ヒヤシンス


 真っ赤な薔薇に血の匂いを嗅ぐと、
 私は過去を表現する雫で満たされた器となる。
 そしてあなたの白い肌の内側に流れる真紅の清流は、
 私の生きている理由そのものになる。

 人はそれぞれに生きているが、
 それはまるで大海に潜む秘密のようだ。
 そうでなければ、真夜中のガラスに映りこんだ
 もう一人の自分との格闘だ。

 思想の奥深くへ旅する夢の中で、
 私は生かされているのではなく、
 全て自分の意志によって生きている。

 力は無限に存在する。
 私はあらゆる格闘の中で未来を表現したい。
 たとえ薔薇が美しい紅に染まるとしても。
 

 

 


自由詩Copyright ヒヤシンス 2016-02-20 03:14:22
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