いないいない 紙飛行機 夜を往く 縹色の霊 蘇生(された) 独り言.14 奇妙な日 虚空 水面(を) ふわふわタッチ falling stars 古いCD 知らないじじいが家 ....
身籠って 産み落として
遠のいていった 円の扇子
縹色に染めた夜空を次元のフィルターに通して
オパールが形を整えてゆく 円から欠け円へ満ちる
側面と円柱と竹のよう
東へ西へ梯子に ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か
床の飴色は頬に ひんやり
水飴にもなれないまま
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
神様は意図的。
巡り合わせを信じる貴方の方が意図的。
またしてもカウンターの前に表れた、感じがいいから 、だとか、 好みだな、 だとか…
一瞬の煌めき
…ああ この人はひょっとしてこん ....
傘の存在しない国の雨の髪
かつて 私は素を求め手を 合わせ
智慧と祈りの谷間で不完全さの完璧を認めてもらう為
老婆の姿に斥力に撥ねる 若気と蒼穹を追いかける青の一筋を
巧みに連ね 貫いた
....
やさしいうたが好き
哀しい歌は辛くなる
雨のようにぽつぽつと落ちる歌詞と曲
心のなかに水たまりを作って明日の太陽を演出する
彼の歌ったやさしいうたよ
こうしてくるいはじめた歯車を
がんばれ ....
窓を少し開けて鏡の中を覗き込む
壁と中途半端な景色に私の顔が重なる
「今朝も生きているのだ」と思えば、
、また嫌な気分になる
それはそうと、口を大きく開けて鏡を見るのは勇気がいるのだ ....
街角の雑貨店に流れるオルゴールの音色が心地よい。
店番をしている若い雌猫のカフェオーレのような顔もまた楽しい。
店の扉を押し開けてのっそりと入ってくる常連の猫は
手入れの行き届いたひ ....
私はドラゴンフルーツと呼ばれて
なんとかこの世に生きてはいるが
私の生涯とはなんなのだろうかと
はたと考えることだって実はある。
もちろん私はまだまだ生きるから
真の意味は分からないのだ ....
自然にできたグループに分かれて
植民地時代のボストンの街並みを色画用紙で再現している
春陽に包まれた5年生の教室
その穏やかな空間に一瞬そよ風が吹いて
支援クラスに行っていた娘がひらりと入 ....
〝おれは頭はいいが狩りは苦手なんだ〟
ジェンマは呟いた
〝誰にだって得手不得手があるってもんさ〟
同じ年に生まれた若い狐たちからは
「下手くそジャンマ」
「まだ一度もうさぎを捕まえたこと ....
日本の憲法に
戦争の放棄と戦力の不保持を
盛り込んだのはアメリカだ
二度と戦争をできない憲法にすれば
永久に占領することができるからと
なのに戦争放棄は世界遺産だと
アメリカに合掌する日本 ....
おとなになれなかったこどもは
おとなロボットに乗った
大きくて頑丈 パワーがあって
こどもには持てない武器をたくさん搭載していた
こうしておとなロボットは戦場へ出て行った
いったい誰がおとな ....
何年も前の事だけど
「紀伊国屋なう」というメールを
貴方がくれた
その時は
電車に6時間も揺られなければ
紀伊国屋のあるその街へ行けない土地に
住んでいたから
「今その町に私がいれば、
....
そうだったよね
くねっとすること
ぺとっとして もぞもぞして
変な感じがそのうち分からなくなる
それって変態じゃない?
とわたしが言うと
とてもすまなそうな顔をしながら
胸に ....
冷たい石の陰に身をひそめる蜥蜴
葉の裏で翅を休めるクロアゲハのように
公園から木影のはみ出している場所へ
車をすっと 滑り込ませる
小柄な老女が日傘をさし
現場作業員の日焼けした顔の向こ ....
パンツが脱げない
言葉からパンツが脱げない
たった一枚なのに
揺るがないものが揺らぐ
仕方のないこと
ありのままを見ているつもりで
水鏡に映った姿を見ているから
冷やかな風にさざなみ
優しい陽射しに微笑み
自らの夢を重ね映して
時を凍らせた写真 ....
驚くに値しない
あなたの指のなかに
古い町がひとつ埋まっていようが
青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
一列に ....
空想と現実を行き来する
冷蔵庫を開けるまでは
卵は空想の産物であり
白い宇宙船であったりするけれど
取り出して目玉焼きを作る段になれば
さっそくそれはフライパンの{ルビ最中=さなか}で現 ....
昼下がりの
うすむらさきに藤がひかる
森で
少女は見知らぬ少女と出会った
目を閉じて 見知らぬひとと
わたしの森を過ぎてゆく
風、
心臓の音だけが聞こえるでしょう
唇と ....
詩を書かなくなった詩人を見て思う
ああ君は満たされたんだね
だから詩を書かないんだね
いいよ
僕は
人生のど真ん中で
一所懸命生きているから
いつでももどっておいで
五月の蒼い蒼い空の ....
たった三日でもわたしをあなたのテーブルに飾ってくれてありがとう
消毒臭くて清潔な水は、もちろん雨よりも美味しくはなかったけれど
あのまま樹にいたとしてもどのみち無残に滅びていく事にかわりない
....
寝起きの熊のよう
ボンヤリ不機嫌
だぶだぶの部屋着
クロックスを引きずって
それでも花
今朝 三つめ
ピンクのチューリップ
黄色い水仙
真っ赤な髪の少女
重そうにコンビニの ....
むかし
さよならも言わずに
別れた貴女と
いま、手を繋ぎ
真夜中の街を歩いている
「今までごめんね」
私は静かに首を振り
貴女の手を強く握り返す
***
どこに向かってい ....
星の頃 無敵だった
目じりの奥に思い出が溢れだす 年月の齢
星を紡いで若葉が全てだった
畏れを知り現実の棘さえ快感に覚え ふと止まる
四季の世継ぎの儀四季
....
ほんとなんてものがないなら
うそをついて
うそがほんとになるまで
頭皮が何か云っている
お疲れ様 そろそろ本格的に休めよ〜
頭痛の前兆のような頭皮痛
マッサージでほぐして
頭皮の美容液という名の育毛剤をシュッシュッ
ああ痛い痛い
そろそろ ....
霧の漂う高原で朝を迎える
冷えた暖炉に薪をくべる時
私の内側で眠っていた生命の光も
優しく穏やかに目を覚ます。
何かが覚醒するときに感じる小さなエクスタシーは
すでに準備 ....
現実から逃れるためではない
現実を死ぬまで生きる
そう 何処かで決めているから
扉も窓も開けたままにしてある
鍵は壊れたまま
入口は出口で出口は入口
外側は内側で内側は外側
脳が現実だと ....
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