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ポストがあんまり赤く誘うから
こっそり仕組んだ悪戯めかして
宛名にきみの名前を書いた
雪があんまりひっきりなしに
きみの傍に寄り添うから
水晶の珠を割って
ちいさな虹で
憂欝の左 ....
手を伸ばした先に
掴みかけた陽射し
するりと零れ落ちる
温もりが少しあって
冷たさがやって来る
1月の空に投げかける
呟きは喧騒に隠れ
とめどなく詠う詩は
誰かが作ったものだけ ....
高い高いビルとビルの間に真冬でも
青々とした葉っぱをいっぱいにつけた大きな木があって
その木の葉っぱたちは風が吹く度に
小さく身を寄せ合ってクスクスと笑った
僕はその木の前にあ ....
両手いっぱいの雨に
涙がまじっていたら
うけとめる方がいいのか
ふれない方がいいのか
なやみます。
うけとめた涙は
そっとしてほしかったかもしれません。
....
つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
「終わりなき日常」という言葉。ぼくが東京で学生をしていた
10年ほど前によく聞いた言葉。
ゆうべ見た映画の中で貧しさの中で生きるママさんが
生きてるってことが夢みたいなの
なにが現実かもうわか ....
「ことば」は
「言刃」ではないから
「刃」で人は救われない
凍てつく孤独は
癒せない
あなたの心が温まるように
言の「葉」集めて
焚き火をしよう
若い葉 枯れた葉 落ちた ....
紙一葉の重みは
風に飛ばされるほどだけど
そこに詩が綴られたとき
人の生に響くほどの
力をもつことがある
詩よ
天の恵みを浴びて
我の中に実るもの
いつかはたれかの鳩尾深く
....
重さ、とは
預かること
預かる、とは
許すこと
許されること
必然的に張り巡らされた
偶然によって
僕の細胞は君の細胞と出会い
やがてまたひとつの
重さとなった
雨が降って ....
人の一生は
うたかたの夢のように
何が起きてるのかも
わからないうちに
過ぎ去ってしまう
朝 眠い目をこすり
仕事へ出かけ
精根疲れ果てて
家路につき
自分が本当は何がしたいかな ....
空にたくさんの綻びができて
あとからあとから雪が落ちてくるので
裁縫上手な婆さんに
縫ってくれ とお願いした
ひさしぶりの大仕事に
婆さんは大喜びで
せっせと針を動かして
つ ....
塩鮭を食べていると
中央線をめくっているような気分がするのです
軽く焦げて乾いた皮を箸でつまみ
スズ色をはがしていくその下にあばかれるニスのような脂身のツヤ
崩れる鮭の肉
自転車置場から全速 ....
いま だから楽しい
いま だからつらい
いま だから笑う
いま だから苦しい
いま だから歌う、詩を書く
いま だから飲みたい
いま だから話したい、愚 ....
ある時は私の心の支え
ある時は私の心の安定を乱す
ある時は私の心を満たし
ある時は私の心を空っぽにする
ある時、あなたは女神であり
ある時、あなたは悪魔となる
ある時、あなたは恋人であ ....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた
草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい
わたしは昨夜見た夢を覚えていない
....
夜が好き
塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き
冬が好き
穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
もしも
二人が結ばれないとするならば
それはきっと定められた運命
私を導くものはあなたを
あなたを導くものは私を
何かが二人を引き離そうとしている
それは私を
それはあなたを
....
生まれたことを
ふだんから考えているかわからないで
生まれたことにささる月影がきれいで
わたしはここにいました
犬が吠えていて
寒くて
でも
少しずつ
結晶になる世界
お母さ ....
人は死んだらどうなるのか?
死んでからでも好きにするとよい。
だから、
俺は死んだらどうなるのか?
空気か、
....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう
何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
ぼくは孤独を満喫していた
一人でいるとこうも時が過ぎるのが
遅いんだなと
ぼくは昨日別れた君のことを思い出した
結構長いつきあいだったが
けっこう退屈だった
毎日が ....
心がきしんだ音がして
心配になっておびえていた
ぜったいれいどぼくの体の
心は氷っていたんだ
腕には手錠をかけられて
誰もいないのに話しかけた
なんで僕はここにいる ....
ぼくは何も感じなく
ただ破壊を繰り返していた
誰もぼくのことなんかなにもしらないのに
おまえらは何故こうも
冷たい目でぼくをみる
ただなにもなく
なにをすことまなく ....
朝がきたら夜の
かけらをまとい
眠りがつきたところから夢の
つづきをひろって
めざめよう タフに
1.
かみさまはいるよ、
って
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた
だって、あいしてるんだ
2.
きのう、かみさまを見か ....
言葉を紡いでいる人がいるという
言葉の繊維を解きほぐし
紙にしたり
糸にして布にしたりしてから
その上に文字というものを書くのだという
最近は、
言葉が不足しているから
誤解 ....
白い空を数年振りに見た
忘れ去っていた朝の風景
身体の中の狂った時計のネジを巻く
鏡の中の自分の顔に化粧する
少しずつ笑うことと泣くことが同化してゆく
欠けたものは戻らない
せめて偽ること ....
父さんは何故嫌がることをするの
父さんは何故母を裏切るの
白い手袋が朱赤く染まる程
あなたが嫌いだ
憎いから誓った あなたを許さないと
水を抱かせたよう 巧みにすり抜けた後は
びしょ濡 ....
夢に
おばあちゃんが出てきた
おばあちゃんは
わたしに
お餅をたべさせてくれた
おばあちゃんの家の匂いがして
座布団と
掘り炬燵が
暖かかった
背中から風邪を引くからと
手作りの襦 ....
どうぞ、遠くても
椅子など用意しないで
明日と言えない日々のこと
薄くなりそうな約束ばかりで
指切り、唱え続けた数だけ、待ち惚け
長い長い、人の列から落ちる
とりあえずは、笑顔で
....
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