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さなぎの、笹食べているのを見て
いると暗澹とする。ささ、さあ、
こちらにおいで、さなぎ。どうせ
おまえは動けないのだから、せめ
て、こんな年寄りのところまで、
這いずり回って、混沌のようにや ....
詩には死、セックス、汚物、精神病、薬、銃
これがお決まり
詩には愛、自然、美、メルヘン
これも定番
詩を詠む人は自意識過剰な寂しがり屋
大方の印象
全身で自己を表現する詩詠 ....
{引用=
ゆつくりと 首を すげかへて
さみしさ を
あなたと わたくしの合間に横たはる、あの さみしさ を
その一端でも 共感しやう
静かなあなた の 夢見言が
わ ....
「私はいらない存在なの」
君はそう言って笑った
酷く綺麗で 脆い
僕には切な過ぎる笑顔
「いらない存在って何だよ」
そう言おうとした僕を
静かに止めた君
出かかった僕の言葉は
形に ....
私の中に
午前を飼っている
白い舟がいくつか
遠く漂う午前だ
華奢な草の葉がためらいがちに揺れ
吹く風のなかに
覚束なげな青さが
消えない午前だ
もう長いこと飼っている
だからも ....
外から帰ったら
鍵が掛かっててお家に入れなかった日
ドアの前で
しゃがみこんで
靴のつま先を見つめていた日
誰かにそばにいて欲しいけど
「どうしたの」なんて言って欲しくない
お友達が ....
胸の小さな鉄板を
裏返しにして
お互いにハンダ付けした
ここはホホエミランドリィ
ミンクのファー投げ込んだ
信号が青になる方へ歩けば
たどり着く場所
30分前、鎮痛剤ぶち込ん ....
まるで他人行儀な
挨拶で書き始めたのは
あなたの選んだ便箋が
何だか照れ臭く
上目遣いにさせたから
感情を露にせずとも
温かな文となるようしたためたい
そんな課題 ....
潮風にのって白髪が
飛散するのを
じっと
唇をかみ締めて
耐えていた、
(藤壺を舐める舌の痺れ)
....
ふと遠いところへ行きたくなる
通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒
ねむりの いわおに
腰かけ
仰ぐ
ちり ち り りん
金魚の尾ひれが
風鈴を蹴る
ちり ち り りん
黄色の帯と
左手
....
楽園の夢を見た
この世界ではいま
それが必要だから
まず
都市計画の話を
人間の楽園の話をしよう
ペブルビーチ
サンドビーチ
エプコットビーチ
椅子に座って
話をしよう ....
湿った風が吹く朝に
君は薄い火を灯した幹から両手を離す
種の保存の掟は果たせたのだろうか
君の生き方は純粋で幸せだったのだろうか
最後は雲の切れ目から青空が見えたのだろうか
....
いま
星の下で
明日のために
今日の色を決める
走りぬける
全力疾走の快感
それが俺を
白い荒野の上に立たせている
時には多大な収穫を
時には多大な疲労を
もたらす荒野
その謎の ....
少女の頃の恋は夏とともに
終わってしまうものなの
その恋は
秋は嫌いなんだよって言った
彼の夏休みの一部であって
砂浜の足跡みたいなもん
それでも馬鹿みたいに
求めあった身体には
きっ ....
あなたのいない 空 白 を、日々うめる努力をしています。
もう、慣れました。 空が 白く 雪で染まってから随分たったので。
昨日は眠 ....
いつもいつも
私の傍らにあったもの。
いつもいつも
私を見守ってくれたもの。
でもね
この日だけは違うんだ。
見えなくたって
そこにあるのだよ。
見えないだけで ....
浴衣着て髪をゆって会いにゆきたい
慣れない下駄は足をきりきりひずませ
夏の暑さが心地よくなる
柔らかい心が潰れてきりきり悲鳴あげて
あの日一人で見上げた橋桁の花火
....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた
わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから
ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている
道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた
陰った景色は
....
ふと声をかけてみた
その外国人は
「ロマンスカー?」
と言って
少し笑った
新宿駅西口で
そうなんですよ日本には
ロマンスカーがあるんです
ロマンスカーはみんなを乗せて
ロマンス ....
夜店で釣ってきた金魚を庭先で
バケツに放して
しゃがんで
じっと見入る
窓からのあかり
空からのあかり
遠くに響く祭り囃子
黒い自分の影
しゃがんで見ている子供の私
その一点の風 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている
明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
か細いわらの詩人が
明るい月の下
カバと話した
「僕の詩を読んでくれよ。
これが僕の他愛ないけれど、
たった一度の人生なんだ」
カバは当惑しながら読もうとするのだけれど
ちんぷん ....
散乱する格子らに
畏まって居られないらしく
文字達が泳いでいる
水族館にしては蒸し暑いし
少しも苦しくない
もともと肺呼吸がとくい ....
君の
悲しみが
夏の夕立だったら
いいのに
なんて
ボクは、
無責任で
開けっ放しの
窓際に
飲みかけの
ソーダ水
、と
読みかけの
本が
....
ポラロイドカメラで
港の夕焼けを閉じ込めた
一瞬の空を
たった1枚の写真に収めようなんて
我ながら
驕ってみたものだけれど
その1枚は確かに
僕の指先で
月にも負けず輝き続けて ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない
体の中心がどこなのか
わ ....
ふうせんのように
いっぱい いっぱい
つまっていて
ぷつりと
あながあくと
ただの
そとのかわ いちまいに
なります
だれかが いってます
だれも だれも いない
あなたがいれば
それでいい
それだけでいい
綺麗な服も
地位も
名誉も
いらない
色褪せた服でいい
どこにでもいる
だたの人でいい
あなたがいれば
いい
もうそれだけで
いい ....
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