脚の細い象の背中で
ユラユラしている私の
広すぎる糊しろは
饐えた臭いを放っていた

何も企てない午後を
ユラユラ生き延びた私の
丸すぎる背中には
錆びた罪が生えていた

心地 ....
 窓から覗く森がまだ霧に包まれている朝、
 僕は一人静かに部屋を出る。
 森の木々から聞こえてくる鳥達の囀りが、
 昨夜聴いていたベートーヴェンの弦楽四重奏曲の余韻を少しずつ消してゆく。
 ....
 真っ赤な薔薇に血の匂いを嗅ぐと、
 私は過去を表現する雫で満たされた器となる。
 そしてあなたの白い肌の内側に流れる真紅の清流は、
 私の生きている理由そのものになる。

 人はそれぞ ....
くずれた均衡
その静かな吸引力に
はく奪されるわたしたちの人格
キュビズムから滅びの兆しを嗅ぎとる、影の
わたしたちが歩く
男女の別なく
客も、客引きも
リードの犬と同じく
たっぷりし ....
笑ってほしい
人がいるので
私は笑う

元気を出してほしい
人がいるので
私は元気を出す

私より淋しい
人がいるので
会いに行く

耳を傾けてくれるので
他愛ないおしゃべり ....
藁葺きの小屋であれ
コンクリートのビルであれ
その四隅にはたぶん、
柱がある
その柱の向こうは、果てがなくて
やがてどこまでも丸い大地を離れ、成層圏をぬけだして
宇宙という名の空間をゆくこ ....
光と冷気が青い燃料だった
破れた財布から千円札を出して
印鑑ケースとノートを買う
郵便局には月に一度往く
記憶喪失の犬みたいに
今も雪原から突き出している
枯れ果てた雑草を見ていた
夏の ....
         120216
絵の具を全部混ぜたら
何色になりますかと
先生が尋ねたので
暗い灰色になります
と答える代わりに
空色になりますと
自信たっぷり回答したら
×が付いてき ....
引き渡し条約のない国へ飛ぶバレンタインがそこまで来てる 命を忘れて生きていたら
空に向かって詩を書きなさいという
いつか
あなたと見上げた空がやってきました

みな異なる
あれほどたくさんの雲をノートにして
やっと伸ばした指先が
余計に小さ ....
ハッピーバレンタイン
チョコレート味の夕焼け
大好きなあなたに
夕焼け色のチョコなら食べて終わりに出来たのに

味はともかく
夕焼けに終わりはないんだよ
君の脳に焼き付いているから
数 ....
ここに旗はない
風に弄られ立ち竦むのは
他の何者でもない
東も西も南も北も
微笑んでなんかいない
ただ巡る風の音が
埋まらない空白を告げている


ここに旗はない
足跡は辿らない
 ....
 ワタシハココニイルヨ。
 
 明け方にピアノの純音は吐息を白く染める。
 真冬のキャンバスに描かれた森の中で、
 幼い少女が光の帯に包まれている。
 誰かに見つけてほしいのだ。

 ....
暗号を解けば答えがラブレター 夢のなかで再び出会う
記憶に眠る人々
言いたいことはわかっている
本心で語り合えなかった
一本の道は遠い
新たな物語は続く
食べきれなかった皿の上
嘆き悔いても仕方ない
哀しみ ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
さて 生きようと思うのだ
遠く山並みは雪雲でかすみ 
いま街は晴れている
人通りの少ない週末の朝 
わたしは浅瀬の魚のよう
ぼんやりと光を纏い静止する
異国の歌が暫し寄り添い また 
去 ....
公園の雪やまを
手作りのコメ袋そりですべる
子どもたち 
一年生か 幼稚園か
寒いも楽しい
声がひびく
日差しにきらめいて
晴れ間の青にとけてゆく


眺める距離は時間
心は容易 ....
なんの魂胆かしらないけれど 鬼って悪い奴じゃなかったよ
たましいにも ふたつある魂と魄って書くんだって
どうやら 魂は精神を支えていて、魄は肉体を支えているらしいよ
どちらにも 鬼がいるよ ....
波に逆らい
櫂を失い
沖を漂う小舟
潮に流され
雨に打たれた
辿る術もない星に
影を照らす月
遠く雲は霞み
振り返れば七日目の陽が昇る
怨んでも
風は止まない
ここは深い海 ....
エネルギッシュなはずの街を見回しても
私以外は答を導くことが出来ない

