光纏処女(ひかりまとうおとめ)
la_feminite_nue(死に巫女)

 光にむけて祈るあなた、おとなしく、おとなしく、草のようにほほえみかわして吹かれてゆくあなた。海まで望めない草原に、光源のようにひとり淋しく立っているね。

 あなた。紫陽花とあざみの花をにぎって、その意味は(独立と、あなたの心はつめたい)誰でもが、そう? 誰でもが、この花のように淋しく冷たいんだって。

 悲しく淋しいのだと、涙を流してほほえんでいるあなた。私にはあなたの心がわかります。ソネットのように口ずさまれてゆく旋律メロディー。空耳が私にもきこえる。ふりかえることは決してないのですか、あなた?

 あなたを呼び醒ますことができる。暗の奥から取り出せる。私は、人間ひとがそのように淋しいのだと、真っ白な真昼のなかで呟いています。かたわらを通りすぎてゆく人、何の関わりもないその人たち、彼等はなぜ彼等でしかないのかと?

 すこし戦きつつ話すのです。私は、私じしんに。あなたのように切ないぶぶんが(でも、何と美しいのか!)誰でも人の心にある、それはジルバのように歌を唄う。風にのる声にすぎない。それでも私は捨て切れない!

 人の心の、淋しいぶぶんのあなた。


自由詩 光纏処女(ひかりまとうおとめ) Copyright la_feminite_nue(死に巫女) 2019-10-11 13:49:02
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