13-6-14
六月のミーティア- 佐野権太自由詩13*13-6-14
あの猫の名前はマダナイっていうんだ、- あおば自由詩8*13-6-14
親しいということ- 凍湖自由詩213-6-14
悪魔- salco自由詩9*13-6-13
墓地にて- ただのみ ...自由詩28*13-6-13
昨日埋めたタイムカプセル掘り出している- 北大路京 ...自由詩913-6-13
me- るるりら自由詩10*13-6-13
海が知っていること- かんな自由詩6*13-6-13
わたしは猫になりたい。- 凍湖自由詩5*13-6-13
孤独- 青園ルカ自由詩2613-6-13
歯車とコレクター。- 元親 ミ ...自由詩1013-6-12
間奏まで唄うのか- 北大路京 ...自由詩713-6-12
太陽はどこにある- まーつん自由詩7*13-6-12
朝昼(夕方)夜- 左屋百色自由詩18*13-6-12
己でつくれ。- 元親 ミ ...自由詩413-6-11
最後の深呼吸。- 元親 ミ ...自由詩313-6-11
君の前ではブラックで飲んでる- 北大路京 ...自由詩413-6-11
お口にちゃっく。- 凍湖自由詩2*13-6-11
【草子樺】_詩人サークル群青_6月の課題『慈』から- そらの珊 ...自由詩20*13-6-11
夏の稜線- Lucy自由詩18*13-6-10
ベイベー、都市化しないで- あおば自由詩7*13-6-10
笛吹きケットル- ただのみ ...自由詩21*13-6-9
白い夏庭- とつき自由詩613-6-9
どろぼうさん- 伊織自由詩4*13-6-9
罪業- ヒヤシン ...自由詩6*13-6-9

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