風の日
よしおかさくら

朝の街は風が強い
友は今日だけのことと笑ったが
夜明けを知らないその朝
やはり風は強いのではないか
夜の街も風が強い
髪が乱れされて舞い上がる

灯りが明るく 
またぼんやりと平然と雑踏を聞いている

わたしは必死だ
より黒い夜を眺め
見出そうとしている

天国と楽園は同じではない

湧き上がる光はなんだ
なんの高揚だ
なんの幸福感だ
人々の間をすり抜けて
歩く
飲み屋を出て家路に着くひとの笑顔
幸せそうだ
世界がこのようであればいいのに
神もそう願って人を作ったに違いない
天国と楽園は同じではないけれど
天国なら地上にもある
人々を見ながら

歩く
強くて暖かい 風だ


自由詩 風の日 Copyright よしおかさくら 2008-04-25 16:49:03
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