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「水、持ってこいよ。」
シンちゃんが言ったから
公園の入り口にある水飲み場まで
バケツを片手にダッシュ
焼けた砂まみれの腕に
午後の陽射しは痛い
水飲み場につくと
犬を連れたおじ ....
退屈をにぎりしめて
おもてへ出た
そぞろ歩きのアーケード
レモンの駅のホーム
まわるバスターミナル
あと3日で実が落ちるびわの木
ドアの前についた時
にぎりしめていた退屈は
ど ....
ある時ダヴィンチが
金魚鉢を眺めていると
金魚がウインクしたので
「魔が差したんだろう」
と思った
またある時ダヴィンチが
散歩をしていると
電信柱がおじぎをしたので
「人 ....
電車の窓から覗く夜の街は
何もかもを包み込んでくれるかのように
やさしくて
胸に渦巻く醜い想い
帰りたくない
まだ
このままでは
自然な笑顔を忘れてしまった
あんなに浮かれてい ....
ぽつぽつと飛び交う
耳障りな羽音
乾き損ねたコールタールに
再び水を打つ
門をくぐれば
生臭い土の香り
産まれ朽ち
吸い上げられる
老いた桜の木は切られ
残った切り株から
....
やがて来る、あたらしい雨
プラットフォーム
この手で焼いた
たこやきのまるいかたち
そしてあの子のえがお
満ち足りた身体に
デザートがはいるだけの
ちょっとした空隙ができる
まだ走 ....
午前三時五十五分-
知らない女の子が ボクの手相をみてる
ぼくは、蛇ににらまれた蛇の手下のようにどきどきしてる-
小学生のころに京都で、知らない町を自転車で探検してて
角まがったらいき ....
純粋で
裏の世界なんて
まるで知らない
素直な君
僕は
どっちかというと
素直ではなくて
裏の世界の住人
かもしれない
悪口を絶対こぼさない、
なんてキレイゴト
言えるは ....
ねぇスニーカー
ぼくはどこにいけばいいんだろう?
運動不足という言葉に現実味はない
なにかが足りないんじゃなくて
消費されずにあまりまくっていることが
耐えられないんじ ....
ほんのちいさな
おもいがけないよいことがあったときの
きみのひょうじょうがすきで
そんなふうにかんじるきもちがたいせつで
きがつくと
きみがよろこびそうなことを
せっせとひろいあつめては
....
誰も正しくない。
ひとは、正しくない。
私は、正しくない。
あなたも、正しくない。
何一つ 正しいものはない。
あいまいに
正しさに負けずに、
....
夜中の三時に目を覚まし
仕方がないから何にもしない
グラスに氷を放り込み焼酎注ぐ
不純物は何も要らない
マルボロライトが切れたから
親父のマイルドセブンをちょいと拝借
計算して作られた ....
愛されたかった
わたし
壊れた
粉々に砕け散った
もうどこにもいない
探しても
見つからない
まるで4階から
地面に
パソコン本体を
落っことしたみたい
音は聞こえなかった
ゆ ....
真っ直ぐな樹は根付く先を求めて
荒れた大地を歩き通し
ついに小さな森にたどり着いた
黒い雲がどんよりと空に垂れこめていて
森全体がうす暗く
樹々はみな痩せ細って
わずかな光を求めて伸ば ....
あなたと私の間には
細い細いくもの糸
風が吹いただけでも切れてしまう
いつでも
ゆらりゆうらり揺れている
ああ
お願いだから側を通らないで
揺れが大きくなってしまう
朝日を受け ....
わたしがそれを見つけたとき
わたしは28歳
離婚したばかり
バイトを3つ掛け持ちし
年下の男と暮らしていた
年金なんて払えなかった
でも先のことを考えると不安で
毎月5000円ずつ郵 ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。
いそにのこされた ....
あなたの
はじけるわらいごえは
ぼくの ひかりだ
じゅうさんさいで
はじめてあったときからずっと
あなたをまもれる
おとこになろうと
からだをきたえ
あたまをきたえ
こころを ....
ことばは
たましいを
つれてゆくよ
ひとつの
ぶんに
おもいを
はせて
ひとつの
ぶんに
きょうを
のせる
ひとつの
ぶんの
なかにも
ぼくは
いきて ....
銀河の天秤がゆっくりと傾いて
月がかろやかに昇ってゆきます
夏の星座の中心へです
澄んだ湖面は夜空をうつし
魚が背びれに月明かりをうけて
チカリ、チカリと輝きながら泳ぎ
まるで流星のよ ....
火炎
のどから
くラいひぇン
太陽の
のどの奥から
ィ矢が出る
....
はるはだと {ルビ赤色=せきしょく}は
愛したような西風を
ほむらのようにはんでいた
遠くには玄関が
歩きだされた叫びのように
かたむき倒れた墓石のように
日は駆け落ちて 落ちた慕 ....
いつからだろう
寂しいと言えなくなった
そっと隠れて溜息をつき
全てを覆い隠してしまう
そんな技を
覚えたくなんかなかった
大丈夫よって笑顔
幸せだよって笑顔
これが仮面と ....
そこから逃げてしまいたい心は
きっと次の街からも逃げ出すでしょう
永遠に次の街を求めそして逃げ出すのです
永遠とは輪廻のことです
ふりだしに戻るのです
もっとも醜い鬼がやってくる
....
カタツムリは眠りからとけ
雲は姿をたちまち透かす
おまえはありもしない虹を見ては
何食わぬ顔で明日にむかうことだろう
憂鬱は空に達し
そうやって
そうやって
私は存在をなくしていく
蛙 ....
あなたの上げた腕を見る
あなたの下げた足を見る
そんなところから言葉など
出てきやしないのはわかっているのに
おやすみの前に
お約束の
「愛してるよ」
キッスは軽く小鳥のように
....
女は
胎内に新しい生命を宿したら
「母親」になるというのに
男は
新しい生命が誕生してから
「父親」になる権利を得る
のだろうか
それは
目の前に細く頼りない道が一本
....
心も体も逆立って
どうしても眠れない
汗だくになりながら
何度も何度も寝返りを打ち
記憶を掻き毟る
流れる血の色は
見たこともない
どす黒い色で
こんな満月の夜にきっとわたしは
....
夢を
夢を見たから
夢の中で楽しい時間を過ごしたから
戻ってきたくなくて
現実へ
やみくもに徘徊する
無限に等しいネットの海を
言葉を探す
誰かを探す
何かを探す
特別何か ....
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