淵
ああ、遠いあの日のように烈しい夏がほしい。少くともあの日だけは夏だったのだ。雑草の生い茂っている崖っぷちの小道を、私は駈けていた。谷側の斜面には血のように赤い彼岸花が咲き、山側には雨のように ...
海に行きたい
夏の海に
あなたとの強い想い出の大抵は冬で
冴え渡る多摩の空の下から富士を望んだり
電車に揺られ詩的なものを探しに出たり
さよならを言えずに雑踏で握手を交わしたり
冷めな ...
あちこちに 弱音を吐いて歩く
だまりたい
自分の傷を みてみてって ひけらかす
だまりたい
大切な人との秘密も 口走ってしまう
だま ...
―「また、もし人がみだりにくちびるで誓い、悪をなそう、または善をなそうと言うならばその人が誓ってみだりに言ったことは、それがどんなことであれそれに気づかなくても彼がこれを知るようになった時は、 ...
闇をのみこむものは
闇自身でも
ましてや光でもない
宇宙船テセウスは、いまも応答がなく
どこかの系に存在し、また別の彼方に向かっています
船内を這う、動脈(はいかん)
微かな明滅が ...
矢印をもてたなら
前へ前へ むけるでしょう
どんなに遅い歩みでも
いつかどこかへつけるでしょう
矢印ひとつもてたなら
空に投げてみるでしょう
遠く離れたあなたにも
みえるよう ...
死者と語らうには、飲むことだ。
向かいの空席に
もう一つのお{ルビ猪口=ちょこ}を、置いて。
自分の頬が赤らむ頃に
あたかも体の透けた人がいるかのように
腹を割り、肝胆を晒すのだ。
...
今年は申年なので
翔子さんは願いをこめて、筆を持ち
半紙に大きく「申」と書いた。
翔子 さんが「申」の字を書くと
鼻筋の一本通った
何処か優しい
ほんものの「申」の顔になる。
― ...
風は密かに吹くだろう
人と人の間に
透明な橋は架かるだろう
この街の何処かで
濁った世間の最中にも
時折…虹はあらわれる
――千載一遇の<時>を求めて
今日も私は ...
「あたい
女好きだもん」
そう思ってきた
「男なんて
気持ち悪いわ!」
疑いはなかった
でも最近
それではいけないと
感じ始めている
人はみんな
愛し合わなければ
い ...
駅前で
ギターをかき鳴らし
声を張り上げて歌う
二人の若者
足を止めて
耳を傾ける人はいない
「うっ、何というクオリティの低さ!
それなのに人前で歌うなんて!
ひょっとして
...
強く抱く溶けて消えれば雪女
先生の黒目に映る雪の街
一行の日記にハート六花
来年のぶんも一緒に渡しちゃえバレンタインがそこまで来てる
美しい夕暮れがあり救われる西の窓だけ見える病室
右の手をミギーと呼んで会話する人を知らないヒダリー候補
この間虫歯があったので歯を削り落とした
そして 詰め物をした 歯
安かった 会計 受付嬢の冷淡な唇
彼女に恋人はいなかったとしてもそのネイルの光は冷たすぎた
私は彼女の美しさに見とれていただけ ...
言葉に質量があるかと問われれば
あるのかと問い返す。
あると仮定すれば、の話だが
その質量は意識と比例して膨張し
膨大なものとなり、ついには
意識の中枢に重くのし掛かる
言葉の中で ...
はじまりは、
誰がこんなに この木の根が
安心をもたらすほどに つよく地に張ると思っただろう
誰がこんなに この木の幹が
温もりを分けるほどに 太く育つと思っただろう
誰 ...
ごはんがおいしくたけたら
もういちにちいきても
と おもう
にわのくさきにつぼみをみつけたら
もういちねんいきてもゆるされた
と かってにおもう
ひからびたくものお ...
抽斗に仕舞った知性なら
月の女神の導きで
取り出せるのかも 知れません
引き出せぬ程 足りぬなら
どうにかこうにか 引っ張り出して
踊り続けて 欲しいところ
シマッタ! ...
