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隣の部屋に 弟と 女の影が吸い込まれ
床がきしむ音がする 蛍光灯の紐が揺れる
少し大きいボリュームで B.G.Mをかけてれば
話しは しづらいだろう マスキングのつもりかな
あの ....
だれかの温かい手につられて
また踏んだあの甲板
そう 見なれた茶色くまぶしいところ
窓の外はお祭りさわぎ
色とりどりのじゅうたん 花畑のような
いつもぱっとしないこの町もこの日だけは ....
空から降り立った
ひとりの天使
幸せを配って歩いた
返ってきたのは言葉という凶器
傷だらけの天使
もう空は飛べない
夏は自分に耐えられなくなって
自分の体がどろどろと溶け始めていた
青い空が溶けてゆく
白い雲が溶けてゆく
清らな川の音が溶けてゆく
都会の道路はぐにゃぐにゃに曲がって
信号機が次々と倒れて ....
きれいごとばかり 綴る毎日
偽善だなって
おもいます
もっと本当は 泥まみれの
汚いわたしが
ここにいるのに
やっぱり 偽善なのです
命を燃やして 動いている
流れに逆らわず 動いている
それらに名は無い
だから名枯れ星というのだ
だから流れ星というのだ
今宵 ....
私は暖かいものを壊さないように両手で被せて運ぶ
涙と心と光と影と全部が混ざってできたもの
貴方と離れた笑って泣いた 途方にくれて空をみた
次の日貴方は両手で私を包んで震えて
離れる事 ....
なみだというやつは
潤んで
ぷくりと膨らんだなら
ふるえ
映えたつめたい青色をくるりと丸めて
珠の中
ちいさな
とてもちいさな
気泡が
深海魚の呼吸音をたてる
ふたつ
もうひとつ ....
太陽が
触れるほどに膨れて
私の頬の辺りを
じりり、と焦がしている
へばりつく髪の先に
小さく火が灯って
そのまま燃えたいと願う
溶けてしまえたら、と
その日
世界 ....
未だに命を引きずる街で
静かすぎる呼吸を繰り返す子供達
おとな は
既に死滅して
水滴がぽちゃりと世界を彩った
(このてのなまえを
(おしえてほしい
片隅でぼそりぼそり ....
言葉が白くなる
その言葉はもともと
愛や夢だったのかもしれない
確かに今まであったものが
消えてゆく
忘却とともに
蓄積が始まってゆく
過去が現在へと結ばれる
言葉が白くなる
そ ....
泣きたい程のマリンブルーに
笑っていられるようワインレッドを
飽和するくらいまで混入したら
遠い地に足をのばそうか
そんなに見ないで と
自意識過剰が騒ぐから
地下 ....
白い肌 黒い髪 紅い唇
細い腕 長い指 甘いくちづけ
全部奪いたい 独り占めにしちゃいたい
全部奪いたい 独り占めにしちゃいたい
幼そうに聞 ....
些細なコトが嬉しくて
飾りたがる涙が
イタズラに濡らす頬
滲むライトに照れ笑いをはためかせ
ひとときを切り取り
貼り付けていく
肩を並べた夜に始まり
歯痒い午後を通過
風を抱く ....
ツミヲとおちんちんは、
いつも電車に乗ってやって来る。
ツミヲの棲み家は、
ここから二駅と四つ離れた駅から、
徒歩五分の閑静な住宅街の一角にある。
ツミヲはそ ....
八月が終わらなければいいと
願っていた
そのときわたしは
小学五年生で
朝顔を上手に育てることが出来なかった
そして
支柱にぴよぴよと巻き付いた
枯れた朝顔に
まだ毎朝ぼんやりと水 ....
いつか 夏を 見たので 夏のことを ものがたり
旅を したので 旅のことを ものがたる...
やまと 吉野の 山なか で
灼熱した 午後 数刻の 焦点は ひび割れて
....
揺れるものが
すきだ
ぶらんこ
はっぱ
おっぱい
おしり
ぷりん
せんたくもの
くもの糸
みずたまりの青空
海のそこからみたひかり
なみだとほほえみ ....
あるひとが言った
世の中の戦争は
おとこが起こしたもの
おんなには罪の無いはなし
そして
ほかのあるひとが言った
そんなおとこを産み
育てたのは
わ ....
朝が来たので洗面台で顔を洗っていたら
排水溝の中から声がしたので
どうしたのですかと尋ねると
流されるままに生きていたら
ここにたどり着いていましたと返事があった
申し訳ないですが僕は時間が ....
お昼間はセミが元気よく鳴いていて
あっ
あの山の上に入道雲がのっているよ
もくもくもく
あの瞬間にはサイレンが鳴って
鐘が鳴って
めを閉じれば引き出しのなかに
なんでも ....
朝、道端で
仰向けに転がった蝉を見た
よく
蝉が陽の光を浴びられるのは
長い一生の中で、最後の幾日かだけなんだよ
可哀相だね
そんなことを聞くけれど
私は ....
産み落とされた世界で
様々な経験をし
自分のあり方を模索し
あるべき姿を探求し続ける
これでいいのだろうか?と
負けそうになる自分を励ますのは
最終的には自分自身で
....
ふと、手にした
古びた写真の中に
微笑んで立つ
私に良く似た人が
いた
誰とはなしに
手を振るその人の
穏やかに下がる目尻は
無償の何かで
私を包んでいく
また別 ....
少しずつ
明かりが点り始めた街を
歩道橋から眺める
気ままな
散歩の途中で
緩やかなカーブを描いて
線路の上を走る電車
朝に出掛けた人達も
またこの街に
戻ってくるんだ
....
詩を燃やせば匂ふ
けぶりが目蓋に絡む
もつと火を強くしやう
指を少しずつ浮かせて
栄華の裏にはきつと
肥溜めに埋ずもれる人々
糞を食ふ人のあればこそ
虹の上で其れを遊ばせて
妖 ....
きみが送ってくれた写真集に
きみを探した
夏の祭囃子のなかに
霧のかかった銀嶺に
深い翡翠の珊瑚礁に
悲鳴の上がる戦場に
闇の群がる爆心地に
きみの姿はどこにもなかった
あ ....
すじ雲が広がる空の中で
遠くの方で飛行機が弧を描く
ゆっくりと大きな旋回だった
夕陽に反射する銀色が
勇ましかった
飛行機は目的地に向かうための
方向を変えるというよりも
今の空をす ....
1*
↓
きずつきながらも
みんなから認められなくても
がんばってみるよ
すべては君のため
きっと振り向かせてみせる
2*
↓
....
玄関の向こう側で
人の声がする
それは私の知らない人の声
玄関の向こう側で
行き来する自動車の声がする
それは忙しいと街が嘆いている声
玄関の向こう側で
ジェット戦闘機の声がする ....
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