すべてのおすすめ
貴方の瞳があまりにも
澄んだ色をしているから
向かいあうと俯いてしまって
貴方の爪先ばかりを見ている
眩しいと感じるものが苦手で
目を逸らしてしまうのは
自分の穢 ....
想いが重なるスクランブル交差点
さまざまな人がいろんなベクトルを放つ
まじりあって最後には帳尻があるようにできている
涙も笑いも憂いも哀愁も妄想も
全てを飲み込む都会の劇場
....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない
再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
空きカンの残りは
あと二つ
小石を拾いあげては
投げつける
くり返し
とんでもない方向に
消えていく
おおい
こっちだよどこ投げてんだよ
投球フォームを
親切に教えてくれるあな ....
家に帰ろうとすると思った
遠くで僕が降りたのよりも
もっともっとあとの電車が
レールを軋ませて走ってゆこうとする
街灯がひとつ明滅していて
長い桜並木の
もうすでに長く葉桜のままの道を僕は ....
どうかあなたに
受け止めて欲しい
この彷徨する魂を
たしかに無垢なものじゃない
たしかに綺麗なものじゃない
それでもこの彷徨する魂を
私はもう知り過ぎたのか
それとも未だに
何も知 ....
どの糸をたぐりよせるかは ぼくが決めること
どの糸を強くたぐるかは ぼくが決めること
どの糸を切り捨てるかは ぼくが決めること
ぼくの糸をたぐりよせるかは ....
真夜中の
骨の色素が熱を帯びて
暗く
暗く蒸発してゆくのです
未だに守れぬ約束へと
恐ろしく白い
わたしの骨は
いったい何を支えている
夢か幻か否現実か
未来は己で決める
....
僕はスプートニク2号
地球初
気密室を搭載した
宇宙船
まもなく
僕は
他の兄弟と同じように
宇宙の塵となる
鉄の塊
その日
僕の部屋に来たのは
いつ ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする
風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする
空がねむると
空のなかに
ほんと ....
こころよ風になれ
舞い上がり上空にて雲になれ
わたしという肉体を捨て
今という現実を捨て
浮遊する気体になれ
そうして
ただふわふわと夢を見続けよう
....
薄暗い廊下の突き当たり
古い鍵を回せば
きらきらと埃が舞うだけの部屋
東のカーテンは色褪せ
ピアノの音色は床に転がって
ソナチネの楽譜も気付かぬふり
窓の外には
金木犀がほろろ零 ....
手のひらに感じる暖かさがあれば
他には何も要らない
日々思い出を積み上げても
それは単なる一里塚
それは儚い夢幻
振り返れば跡形もなく
積んだ記憶さえ残ってはいない
手の ....
{画像=070222142254.jpg}
{引用=
小さな水たまりは
はしゃぐ子供達の
泥足を受け入れて
玩具である自分が
うれしかった
何台もの車が走りすぎ
....
線路脇に建つ家に生まれて
ずいぶんと長い間 そこで暮らしたせいか
今でも 5分おきに
からだを揺らしてしまう
そうやって揺れているうちに
いつしか わたしは
窓ガラスの
3メート ....
空があんまりひくいので
きりんのくびは
つい空から突き出してしまった
そして見たくないものを
見てしまった
あああんなにうつくしいものを見てしまったら
もうぼくは
なにをみてもう ....
潮の匂いのする河口で
きみが釣り上げた秋は
きらきらと
ヴァーミリオンの鱗を煌めかせ
すっぽりと
きみの心に還っていった
ぼくはといえば
あいかわらず
仕掛けを空に垂らし
風を釣 ....
メールでは返信を促しているようで
そんなことを期待しない今日の私は
便箋に走らせてみようと思うのです
書き出しは、季節のことや天気のこと
やわらかに二人がつながっている
なんてことを ....
夢の中でバァさんから貰った手紙
みんなばらばら
その次の日、父は行方不明になった
妹は独りあの家族という牢獄で肩を抱き、悲鳴を押し殺す
母はまだ独り夢の世界から戻らない
あなたたちを愛してい ....
かみさまようちえんはお空の上にあります
今日は楽しい運動会
お母さんもお父さんもいませんが
こどもたちはみんな元気です
かみさまようちえんにはお花もおやつもおもちゃも
たくさんたくさんありま ....
肌にふれる
ざわめきの波に
もういいよ
さすらうため息
とまどうことなく消した
たばこの残り火が
灰皿に冷たく燃えていく
おびただしい熱が
さみしいからだを満たす夜
かえりみ ....
それは
優しいあいさつだから
きっと、優しい手紙
まっしろな封筒には
ほんわりと香りのこして
優しい君からの言葉
ほかのどこでもない宛先
おげんきですか、
なんて素敵な手紙
....
けれどもただ個性的というだけでは認められないから
自分を偽ったりもするでしょう?
ひとりぼっちは多分たいしたことではなくて、
誰かが決めた価値観に沿って生きるよりも
自分で納得のいく自 ....
空が灰色クレヨンの日
風邪をひいた詩人はゆめゆめ思った
詩人たるもの
移ろう季節を誰より早く
探して言葉にしなくちゃいけない
詩人たるもの
少しはむつかしい漢字くらい
す ....
アスファルトの上に落ちていた
虫の亡骸を
土の上へと
いつかその身を
風にゆらす花へと
帰すまで
この身のゆらぎを
諦めに似た憂うつで
{ルビ現=うつつ}にゆらします
回転する
....
あいするなんて、
けっきょくくるしいだけでしょ。
あいされることだって。
ななさいのおんなのこが
ませたことをいいながら、げこうしています。
くるしいことを
あえてもとめるなんてば ....
恵みは 希望を膨らませ
たわわに 蓄えられて行く
根ざす 大地は暖かく
不自由さに 逆らうことも無く静かだ
希望は満ちながら 腕から零れ落ちて
一面に 撒き散らされる
帰ること ....
僕がじいっと空を見ると
空はもっとじいっと僕を見る
まるで僕は透けてしまうようで
慌てて空から目を逸らす
焦がれにも似た静かな揺らぎが
遠くからやって来て
....
その葉の一枚の中に
暖かさが流れていて
触れて私は
その流れの中に浮かぶ
けれどいつしかその葉は
私の中にあり
暖かい場所を探しながら
....
目をさますと
雪のように朝が降っていて
やさしい手順で
呼吸をおくる
あなたは
まだ
夢の体温で
きのう
よそゆきの服がでてくる詩を
読みました
愛とよ ....
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