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郵便配達員がポストと
駆け落ちをした
四畳半の小さな部屋だった
配達員は毎日
せっせと手紙を書いて投函した
春という字を書くと
いつも何だかくすぐったかった
集配時間には
ごめんね ....
雨が上がると
空気が透明を増して
夏の名残と夢とが冷まされ
水の中を歩くように九月

夏服の明るさが
どこか不似合いになり
息を潜めていた淋しさだとか
熱に乾いていた涙が
堰を切 ....
スパーンは何度も訪れる

スパーン!!

昨日、私は小泉首相になった
角ばった頬と細い目
三角定規の鼻
確かに、あのときは首相だったから

スパーン!!

鉄線好きなんだな
気 ....
昔私は2つ下の弟に
私は本当は他の星から来たんだと嘘をついた

それはちょうど私が小学校に上がる頃で
家には新品のランドセルがあった

どうしてそんな嘘をついたのかは分からないけど
弟は ....
夜の傾斜をくだってゆく
くだるたびに傾きがちがうような
いつもおなじような気がする

夜だから傾斜は暗い
ところどころに湿った火がともっている
そのそばにその火を嘗める獣が
いたり
い ....
この坂道の途中に
大きな金木犀の木があります
毎年秋になれば
そのやさしい香りに足を止め
この木を植えた人を思います

開け放された窓からは
ピアノの悲しげな音が響きます
赤茶けた壁に ....
小さな窓に流れ来る
微かな風の匂う秋
去りゆく時の寂しさか
訪れ{ルビ来=きた}るうれしさか
僅かばかりの部屋の中

大きな空に染まりゆく
彩る色の魅せる秋
どこから{ルビ来=きた}る ....
おふろあがりのひとときは

足のゆびまでいつくしむ

ひるまは こころの ひとさしゆびが

いろんな人を指差してしまうけど



おふろあがりのひとときだけは

あしのゆびまで ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに

たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする


弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
秋が訪れれば またひとつ
目じりに刻まれる年輪のようなもの
早いもので開け放した窓の外では
秋の虫たちが鳴き始めている
この様に季節が巡るのであれば
歳を重ねてしまうのも致し方無い事
抗っ ....
想像して
君はよくそう言うけれど
実際のところ僕は、何も思い出せずにいる
海沿いの寂しい国道を夕暮れに倣って左に折れると
何もない町があるのか
君の住む町があるのか
もう、どこにも行けない ....
ゼロになりたい

無ではなく
確かに存在し
しかも
姿はなく

誰も傷つけない
影響もされない
ただ
存在する

消え去る必要もない
見えないから

たとえば抱き合っても ....
夕映えに長く伸びた影の 
手足のしなやかに動くのを 
美しいと見惚れた 

サッカーボールが弾むたびに 
視線が鋭く光るのも 
伸びかけの髪をかきあげて 
おどけて笑う口元も 
 ....
ここ最近夕方になると
白い雲は赤シャツを着て
どこかへと出かけてゆく

トンボが追いかけてみたけれど
地平線までが限界だった

彼はどこへ行くのだろう

お洒落な自分を
誰かに見せ ....
怒ったあなたの瞳に光るもの

稲妻だったらすごい

それはどんなにかすごい

刃のように空を閃かせて

雨に濡れ
雨に驚く人々の顔をくっきりと切り取る

それほどの鋭さで
稲妻 ....
教科書の世界に
自分は入ることができなかった
入口がどこにあるのかわからない

それでもさすがは教科書
わかりやすい標識と信号が
自分を中へ奥へと
自動的にぐんぐんと進ませてくれる

 ....
たとえ疲れている時だって
何かにつまづいた時だって
君の瞳は輝いて
じっと前だけを見つめている
そんな君の前に立つ時は
私も背筋を伸ばしていたい

生きていくのは楽じゃないと
君もいつ ....
ときには
顔を真っ赤にしながら
たくさんの風船を膨らませてきました

割れたものも
木の枝から離れなかったものも
見知らぬ空や海の彼方へと流れたままの
ものもあります

それは ....
何から何まで
犬の日々だった
私の瞳孔はつねに濡れていて
咽喉の奥はいつも渇いていた
風にさらされて 乾きすぎた手拭いのように
水に濡れた掌を求めていた
何もかもが
犬のようだった

