恋わずらいの人魚に声を貸した
異形がしあわせになるのを見たかった

吟遊詩人の夢折れそうなカラスから声を借りた
喉を巧く操れば 最高に扇情的な旋律が紡げた

人魚に貸した声は戻ってこないだ ...
一滴の水は川となり海へと続く
きみへの想いを流し
その名を呟やいた

きみは白く乾いた路を選ぶと言う
その純潔が硝子のように突き刺さり
片翼を失った鳥のように飛べなかった

埋火に火照 ...
   「何回だって言うよ、世界は美しいよ」
             (羊文学「光るとき」)

九月、未明の町は
ひんやりとして
青いベールに覆われている

ずっと乗っていなかった
自 ...
(番外編15)世にいと疎ましきもの 塚本邦雄sさん、岡井隆さん

(本編)

豚を食べないで生きてきた人は幸いです。
その人には後光が放ち神仏の加護がある

豚を殺さないで豚に食事を与え ...
土砂降りの雨がおまえを濡らし、
からだが小刻みに震えているのを見た
星の巡りじゃなく、俺はここにいる
華奢でしなやかな声をキスで塞いだ

信じられるのは、息と瞬きだ
うなじや首筋 ...
 黒っぽく光って見えるブザーがたまに求愛音を発しているその下で、森下かえではつかのま涼んでいた。学校が終わり、グラウンドに向かう途中、あまりの暑さに思わず避難したのだった。
 かえでは中学2年生。地 ...
「死ねや死ねや。死にたいなら、死ねや」
と信長の如く唱えるタレントがいて
「死にます、死にます」
と易々と従う国民がいる。ンなアホな! 安い国ニッポン。
なんの捻りもない。ありのまま、そのまん ...
根なし草だった私が、
根を張ったのは
夫でした

夫に寄生して
ほとんど養分をもらうばかりでしたが
ほんの時たま
養分を還流できたと思っています

例えば、バーバーのアダージ ...
ぼくは何処まで行くのだろう

できればアンドロメダまで行きたいな

幼い頃のプラネタリウムの想いで

今でもゆっくりと誘うから

やがて逝くのを待っている
半月、宙に輝き在り
肉体、疼痛の際に苦っ

あゝこんばんは今晩も

別れた妻も子ども等も
こんばん同じ半月見入る喝
道にこぼれた水みたいだ

自分の事をそんな風に感じて

所在もなく目をつむる

心臓は脈打ち

息をしている


ここにいる

その事は

どこに行っても

同じだろ ...
その
命に
救われている
私の命
しんとする
私の
闇と光の深さは
私のいのちの深さと
つながっていて
深ければ深いほど深くなる
組織の飼い犬がビルから落下し凄惨な死を遂げた。その跡は通勤電車で誰かが溢した酒のようにベタついていたが次々と踏まれて下足痕で上書かれた。素直に弔おうとすれば同じ志のはずの誰かは必ず組織のスパイだ。散り ... 足から冷気が這い上がる
私の友達のことを思う
冷たさが自分を罰しているんだって
私の根拠の無い救いの罰を
私は、私は、私は
こうして生きて君のいない夢見心地の
空間に何を見た
私、ずっと ...
森の匂いがした

渓を彷徨い歩き

釣り糸を垂れる

{ルビ生命=いのち}の重みを感じ

釣り人はそっとため息を吐く
白銀の氷柱
ずんずん伸び広がり
揺れ震えながら
やがて静止する処に

 暗む青紫の花 、

ぽっと一輪咲き開く
冷え切った大地に
やがて打ち付けられ
亀裂の力動の悩ましく
振動の ...
映画館の小鳥の絶壁。
小鳥の絶壁の映画館。
絶壁の映画館の小鳥。
映画館の絶壁の小鳥。
小鳥の映画館の絶壁。
絶壁の小鳥の映画館。

球体の感情の呼吸。
感情の呼吸の球体。
呼 ...
縞猫は廊下に飛び出していく

子猫の頃から

老猫になっても

飛び出していく

「ダメだよ お部屋戻るよ」

飼い主はいつも抱っこして部屋に戻す

昔よりすぐ捕まって

...
風邪をひいたっぽい
口が病院の消毒のような匂いする
なんか明るい朝だないつもより
この光はぼくかな

でもぼくじゃないにしても

何者かのような明るさに
ぼくの心はしばらく明るかった
...
野施行シリーズ

(番外編15)世にいと疎ましきもの 虚子、兜太


499-2、野施行三十一(みそひと)文字
日は沈んでも、、、

500―2,野施行三十一(みそひと)文字
日記伝 ...
私は、ただ、彼に、私を見て貰いたかった


私が本当に恐ろしい化物だとしたら
あんな小さな薄い傷で終わらせる訳がありません
彼を必ず仕留め、ズタズタに切り裂き、高笑いをしたでしょう
...
ぼうっと青い炎のなかを
歩いている気がする
すれ違った人と
来世でもすれ違う気がする

