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丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め
仰向けに寝そべると
空は、一面の海
宙を舞う 風 に波立つ
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば
今日も変わらぬ陽は ....
体の隅々を解体され分析され
カルテをつけられ病名をつけられ
悲痛な面持ちの周りに宣言をされる
私は生きているから
痛くも無い病名に
迫り来る恐怖に
少し心が不穏にはなっても
....
汚れのない響き 細かく震える音
その弓で 僕の魂も奏でて欲しい
唇に そっと指をのせてみたい
僕のタクトで 思い切り鳴かしてみたい
ベートーベンも ワーグナーも きっと君に惚れて ....
鳩を
裂いて、裂いて、裂いて。
裂いて、
裂いて、裂いて。
裂かれていく鳩たちが
最後にみたのは自らを裂く私
恨みなさい、
恨みなさい、
その{ルビ眼=まなこ}に映る私 ....
伝えたい
言葉の先に
飛び出たみたいに
嘘が付く
素直さに
後ろを向いて
泣いていた
あなたじゃなくちゃ
駄目だった
くだらない
意 ....
珈琲一杯
一気に飲み干した
星を見るために
君に逢うために
海で待ち合わせ
時計は午前0時
あと1時間何をしようか
とりあえず
君が来た時のこと
ゆっくり考えて待つよ
不思 ....
待っていたものが
いつだって
くるわけじゃない
何かを失って
きっと ぼくらは 何かを得るのだろう
君が僕をふって
ずっと、友達
あてもない権利だけど
手に ....
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
確かにこの街にいた
お口を使って生きていた
わたしのねえちゃん
お口を使うお仕事
テレアポ
アナウンサー
明日の天気をお知らせします
晴れのち曇り
北風強く
ひゅうひゅう ....
また去年と同じ
桜が咲いたらあの公園まで歩こう
伸び過ぎた黒い髪を夜風にさらし
二人どきどきしながら、少しずつ触れ合った
そんなことを思い出しながら
この坂道を踏みしめ歩く、一歩、また一歩
....
修正ペンで
過去を塗り潰した
逃げ込んだのは
真っ白な家
白い壁
白い天井
白いテーブル
白いソファー
白い扉
白いベッド
黒い心
僕だけ仲間外れ
....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった
雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
僕らは空を飛べないんだって
小4くらいの時から知ってたよ
ウルトラマンになりたいって言ったのは
普通の子どもを演じるため
最後には全て忘れてしまうなら
それが明日でも大差無いは ....
そこで目が覚めた
闇に溶けた室内で、ありもしない天井をただじっと見つめる
何も覚えていない
そのかわり、汗に濡れそぼった自分と酷い喉の渇きを感じる
どこからが現実で ....
実は昨日で18になって
実感がないまま今日に なったわけですが
変ですね
二年前 死んでしまったあなたは
まだ 22のまま
なのに私はもう18
おいついちゃうよ
....
トラブル続きの僕を支えてくれたのは
一度縁をきったはずの友人だった
初詣にトラブル事に巻き込まれません様にと
願を掛け何度か神社に足を運んだ
神様と宗教は信じていな ....
それでも人は幾多の過ちを
乗り越えてここまで来たんだろう
それでも人は躓きながらも
果て無き道を駆け抜けて行くんだろう
消さないで 小さな炎でも
負けないで 確かな光を
....
ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
これ以上 言葉を重ねたら
青い光にすっぽり 包み込まれてしまいそうで
触れるか 触れないか 指先の熱をもてあました
人を好きになるって 理由とか わからないけど
青い ....
貴方と別れてから
気持ちが悪くて全てのものが
次々と身体から流れ出していきます
貴方と別れてから
気持ちが悪くて貴方の映像が
次々と浮かんでは消え
沸いてはこびり付き
どうしたらいい ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
ふわり
帰宅ラッシュの駅のホームで
不意に香るあの人の匂い
名前もしらないあの香水
忘れもしない
アタシの精神安定剤
でも
もう手に入れることはか ....
誰かが扉を叩いてる
今の私では
私からでは開けられないので
そっとその扉を開けてほしい
本当はそれではだめなのは
わかっていることなのに
誰かが扉を叩いてる
いまの私では
私からで ....
原因が分かっていれば
結果を変えられるかといえば
そうじゃないのが難しいところです
だいたいにおいて
昼からバイトが入っているにも関わらず
朝方まで余計な妄想に力を注いだのは
やっぱり ....
窓ガラスの向こうで夜景が飛んでいく
暗闇の中で街明かりが僕らの後ろに流れていく
鉄と鉄が擦れ合う音が耳の奥底に響く
低音、高音交じりの不快な声が耳元を走り去る
右から左に抜けて、残され ....
「卵冷蔵庫にあったっけ?」
「分からないからとりあえず買っておこう。」
計画性の無い二人が
買い物に出掛ければいつもこの調子
「ミルクとビターどっちがいい?」
「どうせだから両 ....
不愉快な覚醒が
北寄りの強い風で更に増して
両手の無意識がコートのポケットを探す
ひんやりとした裏地や
捨て忘れた入場券に
指先は触れているが
今はそれより風から逃れたい
月 ....
笑いあえる友達が居て、
愛してるとか、どうでも良くなった。
ただ単純に…純粋に…好きであれることが…
それだけでとてもとても嬉しかった。
それだけでとて ....
可愛い女の子に出会う機会も増えてきた
季節も春が近ずいてき
僕の心に春が訪れるのも近いだろう
長い間彼女の方もブランクがあるが
昔はよくもてた方だし
ルックス ....
この手に触れてはいけない
この手は世界をつかむ手だ
この手は大きなことを成し遂げる手だ
おまえを抱きしめるためにあるんじゃない
この手に触れてはいけない
この手に触れてはいけない
この ....
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