……あるいは、一編のミステリーとして。

 西行ほど、文体という皮膚に自らの内面を刻みつけた詩人はいないのかもしれない。彼の和歌は、一見してたおやかで、自然と融けあうように静謐だ。だが、丁寧に耳 ....
私にとって
時間は有限なので
いくら悲しいことばかりの
毎日だって
いつかは終わりが来るのだと思うと
そんなに辛くはない
それは嘘だけれど
私ばかりが悲しいのではなく
悲しいことに過敏 ....
眼前に ぶるり
震える頬の
密度、
何を識ろうか その想い

絶えて久しい肉身の刻印 、

ぱっくり開いた
ぬめる漆黒の口に
呑み込まれる
最低地点でこそ
初めて観識り得た、
 ....
私の肉身の
今を生き生きと
筋肉の盛り上がりいき
けれども
着実に滅びに向かい、
私の魂の
今に思考し感じ行為し
未来を切り開きつつ
けれども
眠り入れば意識失い、

何一つ保証 ....
「タロット」

占いをしたの、
とり残されて。
気づいたら、
未来からの便りいがい、
なんにもなくなっていた。
さびしいね?
くちなしの花……
淋しいね?


「思い出の朝」
 ....
車窓から見える白樺の森

希望の街を後にして

着いたのは無人駅

ボストンバッグを肩にかついで

見渡す景色に唖然

世界でたった一人になったかのよう

同時に

心 ....
希望を取り戻したら
人を信じていた頃の歩き方の練習をする

夢中になれるものがないなら
ただ歩くだけもいいだろう

僕がどこまでも行けると思ってた頃
太陽がどこまでも暑かった頃
あなた ....
*人を信じることができなければ
ものを食うこともできなくなる

*信じられないことを信じる
というのがほんとうに信じるということである

*会うとほっとする妻であってほしい

*戦争に ....
{引用=𝘴𝘢𝘺𝘰𝘯𝘢𝘳𝘢、游ぐいきもの 透明な
さかなであることの等しさ

𝘱𝘭𝘢𝘯𝘬𝘵𝘰𝘯というのもいいかもしれない
水がないのに 𝘢𝘭𝘤𝘰𝘩𝘰𝘭を含むロに
  °

炭酸の泡が弾ける ....
天然でガスが出んねんて。
てんねんでがすがでんねんて


悔いて舞う雪、砂丘まで行く。
くいてまうゆきさきゅうまでいく


ひたすら空き家を焼き荒らす旅。
ひたすらあきやをやきあらす ....
句読点のように
あなたは
暮らしの中に
花を飾る

音符のように
あなたは
暮らしの中に
言葉を並べる

本の頁を捲るように
あなたは
暮らしの中に
楽しみを見つける

 ....
小さき窓を開けて夜空に質問状  世界を廻すのは 愛ではない。
    欲だ!

共産主義や社会主義は
机上の理想論でしかない

人間たちの我欲により
容易く崩壊する


ヨクヲ アマクミテハ イケナイ


 ....
 これが風景だって? 私はマーマレード・ジャムの小瓶のなかにあって、異次元の倒錯を経験している。──ここにも空がある。ここにも海がある。それらはオレンジの種であり、オレンジの皮である。<空・海。>── .... 普通の内容の事なのに
あるいはそこまで大したことじゃないのに
あるいは責め立てるようなことじゃないのに
深刻な事みたいに話す人が嫌いだ

罪もない人に対して脅しているのと同じではないか

 ....
なにやら
胸の奥が粟立って
仕方がないから
五月を
描こうと思った

ところが
緑の絵具を切らしていて
仕方がないから
青と黄の
絵具を混ぜてみたが

五月にはほど遠い

 ....
○「雨にも負けず」
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な体を持ち
欲はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
 ....
吹く風と
包まれ包む
静かさに
触手伸ばし
響く聲 、

夢幻の現ヲ遡り

浮き立ち在るもの
輪郭ノ確かと
吾(あ)と繋がり
あれまなんぞよ
未だ体験せずと
破顔一笑 、
 ....
細い月は
つややかにしろくひかる
両端はするどく研がれて
夜を切り裂く
しずかに
きれぎれてふってくる
夜の
はぎれ

地上の犬たちは
それらを
おもいおもいに選んで
てんでに ....
17時15分、浴室の混雑が落ち着いたころ
Мさんの髪の毛を洗う
独特のウェーブが水をはじくので
シャワーが頭皮に浸透するように
丁寧に指でもむ
濡れた入浴着が脚にまとわりつく

