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銀色に輝く
紋白蝶の魔法の粉
きらきら
どれほど集めれば
自由に羽搏けるといふのでせうか
あをいそら
一枚二枚
母の髪を梳くやうに
幼い私
蝶の翅をもぎ取る ....
こころは今、穏やか
あの頃にみた
夏の坂道で
一斉に立ち昇る綿毛
花が行く、
歩き急がないで
だけど抑えられないのは
高揚
澄んだ青に
フォルテを描く
ステップを踏む、つま ....
まどろみを さめたり もぐったり
白日の 季節の かいなの なか
体力は うばわれ
けだるさに 眠って
窓を 吹いて くる
れもんの 風との トランスファー ....
緑の山に響くのは
わたしの声か 呼子鳥
夏の滴りに濡れそぼち
わたしはわたしを呼んでいる
遠い風に乗り響くのは
わたしの夢か 呼子鳥
それともあのひとのささやきが
わたしの耳もと ....
浅瀬に人影がうかんでいた
ゆらゆらと動いているのは髪の毛ばかりで
まだ生きていた父とふたり
はるか野の際をいく船に手を振り
斜面の草をゆらす風に
白い花びらをちぎっては散らした
....
年を重ねる度
少し背伸びをした
大人になったね
そんなふうに思われたかった
3年前にとまった身長と
手のひらサイズの心
変わらない自分に苛立ちと不安
変化という義務感に圧迫さ ....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして
滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
一期一会
だなんて、ことばでは語りきれない
こんなデジタルの時代だからこそ
0と1の狭間にあるものを
あなたに伝えたい
それは
感動に震える心臓の鼓動であり
汗ばんでしまった掌の ....
ああ、今日も雲が浮んでいる。
青青と吟する空の重さに酷く狼狽し、暮れへ連ねてあるく。
おまえは「きょうもええ天気やったね」と暢気に
両手をうえに、背を反らせて伸びをする。
....
人びとは沈黙を挟んで同じ世界に
仲良く寄り添う
皆はこの豊かな沈黙に
穏やかなメロディーに
静かに耳を傾けて心地よさそうにしているので
僕も同じように耳を傾けてみる
電 ....
暖かい言葉も時として
心にやわらかく刺さっていくの
不安は突如押し寄せて
私は固まり石と化す
声をかけても無視するかしら
声をかけても嫌がられるかしら
心の疑念は広 ....
朝起きて冷蔵庫を開けたら
祖母が入っていた
さみくてさみくてなんだかも
生ぎてぐのがいやんなっちま
なんて言うので
そんなに寒いのなら
もう死んでしまったっていいんじゃない
と思った ....
反転された文字列から入口を探す
隠された仮想領域のことばを拾いに
ほの白い闇に明滅する極小級数の記号は
ところどころ渦を巻いてわたしを惑わせる
黒色星雲の配置にならい なぞるカーソル ....
路頭に迷う
なんて
誰にでもあるわ
だから、
無理して周りに
合わせる必要なんてない
気遣いを受け止めたなら
抜け出せた時にでも
『ありがとう』を添えて
満面の笑みを浮かべたらいい
安心 ....
ビルの
濡れたところと乾いたところ
海岸通りによく目立つ
あの一枚岩のビルが
晴れ間の舞台に立ち
静かな雑音と共生しはじめたばかりの今
まるで定規で測ったような岩壁のところどころが
濡れ ....
誰かを好きになって
結婚して
こどもを産んで
ごく自然ななりゆき
なんだけど
それを人間らしさと言えるのだろうか
赤ちゃんを抱いた
お母さん
しあわせそうに見えるけど
割 ....
今日は夕焼け空だった
だけど今日は相変わらずどこへも入り込めなかったので
迷っているうちに一日が閉じた
そして空欄の日記が増える
今日も何もない一日だった
なあ、嘲うなよ電気
そりゃ確 ....
1
ひかりは、不思議な佇まいをしている。
向かい合うと、わたしを拒絶して、
鮮血のにおいを焚いて、
茨のような白い闇にいざなう。
反対に、背を向ければ、向けるほど、
やわ ....
それは見えないものだから
すぐに置き替えられてしまう
なかなか現れないものだから
駄目だと決めつけて諦めてしまう
こころの闇、なんてものはない
そんなところにダイブする必 ....
電車を降りると
点字ブロックが
花野に埋もれていた
あなたはここにある花の名を
一つとしてしらない
見えることもない
それでもその眼は
厳かなほどに瞬きをするから
見えているも ....
とおい、とおーい世界に行きたい
そこでは 黒と白が等しく混在し
せめぎあい 増殖し そして消えゆく場所
混じった黒は白ではなく
溶けた白は黒ではない
マーブルとなり螺旋となり
私を見下ろす ....
漆を塗り
さらに金箔を張った
豪華なわたしの部屋には
窓がありません
窓際無いのトットちゃん
トホホ
髪が伸びる
ゴムのように伸びる
オホホ
扉を窓にかえようよ! ....
この世の
美しいものだけをあつめて
花束にして
ガードレールにそっと
捧げよう
PRAY
絶対的な速さの
むこうがわに逝って
野垂れ死にした
男に
祈りを
墓標の代わ ....
僕の部屋の窓から焼却炉が見える
団地住宅に併設された
小さな灰色の炉は
押しつぶされたたまねぎみたいに見える
僕の部屋の窓には
すこし不恰好な焼却炉がいる
ひび割れそうにか ....
新緑の赤らめる
夕暮れの畔
終わろうとしている黄金の陽が
出来事を染め上げていく
水面で月が戯れる
影絵のようにたなびく振動
弧を描きながら
擦り寄せた声
求愛の儀式
どこまでも響く愛の歌を ....
わたしたちのうつくしい夏は過ぎ去り
ただ ぎらぎらとした陽炎ばかりが
道すじに燃え残っているけれど
二度とあうことのない確信は
耳元で鳴る音叉のように
気だるい波紋をいくえにも広 ....
・
初夏の山は
いいにおいをしたものを
たくさん体の中に詰めて
まるで女のように圧倒的な姿で
眼の前に立ちはだかってくる
たまに野良仕事をしている百姓が
山に見惚れていることがあるが
....
空の草原を
風がそっと撫でてゆく
空が左から右へ波打つ
その波を追いかけて
鳥が飛んでゆく
今日の草原は
青に満ちている
草原からの潤いは
地上の緑にとって
かけがえのない
命の源 ....
鏡を覗いたら
頭に白い糸がくっついてた
頭だけじゃなくて
手首にも足首にもくっついてた
どうやら上からさがってるみたい
それで上を見てみたら
大きな私がいた
....
咲いた
咲いたよ
黄色い光が一面に
これが初恋というものでしょうか
泣いて
泣き濡れても
涙が止まらなくなりました
風が吹き
風が吹けば
あなたに悲しい雨が降り
わたしの涙 ....
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