行ったことがない砂漠の
夜明け前と
同じくらい青い気がする
会ったことがないあなたの
髪の毛と ...
家の隣に大きな空港ができた
生活は少しずつ変わり
通勤が楽になった
夜明け、窓から手を伸ばすと
冷たい滑走路に触れることもできる
到着ロビーの雑踏の中
洗剤を買いに行ったきみの
...
こうえんの隅に描かれていた、
てんしの横顔を見て、

「祈りという文字は、ずきずきするから、いのり、へとひらかれていく、」

と、書きつけたくて、あたしがノートをひらくとき、

回転扉の ...
 浅瀬、少し水に浸かる
 動かしえない程に固形化して
 微かに、揺れていた

 さざなみに瞼が閉じて、
  浮かぶ影に

 横切る、淡水魚に
 捕まえられる、その光景は

 いつ ...
月雲を渡り夜を越える
原付きのオイルの匂いが公園を覆う
季節外れの猫がこちらを見ている
振り返ってもまだ見ている
深夜のガストは安全地帯
ボオっと浮かぶ夜の島
猫型ロボットがソフトクリーム ...
振動を伴う、低い響き、脳髄の共振が、俺の体温をおかしくする、すべてを投げ出して横たわる床、甘い煙草みたいな臭いの、熱に温められた部屋の空気、まだ滲む冷汗を気にしながら、少しの時間他愛の無い夢を見る ... ぼくは生まれながらのアホで
電話番号を間違えた
何処に連絡しても繋がらない

秘密にしていたけれど

現フォーを見ていた妻が
何しているの? 失礼じゃない! と
苦言を吐いた

一 ...
  (俳句八句)


風鈴もカタカタと鳴る風強し


ひとり寝の布団の朝に泣くな蝉


初盆の生々しさにわが身抱く


スイレンの花に牡蠣殻落とす罪


夕涼みし ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
魔女と恋わずらい福岡朔自由詩424/9/12 14:14
幕切れレタス自由詩4*24/9/12 13:55
まだ眠っているきみへ九十九空間自由詩424/9/12 11:21
(508)野施行三十一(みそひと)文字水恋鳥魚夫散文(批評...024/9/12 10:06
息と瞬きatsuch...自由詩10*24/9/12 4:34
咲花とかえで日雇いくん◆...散文(批評...1*24/9/12 1:43
自殺大国ニッポン鏡ミラー文志自由詩3+*24/9/12 0:45
デラシネ、或いはパラサイトレタスの妻自由詩9*24/9/11 22:04
五行歌  光年の彼方レタス自由詩6*24/9/11 20:55
五行歌、ッひだかたけし自由詩4*24/9/11 20:31
めもうし自由詩5*24/9/11 19:39
※五行歌「その 命に 救われている」こしごえ自由詩5*24/9/11 19:29
※五行歌「私のいのちの深さと つながっていて」自由詩3*24/9/11 19:29
No.n自由詩6*24/9/11 19:04
這 いずる自由詩2*24/9/11 19:04
五行歌 【渓流】釣行レタス自由詩4*24/9/11 18:47
荒地の花ひだかたけし自由詩424/9/11 17:29
順列 並べ替え詩。 3×2×1田中宏輔自由詩10*24/9/11 14:44
飼い猫の名はアリス秋也自由詩524/9/11 13:24
眠り姫の少女林 理仁自由詩8*24/9/11 13:02
日は沈んでも、、、野施行シリーズ水恋鳥魚夫散文(批評...024/9/11 10:03
私が彼を殺そうとしたということレタスの妻自由詩5*24/9/11 9:05
青い、九十九空間自由詩524/9/11 7:42
到着ロビーたもつ自由詩324/9/11 6:59
暗号ver2パンジーの切...自由詩424/9/11 4:30
水辺ryinx自由詩12*24/9/11 3:07
月雲XIAO自由詩524/9/11 0:30
These are better days.ホロウ・シカ...自由詩2*24/9/10 22:04
アホ三昧レタス自由詩6*24/9/10 21:20
驚いた、アジサイ忌って、ホントにあるんだ秋葉竹俳句224/9/10 20:41

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