Мさんが ....
 ブーニンが
 ブラウン管から姿を消して
 ゴルビーが
 民衆にもみくちゃにされていたころ
 楽しい
 未来の思い出話に
 盛り上がる
 クラスメイト達を
 現実に引き戻す
 チャイ ....
俺たちの時代を連呼する
前世代のゾンビと対峙して
赤ずきんは立ち尽くす

赤いケープ翻し
腐敗した風を避け
御伽話からリアリストへ

子供のお使いからは卒業
虚構の世界に鞭を振るい
 ....
やさしい天使だって
夜がくれば おやすみ
そんなこと ばっかでさ
泣いたって だめみたい
見えなくなることも あってさ

オレンジ飴の 甘さに会いたい
いつまでも 浸っていたかった そこ ....
 

か、み、さ、ま、の、
ゆーとーり。

生きて来たけれど
べつに上手く生きてるみたいとは
これっぽっちもおもえねーな。

やましくて
みっともなくて
せつなくて
いっそ ....
印画紙に染みついた影
人生から落とすまいと誓っていたものから
手を離した瞬間を覚えている

何度も何度も反芻する
記憶が消化器官と口内を往復する
輪郭がとけ筋も擦り切れ味もなくなる
そん ....
そこに丸パンがある
美味しいやつだ
ほんのり甘くて香ばしい
くるみ入り
米粉パンだからしっとり柔らかくて
止まらない
悲しくてもうれしくても
つい手が伸びてしまう

そこにはいつも丸 ....
夜がガラスのように
砕けた朝に
散らばる夢の欠片
止まらない時計の針は
呪われたように
勢いよく回り出す
乗らない気分が
脈を締めつける
手足に冷たい鉄の鎖
苦しさのため息
無理や ....
○「理解し合う」
価値観がちがうのに
理解し合えるのか
経験がちがうのに
理解し合えるのか
感覚がちがうのに
理解し合えるのか
視点がちがうのに
理解し合えるのか
波長がちがうのに
 ....
「静寂のむこう」

夜がおわり、朝がおとずれて
静寂のむこう
話しかけてくる神さまたちがいる
あれは小鳥
あれは子猫
あれはのらいぬ
あれは人魚
ためいきとほほえみとで
くうきょな ....
私とはボクである
ボクとは私ではない
僕が生まれるずっと以前(マエ)に私が生まれた
ボクは私の涙が枯れかかる頃
苦渋の底から産声を上げた

ボクと私とは一心同体
しかしまったく性質の異な ....
りゅうさんさんのおすすめリスト(1750)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風に逆らわず、時代に寄り添わず──西行の文体とその孤独- 大町綾音散文(批評 ...3*25-5-13
限りある- 花形新次自由詩325-5-12
コンクラーベろっ- ひだかた ...自由詩625-5-12
詩想、わたしの意志として- ひだかた ...自由詩725-5-11
まいにちきゅうじつなんです- 大町綾音自由詩525-5-11
信州へ- 花野誉自由詩11*25-5-11
希望- sonano自由詩11*25-5-11
独り言5.11- zenyama太 ...自由詩4*25-5-11
oyasumi- ryinx自由詩925-5-11
この光が火の粉(回文)- 水宮うみ自由詩325-5-10
あなた- 夏井椋也自由詩1325-5-10
rain- 紅茶猫自由詩4*25-5-9
欲を甘くみてはいけない- リつ自由詩7*25-5-3
空・海・小瓶──マーマレード・ジャムの彼方に- 大町綾音自由詩525-5-3
深刻そうに- sonano自由詩5*25-5-3
五月- 夏井椋也自由詩17*25-5-3
独り言5、3- zenyama太 ...自由詩6*25-5-3
迎ふる- ひだかた ...自由詩625-5-2
はぎれ- そらの珊 ...自由詩9*25-5-2
それぞれのかたちの- 凍湖(と ...自由詩825-5-1
昭和64年をまたいだ後に- 北村 守 ...自由詩8*25-4-30
やがて頭巾を脱ぐだろう- 自由詩9*25-4-29
ミュート・グラン・レイ- みぎめ  ...自由詩525-4-29
虹橋- 秋葉竹自由詩225-4-29
反芻- 凍湖(と ...自由詩725-4-28
丸パンの予感- キャサリ ...自由詩5*25-4-26
朝の抜け殻- 自由詩13*25-4-26
独り言4.24- zenyama太 ...自由詩3*25-4-24
ピアニッシモ- 大町綾音自由詩725-4-24
私とボク- 栗栖真理 ...自由詩425-4-23

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59