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指のさき
雪がひとひら、消えました

わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました

うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました

す ....
 演台に
 原稿用紙を広げ
 子どもたちは声の限りに叫ぶ


「笑顔の
あふれる町にしませんか」


「あなたの近くに
寂しがっている人や
弱っている人はいませんか」
 ....
三つ数えたら、
きみを守るなにかになりたい、と
ひたすらに信じていた
ぼくだった
きみのとなりにいることに
多くの疑問を持たぬまま


三つ数えたら、
きみだけのぼくになろう ....
空から
落ちた日のことを
おぼえていない


海を
ながめることを海として
その浅きをのがれる
すべにおぼれる


太陽はもう
ことばではないけれど
確かにぬくもる
 ....
あした、
涙がかわいたら
海を迎えに行きましょう

果てのみえない
かなしみの

ひと粒として
あらわれましょう



雨が降っても良いのです
風が吹いても良いのです
 ....
さすらいの
すべてがやさしく
しみるとき
風の
しるべの
まぶしさが、近い


背中や肩を
通うながれは
さらわれまい、とした
ひとつの道すじ

だれかの瞳に
年月に
 ....
昨日のために
誓いをたてよう

むかしはどこだ、と
きみが寂しく迷うとき
ここだ、とぼくは
立っていよう


延長線というものに
なじみきれない若さとは
なによりもかなし ....
ふたつの手のひらを
使いこなせない昼下がり

耳を澄ませてわたしは
しずかに風を
遮断する


すべては
それとなく遠い気がして
けれども確証はなくて
言えずに続いた
 ....
胸は
すぐに
いっぱいになります
それゆえわたしは
多くを連れて
行けません


あなたを
はじめて呼んだ日に
こころの底から呼んだ日に
海は向こうになりました

永 ....
泥を
振り払おうとする腕こそが
いつまでも拭えない
泥かもしれない

確かめようの無いその有様を
透明である、とは
誰も語らない

そこでまた
ひとつの泥の
可能性が
散る ....
器の
壊し方を知っている
けれどもわたしは
外側にいない

器の
壊れ方をおぼえている
けれどもあなたは
内側にいない


 朝と呼ばれるものや
 愛と呼ばれるもの
 ....
こたえ、という
ことばそのものは
とてもかよわいものです

だからといって
あきらめたりはせず
突きつけることもせず
こころは、そう
並んでいけたなら
じゅうぶんだと思います ....
傘のしたでだけ
降り続ける雨がある

 強弱では語り得ない、それ



交差点を渡る黒たちの
はじまりの日は
白だった
或いは
今も

 嘘とほんとを
 分けたがるけれ ....
水の匂いが燃えてゆく


漆黒は
うるおいのいろ

こぼれてはじまる
灯りにけむる、
波のいろ



疎遠になれない花の名に
ひれ伏すともなく
かしづく儀礼は、 ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった

あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう


 ....
透き通る石が相手なら
わたしの瞳もまもられそうで、
こころゆくまで
あずけて
うるむ

そんな夜には
ゆびも優しくなれるから
ゆめをすなおに飲み干して
爪は爪のまま


 ....
窓の外は、夜

それゆえ汽車は吐息のように
曇り曇って
揺れに
揺れ


そこからなにが見えますか


わかりやすいものは
なぜだか頼りなくおもえて
背伸びをしてみた ....
ひとつ
勝負をしませんか

少年少女にやさしいあそび

せーの、で
向かい合ったなら
互いにえがおをつかまえましょう


  これまでのこと
  これからのこと
  ひみつのま ....
僕は
あの木のてっぺんに上りたい、と
あこがれてみただけだよ
幹にふれて
枝をみあげて
ただそれだけで

服を破いたわけでもなく
すり傷を負ったわけでもなく

あこがれてみただ ....
理由をお尋ねしても構いませんか

無用な物事に慣れてしまえば
あなたの哀しみと同等に
わたしも哀しいのです
涙の理由を
お尋ねしても構いませんか

夕闇のなかを
誰も彼もが急ぎ足 ....
タイトルだけ見たら、危ないですが、

記憶喪失の話ではなく、
酒乱事件の話でもなく。

さて、本題。

「わたしは詩を書きます。」

ここでいう「詩」という言葉の定義につい ....
結び目を
ほどこうとする指先は
きみの吐息の熱さのなかで
やわらかに
能動のつもり、の
受動となる

名を呼ぶほどに
ひとみはひとみの鏡となって
きみは時折
ひとりで勝手に向こうへ ....
ときには
顔を真っ赤にしながら
たくさんの風船を膨らませてきました

割れたものも
木の枝から離れなかったものも
見知らぬ空や海の彼方へと流れたままの
ものもあります

それは ....
おのれの呼吸が
一つの音であるということ
それは
あまりにも気づき難くて
ともすれば
日々の暮らしの意味さえも忘れてしまう


月の満ち欠けは
暦の通りに
全く正しく空に映るの ....
一羽の鳥が空をゆく

わたしには
その背中が見えない

いつか
図鑑で眺めたはずの
おぼろな記憶を手がかりに
爪の先ほどの
空ゆく姿を
わたしは
何倍にも引き伸ばす

こんな ....
飛ばない鳥がいたとして
飛べない鳥はいないでしょう
それとも
逆の語りの方がお肌に合いますか

ひとつ許せば
色は濃く
ひとつ拒めば
尚更に濃く
それが
青というものです
さきほ ....
うやむやに熔けてしまっていませんか
その夕暮れに

指揮棒に従うことで
いくつの雑音を聞かずに済みましたか


なつかしい歌たちに包まれたい日があります
拒みたい日もあります

 ....
{引用=一、くじらヶ丘


 口に出してごらん
 うるおい、と
 その
 やわらかな響きは
 途方もなくひろい海の
 すみからすみまで
 満ち満ちてゆくようなものではない

 干 ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の 
それと 
似ている

相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風



見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない


寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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子どもの宝- 千波 一 ...自由詩10+*09-9-13
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水の線路- 千波 一 ...自由詩8*08-5-26
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青い鳥- 千波 一 ...自由詩26*08-2-3
肺呼吸- 千波 一 ...自由詩27+*07-10-10
透いてゆく- 千波 一 ...自由詩22*07-9-11
呼ばれている- 千波 一 ...自由詩36*07-8-30
生きて- 千波 一 ...自由詩34*07-6-18
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