すべてのおすすめ
夢現な朝露が
透明を保つ空気の中で
そっと
身体を震わせる、朝
細やかな振動は
私が眠ったままの揺りかごを
徐々に強く揺らして
目を開くことを
強要する
ああ、空に ....
この手が
いくつもいくつもあったなら
泣いて光をうしなっている
あの子の
背中を
なぜてあげたい
頬にこぼれるものを
ひろってこの川に捨てたい
この手が
いくつもいくつも ....
オルガンはもっと
びろびろならなければ
びろびろなって たいへんびろびろ
ひきかえせないびろびろ
どこまで、も、あつく
きっついきっつい
夏がみえたら
はまりにゆける
(もうち ....
まばゆいばかりの酸素に
唇を押し当てて
小さな喘ぎを零しながら
私は生を感じる
生温い風が
吹いている時は特に
窒素と二酸化炭素の分離
あぁ
呼吸してる
....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す
それがおとなの対応
いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
言葉よりも不確かなものを
信じてみようと
努力なんてしなかったけれど
それはあるのだと
人づてに聞いた事があるの
だけど眼に見えないものを
その語感だけで捉えようとしても
は ....
勢いに任せて 何となく今日まで生きてみたよ
違うよ 生かされているんだ ああ言えば こう言う
もうどっちだっていいよ どっちかなんて 決めたくないよ
何とかなるだろって 切羽詰まって
結果 ....
手の中で出来上がった砂山
ホクホクとした折鶴
積もる金箔
立ちはだかる君の影
渡していくバトンに
どんどんと課題が科せられていく
膨らんでいくコロモ
コテンコテン倒れていく将棋の ....
言葉は時に無力で
時に残酷です
言葉は容易く嘘をつき
その人自身を偽りのものにします
この時言葉は残酷です
言葉は必要ですか?
人は言葉を知っています
言 ....
目の届かないところで 何度も僕は殺されていた
気づかないままでいられたら まだ歌を唄えただろう
誰が見るわけでもないのに 淡い紅の線を引いていた
覗き込む鏡もないのに どういうつもりでいるの ....
眠れない朝にあなたを思う
夜を通り抜けて
窓越しに出逢うあさやけは
そこはかとなくかなしい
あなたを抱きしめるだけの日々に
空で時を知ろうとしなかったから
この ....
透明な温度を下げていく
あなたのぬくもり
かすかな光が胸をさす
氷のようなつめたさで
肌が焦げていく
においが鼻につく
電車の中では冷房が
滝のように流れている
さらさらと ....
錯覚をかさねて
すすんできた
そして、またしても
錯覚
たぶん、どこにもたどりつけない
だがふりかえって、
遠く、残してきた
いくつもの分身に
ほほえみかけることならできる
....
余韻は鮮明に
昨夜の熱気を絡ませる
臆病風は自然に溶けて
二人の視線を交差させていく
互いの笑顔を抱きしめた
霧の繁殖する蒸し暑さ
それすらも愛しいほどに
胸の高鳴りは
あなたを求めて ....
人は
一人では孤独にはなれない
もし人間が
最初から自分だけだとしたら
孤独という感情が生まれることは
ないのだろう
孤独になれるのは
多くの他人の鼓動と呼吸とを
ぶつけあい
....
手を伸ばした
ばらばらと崩れ落ちる その破片を
ひとつでも 掴み取れやしないかと
手を 伸ばした
手を伸ばした
手を伸ばした
....
夏は涙を流してくれない
秋
瑞々しい草木の
しなやかな手に雫を落とす
冬
食卓のある窓の
鈍色ガラスに雫を垂れる
自分たちの体温に気づいた時
季節は泣いてくれる
....
シャーペンの最後にいつも残る
出てこなくなった7ミリメートルは
言えそうで言えなかった言葉
書けなかった最後の言葉
捨てられずに残していたら
いつ ....
使い捨ての帽子に
ミルクティが付着して
私は
何故か、はっとする
余りは沢山あるからと
笑いながら言う
これが人間だとしても
あなたは
笑うのだろうか
白いメッシュ ....
新宿を追い越して夜が廻る
整頓された宇宙
小麦色のウサギを探すが
大抵は気の強いものに護られている
バッティングセンターからチンピラの声が聞こえる
宝石売りが乞食に餌をや ....
真新しいブラウスの
短い袖がまぶしいね
軽やかにステップ踏んで
夏の扉に飛び込もう
光の娘たちが踊る夏の道で
いつも空を見上げていたね
湧き立つ雲の{ルビ眩=まばゆ}さに心魅かれて
....
何ゆえあたしは起きているのか。
人が眠る時間に。
ああ、冷凍庫の変な安いアイスでも食せばよいのかしら。
もう意味がわからないわ、広い広いこの地球にいてガリガリくんを食べるなんて。
....
斜光のまどろむ講義室
ノートを広げて座る僕と
入口には車椅子の男の子
授業までの待ち時間を持て余し
ふたりは
ノートの隅に書かれた
シュレーディンガー方程式の
井戸の中で
はにかみ ....
四ツ谷にもコンビニはあった
赤坂にもあった
渋谷にも日暮里にもあった
たぶん静岡にもあるし
屋久島にもあるだろう
たぶん
中央線を降りてしまうと
唐突にプリンが食べたくなって
私は ....
消えたくなったら
死にたくなったら
切らずに結んで
手首に傷を残す
17本の誓うを結び
17回、僕は死んだ
カラフルに見える糸は
裏腹な心の証 ....
夢という未来にむけ
毎日を
ただがむしゃらに
下を向かずに
ただ前をみて
どんなに貧乏でも
どんなに辛くても
前をみて
笑っている
そんな女の子は
強いと思う
....
さあその刃をちきちきと出して
鋭い切っ先を眺めてみよう
目に見えない何かが
今にも放射されそうではないか
その秘められた機能美に
ぞくりとする
ああ
そのカッターナイフが私 ....
丹念に整えた羽を広げ
今宵
貴方の元へ飛び立ちます
月光が優しく降る頃に
どうか
窓辺で待っていてください
黄金の粉をしたがえて
迷うことなく
貴方の胸へと向かいます
月光を舞い描く ....
思いを伝えられなくて
思いを伝えすぎて
無限階段を
一歩一歩のぼっていく糧にする
でもね
たったひとりで
恥をかくことはできるかい?
私は死んだので
私の体を抜け出した
いつか死んだらきっと飛べるだろうと思っていたから
私は飛んだ
町中を飛び回った
何人かの人と目が合った
けれど何も尋ねられなかった
飛ぶことができ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78