時計が回るだけの何の変哲もない日常
下を見ても上を向いても川は流れる

なぜ いないのか
なぜ おまえだけがいない ....
吐く息で散り 
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
風が大河のように重い土地で
腰を落とし 捻じれて育った
樹は 首を傾げ 雲を聞いている
節くれだった片目で
ヒレンジャクたちのお喋りに
口をはさむでもなく
遥かな海や
見渡す限りの黄金の ....
そいつのことを「はんだめん」と呼んでいる
そいつは自分のことを 「たぬき」と自称している

初めて「半田麺」と云う食べ物を知った時は
なぜまた溶接面を商品名にするとはなんと奇抜で夢のある ....
ユキがフッた!
アタリつもって
デンシャ止まって
カイシャ困った
ユキにフラれた
つもりで当たって
あわれ荒れアレ
おわる恋かな
風吹くママに
ユキは降り降り
フリフリチラリ
シ ....
たなごころにスマホ
便利な無力感が軽すぎる朝

瞳に飛びこむ首のない鳩
飛沫で君の顔はぐしょぐしょになる

また一人死んだ
霧雨が沈黙を湿らせて

僕らが知っていることは
きっと一 ....
夢の中でのひとときを
まるで本当のように感じる
海を力なしで泳いで
えらで呼吸しているみたいに

大人に反抗している
とにかく不真面目だと感じて
理不尽だと嘆いてみせる
泣き叫ぶことし ....
霜柱踏んだ昔の三叉路で明けの明星目印に進む


習慣の高速再生壁打ちの言葉駅まで溢さず走る


喋り方ゆっくりしてるあの人とキャッチボールで肩慣らしする


引き込み線の形残 ....
晴れた空が広がっているのは
誰かが空に感謝を投げたから
海がいつまでも青いのは
誰かが海に感謝を流したから
「ありがとう」は持続する響き
どこまで遠くへ行っても決して衰えない
 ....
風も恋をするのだろうか
りゅうのあくびさんのおすすめリスト(2357)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ユラユラ- nonya自由詩19*16-2-20
森の旅人- ヒヤシン ...自由詩8*16-2-20
- ヒヤシン ...自由詩5*16-2-20
夕暮れ- 乾 加津 ...自由詩13*16-2-19
そういう人- Lucy自由詩23*16-2-19
宇々のひと- たま自由詩13*16-2-17
前触れ- ただのみ ...自由詩15*16-2-17
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。- あおば自由詩14*16-2-16
引き渡し条約のない国へ飛ぶバレンタインがそこまで来てる- 北大路京 ...短歌116-2-15
- 乾 加津 ...自由詩8*16-2-13
夕焼けを包んで- 秋也自由詩116-2-13
ここに旗はない- ただのみ ...自由詩17*16-2-13
追憶- ヒヤシン ...自由詩7*16-2-13
暗号を解けば答えがラブレター- 北大路京 ...川柳416-2-12
審判のとき- アラガイ ...自由詩16+*16-2-12
単焦点- nonya自由詩18*16-2-7
生きようと思うのだ- ただのみ ...自由詩17*16-2-7
ぬくもり- ただのみ ...自由詩11*16-2-3
鬼の豆ください- るるりら自由詩20+*16-2-2
海原- アラガイ ...自由詩14+*16-2-2
おまえだけがいない- 宣井龍人自由詩14*16-1-31
抱かれて抱いて- ただのみ ...自由詩19*16-1-30
冬眼鏡- ただのみ ...自由詩18*16-1-23
鋳掛屋- るるりら自由詩15*16-1-21
フラれ歌- ただのみ ...自由詩10*16-1-20
現実という嘘つき- ただのみ ...自由詩15*16-1-16
夢老い人- 陽向∮自由詩17*16-1-14
三叉路- 深水遊脚短歌4*16-1-14
感謝- 葉leaf自由詩1016-1-13
、ところで- もっぷ自由詩516-1-12

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