すべてのおすすめ
目の前に横たわる死体から
なにを手に入れた

喉を縊ったその手は失ったはずだ
束縛を解いたその心は手に入れたはずだ

保存エネルギーを

{引用=
電柱の上にとまった黒い少女
クス ....
折れそうなわたしを映す
動かない鏡
何も考えない
何も考えてくれない



折れそうなわたしを見て
鏡を叩き潰した



欠片を拾った手が
血に濡れた



もう戻ら ....
折鶴の

{ルビ誰=た}に習ひしか忘れしも

{ルビ右手=めて}と{ルビ左手=ゆんで}に刻まれし

{ルビ貴=あて}なる鳥の影形

{ルビ盲=めしひ}となりぬこの身にや

神の言の ....
きみが送ってくれた写真集に
きみを探した

夏の祭囃子のなかに
霧のかかった銀嶺に
深い翡翠の珊瑚礁に
悲鳴の上がる戦場に
闇の群がる爆心地に

きみの姿はどこにもなかった

あ ....
夏は涙を流してくれない


瑞々しい草木の
しなやかな手に雫を落とす


食卓のある窓の
鈍色ガラスに雫を垂れる

自分たちの体温に気づいた時
季節は泣いてくれる


 ....
斜光のまどろむ講義室
ノートを広げて座る僕と
入口には車椅子の男の子

授業までの待ち時間を持て余し
ふたりは
ノートの隅に書かれた
シュレーディンガー方程式の
井戸の中で
はにかみ ....
思いを伝えられなくて
思いを伝えすぎて
無限階段を
一歩一歩のぼっていく糧にする

でもね


たったひとりで
恥をかくことはできるかい?
罪咎の月光が降り注ぐ
身体の冷えた僕には
その暖かさはあまりに残酷で

君がいるはずだった世界を
壊してしまったこの手には
その暖かさはあまりに無慈悲で

テラスの鉢植えも
白を誘う ....
乳母車の乳児のバイバイに
こたえた手
布の端をひとかがり

  だっこされている乳児を
  泣かせた作り笑い
  布の裏に斜めの縫い目を見た

横断歩道を渡る小学生に
掲げた手
布 ....
わらさんの悠詩さんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
虚軸天秤- 悠詩自由詩5*07-10-3
- 悠詩自由詩1*07-9-1
連鶴- 悠詩自由詩4*07-8-24
アリバイ写真- 悠詩自由詩2*07-8-7
夏は泣かない- 悠詩自由詩24*07-8-2
車椅子の背中- 悠詩自由詩4*07-7-31
相対・性- 悠詩自由詩5*07-7-29
月下美人- 悠詩自由詩4*07-7-14
まつり縫い- 悠詩自由詩8*07-7-8

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する