 ....
いつの頃からそうなのか
わからないけれど
物心がついた時から
ぼくの家には屋根がない

どうしてなのと
親に聞いたら
そういうものだと諭された

友達の家にも
遊びに行くお店にも
 ....
空に連なる白い花々が
青い大河に咲き誇り
そっと揺れはじめ
新しい季節が
空から舞い降りてくる

ふうと風が吹くたびに
花はなびき
ふと手に届くのかと想う

我に返れば
その飾ら ....
おのれの呼吸が
一つの音であるということ
それは
あまりにも気づき難くて
ともすれば
日々の暮らしの意味さえも忘れてしまう


月の満ち欠けは
暦の通りに
全く正しく空に映るの ....
同僚の刑事が撃たれ
必死で犯人を追いかける
署内の刑事たち

寝る間も惜しみ
老いた身体をものともせず
みんなで協力して
ついに犯人を追い詰めた

ぼくはそこでテレビを消した

 ....
荷台に歌い娘を乗せて
進む先にカーニヴァル
陽に焼けた顔をヴェールで隠し
うつむいて旅の疲れを見せるジプシー
誰の顔にも笑みはない

荷台に歌い娘を乗せて
進む街にカーニヴァル
薄くぼ ....
陽ざかりに
影がゆれる
塀の上に
白樫が緑の枝をのばし


陽ざかりに
光がゆれる
そこに咲いている
荒地野菊の花


寡黙な額に
風が吹き


みつめる心も
そっと ....
あれ、
この花火どうしたの
おかあさん もらったの

今日はけんちゃんの命日だからね
買ってきてもらったんです

こんな暑い日だったの

戦死公報に載ってただけ
亡くなった ....
冥王星よ
君は一人じゃない

家族の中の冥王星
クラスの中の冥王星
会社の中の冥王星

合コンで冥王星
病院の待合室で冥王星
ファミレスで呼び出しボタンを押しても冥王星
mixiに ....
セミよ
そんなに急ぐな

さっきから
空を見上げてばかりじゃないか
お前の
自慢のその羽は
ただ
アスファルトを掻くばかり

セミよ
今なら見えるだろう
あれが星座だ
私も昔 ....
せっくすの意味を知ったのは、
煙草を覚えた日だった。
せっくすの女が吸っていたのを、
もらってはじめて吸った。
だけどはじめてせっくすしたのは、
その日じゃな ....
空が大きいこの町で
小さな命が生きている
一つ一つは小さいけれど
空に負けないくらい純粋で
大きな意味を持っている

空が大きいこの町で
小さな命が笑っている
一つ一つは小さいけれど
 ....
服部 剛さんの自由詩おすすめリスト(2956)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ふたりのこと- たもつ自由詩1806-9-4
輪舞(ロンド)- 銀猫自由詩19+*06-9-3
スパーン- 木葉 揺自由詩606-9-3
ランドセル- 松本 涼自由詩606-9-3
夜の傾斜- 塔野夏子自由詩14*06-9-3
金木犀- 未有花自由詩25*06-9-3
小さな部屋の秋の風- ぽえむ君自由詩11*06-9-3
ひとささんゆびたちへ- るるりら自由詩1206-9-3
「弱酸性のあなたへ」- ベンジャ ...自由詩12*06-9-3
こころの力- 恋月 ぴ ...自由詩34*06-9-3
名付け- 霜天自由詩1106-9-3
ゼロ- umineko自由詩12*06-9-2
放課後- 落合朱美自由詩2906-9-2
赤シャツを着た白い雲- ぽえむ君自由詩12*06-9-2
- ふるる自由詩10*06-9-2
落書きの中の教科書- ぽえむ君自由詩4*06-9-2
少女- 快晴自由詩2*06-9-1
風船のあふれる部屋- 千波 一 ...自由詩15*06-8-31
犬の日々- 岡部淳太 ...自由詩10*06-8-30
ぼくの家には屋根がない- ぽえむ君自由詩14*06-8-30
飾れぬ花- ぽえむ君自由詩13*06-8-30
ノクターンには逆らえない- 千波 一 ...自由詩19*06-8-30
千三百円の刑事ドラマ- ぽえむ君自由詩5*06-8-29
カーニヴァル- maumi自由詩2*06-8-29
ゆれる- 石瀬琳々自由詩16*06-8-29
花火- あおば自由詩16*06-8-29
冥王星の逆襲- 新守山ダ ...自由詩1206-8-28
夜のセミ- umineko自由詩14*06-8-28
「_せっくす。_」- PULL.自由詩20*06-8-28
一つ一つは小さいけれど- ぽえむ君自由詩14*06-8-28

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