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ただ、ひとつの線
そのさきの
きわみ
静けさ
甘みを増してくる
過剰なざわめきに
鈍い、だが長い
痛みに
蓄積されたのち
放たれる
腐臭に
耐えつづけるこ ....
ノート
忘れられた言葉
終わりもみつけられずに
さまよったまま
静かに痛んでゆく紙のうえで
呼吸をつづけている
あのひとの、
いつかひらめいた
あのひと ....
ブランコを
こぎもせず
僕はからだを
そこにあずけて
僕の腕
長く
細く
白く
地面にたれて
歓声は
そばにあったのに
すごく
遠くできこえていた
僕は沈んでゆく ....
胸いっぱいの誉れのためにも
きこえないふりを
しなくてはならないが
よけいきこえてくるので
いたたまれなくなる
逃げ出しなんかしない
涙もださない
汗すらださない
靴底を地に押 ....
秋、
そのつぎの
ひめくり
菱形がつらなって
つかめない
光のドロップ
ひらきっぱなしの
本の表面に
ゆらめいて
今
今が
かたむいてゆく
いくえにも
かさなった
ゆらぎ
輪をかいて
后は
たおれる
フラッシュに焼かれ
切り花が飛び散って
できるなら
このまま
目覚めたくないと
願っても
民が呼ぶ
夢 ....
いまごろ
どこに
浮いているか
風をつかむよう
指をひろげても
空をきるばかり
なにかとすり替えられたわけでも
なかろうに・・・
見事に
はたされない
急にうしろか ....
オルガンはもっと
びろびろならなければ
びろびろなって たいへんびろびろ
ひきかえせないびろびろ
どこまで、も、あつく
きっついきっつい
夏がみえたら
はまりにゆける
(もうち ....
錯覚をかさねて
すすんできた
そして、またしても
錯覚
たぶん、どこにもたどりつけない
だがふりかえって、
遠く、残してきた
いくつもの分身に
ほほえみかけることならできる
....
ちいさい声で
すごく大事なことを
いう
おおきい声では
いえないことを
いう
声の芯は
おもいのほか
しっかりしていて
おおきな声が
いくら
邪魔しようとしても
伝わってくる
....
死と眠りが
同じようにみえるときが
ある
ひとめみたとき
だからときどき
はっとして
大切な人にかけよる
あなたたちは
人の気もしらないで
静かな息をしている
あつい
手 ....
眠る前、羽みたいな手がおりてくると
ぼくはそれだけでなにもかも忘れてしまう
今日はきてくれるかな
階段のしたから、食器を片づける音がきこえてくる
きてくれるかどうかは わからない
機嫌が ....