すべてのおすすめ
最初は綿ぼこりかと思った
小さな白い塊が
ふわふわと目の前に浮かんでいた
疲れた目の錯覚と決めつけてはみたが
白い塊はその数を増し
やがて
小雪でも降り始めたかのように
凍えた集会室 ....
自分が見えなかった僕は
君に出会って初めて輪郭をもった
透明だった体も心も
次第に色付いていった
もっと君に見てもらいたくて
色はどんどん濃くなるけれど
僕は君が何色を好きなのか知らな ....
ことばを交わしたい人がそばにいるのに
壁に貼られたメニュー表ばかり見ている
生ビール550円
横顔を見るタイミングだけうまくなる
「いい人」になんかなりたくない
「大切な人」になりたいの ....
「気楽」を抱き締めた
精一杯に、一生懸命に
「矛盾」が貼りついてきたので
えいや、と払い落としてごみ袋に入れる
これはもえるごみだろうか、と
湿った「疑い」が落ちてきたので
とりあえず床を ....
いまのところいつでも
あなたのなかにわたしがいて
わたしのなかにあなたがいる
・・すごく、すてき。
アスファルトに
心臓を打ち付けて
白線に
手を伸ばす
剥きだした 傷跡
指 は
震 えて
チェックメイト
後ろ指
指さない ....
今日もあなたが
いこうとして、
それでもやっぱり失敗してくれることを
俺は望む
目を閉じて
少女は
オカリナを
鳴らす
誰かを
思い出してる
ひとつ
ひとつ
オカリナに
指を置く
何かを
思い出している
少女は
オカリナを
いつまでも
....
歪みきった感情を吐瀉物に浸して君にぶつけよう。
部屋の隅で膝を抱えて居られるだけの羞恥心さえ有れば充分かそれも直に麻痺する。
男と女を小説に喩えるなら低俗な短編集が幾つか著者はハッピーエンドが ....
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ここにいるのは狼ではない。
ここにいるのは野鼠なんだ。
魂、
泥水にまみれて寒くて、
悴(カジカ)んで、
舌先は闇 ....
とある、女の子が撮った写真達を
sigur rosの音を
流しながら
偶然にも見ていたらば、
それは、それは、
驚くほどピッタリと当てはまって、
まるで ....
わんと鳴いたから
「ぼち」
わたしのこと
ほんとは誰も知らないはずなのに
「おはよう」
だなんて声かけて
頭をなでなでしたりする
とげぬき地蔵じゃないんだってば
雪が降って ....
飛んでいた意識を呼び戻し
気付いた時には
独り取り残された
残ったものは
燃滓と半端な自由
暫く実感していなかった
静けさの寄固まった世界
....
あいつが吠えてるよ
母親に毛並みが嫌いといわれて
吠えてるよ
妹の庭で吠えてるよ
姉の美味しいご飯を大好きな
僕の優しい言葉が大好きな
首輪のとれたあいつが
父親に寝相が悪いといわれて
....
年末だっていうのに
部屋を大掃除する気にもなれず
やたらと浮かれ気分の
テレビを見る気にもなれず
かかってきた電話はきっと
夕方会う約束をしてた友人から
留守電にかわったとたん 聞 ....
071213
なにかをもとめてなかにしさんのうちにゆくと、
かけらのようなおとこのこがかけてきて、
たもとをひっぱるので、
なくなったはずの ....
(私の身体にある悪をすべて打ち消して)
(痛いくらいの優しさで満たした)
(そんな人間になりたいと願ってた、ずっと。)
私と彼女は正反対
感情のままに怒鳴る彼女 ....
駱駝が砂漠に流した涙
海亀が砂浜に流した涙
炎天下の甲子園に流した涙
新宿ゴールデン街の路地裏に流した涙
君は今どこでどんな涙を流しているのだろう
その涙を流した君の物語を聴かせてほしい ....
フニクリフニクラ わたしの行く先
海の中の快楽主義者
太陽のせいだ。
といった男は
今頃どうしているのだろう?
溶け出した
翼を持ったイカロスは
ダイタロスを
責めはしなかっただろ ....
ひかりの葬列のような夕暮れに沈む、
クラチャニツァ修道院のベンチに凭れる、
白いスカーフの女の胸が艶めかしく見えた。
捲り上げられた白い腿は、悲しげにも見えた。
わたしの少し疲れた掌のなか ....
毎日何もしないで家にいると
余計なことばかり考えてしまう
たとえば今日もまた
死にたい願望が表面化してきて
青い空がなんだか
何かしろしろと
ボクを攻め立てるから
だからなんだか
やた ....
三日に一度は
インスタント食品レトルト食品
ベッドに広げられたシーツの皺のように
時間は寄せ集められるから
僕は読み止しの本を手に取る
気の利いた中国製の服が
安価で手に入るから
....
ほんものだと
ありがたがって食べていたら
とんだ偽物だった
ほんものだと
ありがたがって鑑賞していたら
とんだ贋作だった
う〜ん、良くあるはなしだよね
テレビを付けてみれば
に ....
ああ
そこの
ここからそこの
すみずみまで
感じている生命よ
あなたのそこの
感覚鋭く
ときには鈍い
生命よ
わたしは悲しい
青い鳥
空は命に溢れても
この地上の
....
ジャズアンドブルースはムードなんだよ
たばこの煙を吐き出しながら
あのひとは言った
ちょっと吸い過ぎなんですけど
その背景に何があろうとも
あったとしても
そんなものとは切り離され ....
*
みずいろのさかなを
凍ったうみで
凍ったうみの
その下で泳がせている
気泡の、結晶
つめたい手
掬うことのない
うたがう事もないさ
たとえばわたしたち
ストレスにまかせて
....
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、
着席する、石は、
水、ではなか ....
妹が嫁に行くのですよ
あれは妹が3歳ぐらいのことだったか
サンタクロースがやってきたとき
母にしがみついて 泣きじゃくってた あの娘が 嫁に行くのですよ
「幸せにしてもらえよ」と言 ....
追ってはいけないと
心にブレーキをかけたら
《恋しい》気持ちが加速するから
いいのこれで
すでに美化され
あとは風化を待つばかり
きらきらと
はらはらと
想うは私、一人でも
....
暗闇に指と指を絡ませて
ほろ酔い肌のぬくもりに酔いしれる
熱いときめきが過ぎて行く
あなたは真夜中に背を向けて
私を抱いている時も夢の中でも
他の{ルビ女性=ひと}を抱いている
ひとた ....
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