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ピンク通りにゴムホースの束
豚かと思った
人間の半身が転がってればいいのに
抱いてやる
「新宿は庭みたいなもんだ」と言った男が死んだので
あたしはなんとしても新宿を庭にする
....
みんなエアギターを弾け!
いやギターじゃなくてもいいから各自エア○○をやれ!
エアでやりたいことをやれ!
やれないこともやってしまえ!
俺はエア全てやるぞ
エアメルセデスに乗って
エア最高 ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする
……わはわをたまわる)
柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
....
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ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
毎日、夕方になると世界が溶け出す。誰もがみなとっく
に気づいていることなのに、誰もそのことを口に出さな
い。(それは、おそろしいことだからだ。)たとえば、
あらゆる文体が溶け出して、誰が何を言っ ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った
えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
不愉快な覚醒が
北寄りの強い風で更に増して
両手の無意識がコートのポケットを探す
ひんやりとした裏地や
捨て忘れた入場券に
指先は触れているが
今はそれより風から逃れたい
月 ....
八角形の小箱は
ブルーウォーターで満ちていて
覗き込めば
ぶちの鞠が回転している
それは
滑らかな哺乳類の群れだ
あるいは
みるく色の
貝類の
ひとかたまりに
溶けて
....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
無残にも
切り離されてしまった私達が
無意識に吐き散らした
ため息の中
そこに燃え残りの灰があり
それは空を覆って
雨となり落ちるのです
だからここに降る雨は
川を汚してしまい ....
ああごめんなさい
あたくしといたしましたことが
ひどくうろこむしてしまい
大変お見苦しゅうございましょう
うなじのあたりから
せなかまでがもう
ひどくうろこむしてしまい
はがしても、 ....
あおしんじゅの森は
樹海の森だったし
あたしはその結晶を とても美しいと思った
粒の小さい 白い涙のようなそれは
体に悪いと知っても
飲み込み続けるよりなかった
ゆるい雪のよう ....
漫画喫茶で生活している
あの子と僕は
まだ一度も口をきいたことがない
僕のタンスはコインロッカーだ
僕のバスルームは公園の水道だ
毎朝、派遣会社からの呼び出しを待って
暗いうちに出 ....
俺様は草野球チームの四塁手だ
10番打者で四塁手だ
そんなポジションないよとか言うな!
メンバー足りてるからいらないよと言われても
三塁と本塁の間でばっちこーい!と叫んでやる
俺様は会社 ....
お三時に彼はハンドルを回し
胸の部分の扉をパカリとひらいて
よい風を招くために
陶器のオルゴールを鳴らした
それは凛とした音色なのだけれど
彼はハンドルを回すことに執心していたの ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
キャッチボールする
子供のときのように
幼馴染と
キャッチボールする
幼馴染の大ちゃんの球は速い
少年野球やってたから
川島イーグルス
俺は 嫌いだった
疲 ....
ほしいもの
それはお金でもなく
名誉なんかでもない
ほんの小さな手だけでいい
温かみのある誰かの手
ありがとうと
軽く振ってくれる手
がんばってと
応援してくれる手
大丈夫だよと ....
?.
ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ
桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
....
満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る
私は膝をかかえ
天を ....
先生、誰も来ない放課後です
理科室は薬品の匂い
閉められた
暗幕の心地良い温度
埃が泳いでいきます
気だるい午後です、先生
魚になるにはどうしたらいいですか
答えの出ない ....
力強く
手、指の数だけ
物を語ってきた
理解されない苦しみは
僕が一番よく分かっている
だから
できるだけ
愛される必要があった
文字に残らないだけ
人は
“嘘だ”っていう ....
{引用=
多重の自我の
小箱たち
幾重にも
蓋われた 郷愁
霧雨の中で
冷たく濡れていた
かなしみも
木枯らしの中
いくつもに分裂しながら
泣き叫ん ....
坂を上れば風の里
力弱まり留まるも
風から風へ向きを変え
遠い空へと旅に出る
坂を下れば風の道
力の限り流れ出し
風と風とが重ねあい
遠い街へと旅に出る
目には見えない風の里
....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる
遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
Tシャツをハンガーに掛ける
ちゃんと裾のほうから
ハンガーをフックに掛けようとして
フックを見失う
フックが見当たらない
ハンガーが掛けられない
行き場を失い
ハンガーを手にうろうろする ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている
わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
....
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