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一。
バスは坂に入っていた。眼を閉じると、からだが傾き、後ろに引かれる、背中が軽く、座席に押し付けられる、わたしのからだは軽いので、座席はゆっくりと、わたしを押 ....
ツミヲとおちんちんは、
いつも電車に乗ってやって来る。
ツミヲの棲み家は、
ここから二駅と四つ離れた駅から、
徒歩五分の閑静な住宅街の一角にある。
ツミヲはそ ....
これはね。
あたしたち、
死ぬ時はきっと別々だから、
だからこうしてにぎって、
眠っているの。
ほらこうしていると、
あなたどくどくしてる。
あったかい。 ....
「逃げよう。」
そう言われたので、
逃げることになった。
以来ずっと、
トメヲとふたり逃げている。
「アテ」というものがないので、
「アテ」もなく逃げる ....
目を開けると、
お腹が空いていた。
だから躯に絡み付く、
べたべたした液体を舐めた。
ぬるい液体は、
生臭くておいしくなかったけれど、
それでも舐めた。
舐め尽く ....
一片のことばに、
色がなくても、
それでいい。
一編の詩として、
彼らが息づいていれば、
それでいい。
どんなに醜い、
汚物であっても、
それで ....