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ねこって可愛い
飼いねこは飼いねこらしく
ノラねこはノラねこらしい顔しているよ
やっぱし育ちなのかな
ひとに媚びるのうまい飼いねこがいて
いじらしいほどノラなねこがいる
そんなねこって
....
日本列島を
雨雲が寄り添うように
駆け抜けてゆく
北では きっと雪が降るのだろう
ここで午前十時の雨を受ける
たゆむ心根を引き締めるような 寒さ
灰色の雲から滴る
甘い雨
ベラ ....
フィチカ、雨の国。
春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる
(誰か)が「冷たかろう」と言い
(誰か)が「寂しかろう」と言う
....
かんかん鳴る階段をあがると
お隣さんの
ドアノブにかかる
ビニ傘
ドアの前に置かれている
飲みかけのコーラ
朝には片付けられてたけど
帰ってくるとまた
首を傾げ
なんだろうと訊いてく ....
つまらないつまらない
まとまらない 白みがかって
結局
なにもない
つまらなければおもしろくすればいい
なにもないなら作りだせばいい
いつも湧く言葉を知って ....
一 踊る
螺旋状に回る時間の渦で
ときおり光り輝く瞬間
踊る鼓動が
今日を激しく興奮させる
あなたと
アゲハ蝶が絡み合う
異国に旅したその日付
落ち葉に乗った ....
手にしたペットボトルから
色水みたいなジュースを飲み
{ルビ騙=だま}されたような気がした日
長い間畑仕事をしていた
老人ホームの{ルビ婆=ばあ}やは言った
「昔は農薬なん ....
あなたは何故あのとき僕の日常に小さな嘘をねじ込んだりしたのだろう
だけども、僕は、まだ広漠の空の下で息をしている
酩酊していたのは確かなことだった
とはいえ、血を吐いたことは、正直よく覚 ....
遠回りした日々は本当に無駄でしたか?
繰り返すだけの日々は本当に繰り返すだけでしたか?
貴方の理想は貴方が本当に欲しいものですか?
それは誰かを犠牲にしてまで手に入れたいものですか? ....
冷たい夢 もわんもわん
目覚めの悪い 午後二時
休みが不定期な君に
あわせてとった有給休暇
綿密にたてたデートプラン
直前になって水の泡
しかたのない理由
優しく受け入れるの ....
君の産まれたその訳を
探す旅がこの人生と
果たして誰が言ったのだろう
黄色い砂場で
硝子片を散りばめた
掌の嫉妬
欲深い"愛してる"
メランコ ....
りんごを食べたら
なつかしい故郷の味がした
と言ってはみたものの
この街で生まれ
この街で育ったから
故郷らしい故郷なんてどこにも無いんだけど
でも、不思議なんだよね
ひとくちか ....
通り過ぎた日々
忘れられない想い
通り過ぎた人々
喪失感だけを置いて
通り過ぎた誓い
時間と共に脆く儚く消えた
通り過ぎた衝動
この手ではなにも…何も掴めなかった
通り ....
黄昏、あれは
{ルビ樹陰=じゅいん}に眠るあなた
穏やかな目鼻立ちに
風が吹きすぎる
私はそれを眺めるだけの
{引用=かげり
を知っていたでしょうか}
思い出、それは
静か ....
僕はどうして生まれたのでしょうか
どうして 生きているのでしょうか
僕がいることで
一体誰が喜んでいるのでしょうか
僕が生きて ....
夢の中でも、
顔はハッキリ思い出せず、
ぼやけていた、
ぼくは悲しくて、
泣きながら目が覚めた、
まだ夜明け前、
月がまだ名残おしそうに光っている
....
あめよ逃げないで
白々しく霧、すとおむ。影ない静かすぎてこわい
炎よりもゆらぐゆらゆららいあい今あいされない
この胚は縮こまっている
この肺は誰にすくわれる
ツェロの弾く音だけが
....
私たちはゆくのです
くさって
くさって
くさって ゆくのです
とんで
ひっかいて
しなだれて
ひらいて
しおれて
つんざくような ひめきをきくのです
....
虚
それは誰もいない町
ただ非現実な君を求めるのなら
それは変わってくる
青
常に時代の主役
いつもイキモノは求める それがほしいと
少し心が揺ら ....
月の清けき夜
折からの澄んだ風が
波のように襲ってくる感情を
鎮めようと
湖面を撫でるように
一陣 通りすぎる
暗い森影からの
ふつふつと湧くざわめきにも
耳をかさず
震え ....
東洋の衣擦れの神秘
東北アジアの声
か細い娘たちの声帯が
鈍く くすみ 角の取れた 重い
エイトビートに乗り始める
ひとたび 音楽チャンネルを無造作に回せば
ロックエイジ 二世代 ....
紅茶を飲みながら
ふ、と思う
微かに漂う幸せと
君の事
空の色
今、
何処を
歩いてますか?
相も変わらず
空を
観ていますか?
六花か咲いて
寒くなってき ....
人であるために必要な何かを落とした
それは必要なくなったので
沈みゆく太陽に
またねと手を振ること
飛び立つ力を失って地面でもがく蛾を
目で追いながら
ひょいとよけて歩くこと
....
わたしって
よく道をたずねられる
どこかやさしげにみえるのかな
近藤さんの朗読した「夕焼け」って作品大好きで
繰り返し読んだりしたけど
登場する娘さんのように
「やさしい心の持ち主」なんか ....
白い手首から
あかいなみだが滴りおちて
砂に染みた
日をしるたびに乾かされる
ざらついた海の響きが
耳に刺さる
あらゆる事象が眩しい
それまでも花の咲く過程だときみはいう
半信 ....
窒息しそうな空間
蛇口を緩めるように
溢れ出す暴言
またわたしは君を傷つけるのか、
《どれだけ傷つければ気がすむの?》
わかっているよ、
私がいなければ、君は前へ歩ける ....
綺麗な声が
耳に残る
冬の静かな海みたいな
秋の蝶の羽音の様な
マッチが燃えるその赤い色
チェロの最低音
月の光がわたしに注ぐ音
そんな綺麗な声が
....
最初はマジで嫌だった
スタッフのひと替えてもらいたかったけど
お気に入りのお店だったし
いつものひと不幸があって急に休んだらしいし
どうにでもなれって心境だった
助手のひとがわたしの好み ....
「インフルエンザになったのよ」
と、嘘をついた
インフルエンザに、かかったことのない私には
インフルエンザがどういうものかわからない
けれど
一週間くらい、アルバイトに行かないで
ぼーっと ....
砕けたアイボリー
平和な、この世界から
(脱け出せずに)
白黒の斑点
澱んだ苔色の空
引っ付いては離れない未来を
どれだけの戯言で埋めれば
救われるんだ、
吐く息白く ....
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