くびれ
恋月 ぴの

それは総ての男を魅了する
総ての芸術家を虜にする


それは瑞々しい果実のようであり
たおやかな母の抱擁をも予感させる


それはあまりにも眩しい
陽に焼けたまろやかな曲線は
誇らしさをも感じさせ
興味本位の視線を恥じ入らせてしまう


それはひと夏の甘い記憶
やがて実りの秋の訪れとともに
厚い衣服のなかに姿を隠し
総ての男たちの戸惑いの内に
身を躍らす小魚となる




自由詩 くびれ Copyright 恋月 ぴの 2005-08-21 23:36:34
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