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彼女は
どんな名前よりも
羽根がほしかった
いつも
風に撫でられる感覚
風をきって、両手がすべりゆく瞬間に
あこがれていた
それでも
わたしは天使のにおいがしないから
真 ....
それは
優しいあいさつだから
きっと、優しい手紙
まっしろな封筒には
ほんわりと香りのこして
優しい君からの言葉
ほかのどこでもない宛先
おげんきですか、
なんて素敵な手紙
....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた
わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから
ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
もう少し近くで
聴かせてください
微熱の片すみに降りそそぐ
この音の連なりが 唄であるのなら
夏の底
透けた木の葉を揺らす
あるかなしかの風
古ぼけた木のベンチに
ゆっくりと
時 ....
ふいに
欠けた気持ちで目覚めた
三日月の朝
とんとん、と
階段を降りながら
わたしを満たしていた
はずの
あたたかい何かを
必死で思い出そうとする
思い出そうと
コーヒ ....