すべてのおすすめ
夕陽の堕つる彼方に昨日問ふわれと埃かぶりし母のオルガン
澄み渡る空に浮かびし虹を見る子らの顔には虹の跡なし
われ乗せて北へ走らむ夜汽車にて車窓に顔つけ頬を冷さむ
身体をふいにすりぬける
風にそっと教えてもらった
この世界は未完成なんだって
そういえば海の色は
まいにち
まいにち
違う色
水たまりにうつっている
ぼくの顔は
ただただ遠くを
....
わが春の分身とよびたき青き種子大地の暗み信じて沈む
いちめんの麦の青みのなかにいて思ひつげよとわが背押す風
上空の子燕のみが新しく街にはびこる意思なき者は