七夕
乱太郎

寄る辺なく
君を想うことなかれ
寄る辺なく
君に恋することなかれ


朝露零れて
透いた柔肌の朝顔
吐息に揉まれし


けふ
文月小暑
忘れがたき
夕でるまでの


刻の印
笹舟に漕がせし
朱色の重なり
常花の実齧りて


君の黒髪
孔雀の扇のごとし
君の紅
梅の散り花のごとし


短冊に記したとて
いずくにか燃やされんぞ


儚き夢と思い知るも
今この刹那をば


自由詩 七夕 Copyright 乱太郎 2011-07-14 14:01:41
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