ヤク中なので
身体が熱くなる
ユニフォームだって
着ていられない
素っ裸になる
ゴジラが俺を狙っている
こん棒で俺に一撃を加えようと
ネクストバッターズサークルで
待ち構えている
...
ひとの
内側をみていたはず、が
ふと気がつけば
己をみている
遥か
一等星に焦がれていたはず、が
暗がりに安堵している
いつのまに
わからない
未来に震えていたはず、 ...
お金がほしい
お金がいっぱいほしい
お金がいっぱいあったら
私は安心して死ねるとおもう
死ぬために生きている
いつか 死ぬ
そう思うと私は
今日も安心して生きられる
雲がたくさんあると必ず雨がやってくる
雨は雲のことが好きなのかな?
青空が出ている時に雨はやってこない
雨は青空のことが嫌いなのかな?
でも、人や動物達は雲も雨も青空も好き
嫌いなものなんか ...
雨音が聴こえる。
風のない、さらさらとした雨が
ここではないどこかで降っている。
空は白く、空気は暖かく、とても静かだ。
遠くの雨音を聴く。
なぜなら、ここはとても静かだから。
ここに ...
坂の突き当りの家の縁側に
障子を開け閉めしている人がいる
朝からずっとそうしているのだ
狂っているのだろうか
と思い
それから
あんな風になるのも仕方のないことだ
とも思い
人に言うの ...
月に秘密を
背中に夕焼けを映す
陰りそして唇
字を燃やす如月
この4月にぼくは都会のアパートに引っ越してきた
窓を開ければ早稲田通りが見えた
車よりも多い人の列
駅へと向かう学生と通勤者
その眺めに
ぼくらはいくらか満足していた
奨学金を ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
井上靖小論
葉leaf
散文(批評...
2
16/2/5 22:48
2016SS
たちばな ま...
自由詩
14*
16/2/5 22:35
『だまりたい』
座一
自由詩
10*
16/2/5 22:11
贖罪の山羊
餅月兎
自由詩
3*
16/2/5 21:29
テセウス (生体反応の設計)
乾 加津也
自由詩
2*
16/2/5 21:21
印
朧月
自由詩
1
16/2/5 20:51
死者の息
服部 剛
自由詩
3
16/2/5 20:27
「申」
〃
自由詩
1
16/2/5 20:25
ドアノブ
〃
自由詩
3
16/2/5 20:20
nonke「ストレート」
花形新次
自由詩
0
16/2/5 19:07
ストリートミュージシャン
〃
自由詩
0
16/2/5 18:27
強く抱く溶けて消えれば雪女
北大路京介
俳句
1
16/2/5 18:01
先生の黒目に映る雪の街
〃
俳句
0
16/2/5 18:00
一行の日記にハート六花
〃
俳句
0
16/2/5 18:00
来年のぶんも一緒に渡しちゃえバレンタインがそこまで来てる
〃
短歌
0
16/2/5 17:59
美しい夕暮れがあり救われる西の窓だけ見える病室
〃
短歌
4
16/2/5 17:59
右の手をミギーと呼んで会話する人を知らないヒダリー候補
〃
短歌
0
16/2/5 17:59
安かった治療
番田
自由詩
3
16/2/5 16:39
取扱メモ
……とある蛙
自由詩
7
16/2/5 16:24
はじまりは、
w.tsub...
自由詩
1
16/2/5 13:14
赦される
ドクダミ五十...
自由詩
1
16/2/5 7:00
しまった
藤鈴呼
自由詩
0
16/2/5 2:07
裸のベンチ
花形新次
自由詩
0
16/2/4 22:51
還流
千波 一也
自由詩
4
16/2/4 22:24
糧
朧月
自由詩
2
16/2/4 21:43
そら
リィ
自由詩
2*
16/2/4 21:23
雨音が聴こえる
euyih
自由詩
1
16/2/4 21:10
障子
春日線香
自由詩
1
16/2/4 21:06
反映
かんな
自由詩
1*
16/2/4 21:05
混沌のクマ
オダカズヒコ
自由詩
4*
16/2/4 20:15
1725
1726
1727
1728
1729
1730
1731
1732
1733
1734
1735
1736
1737
1738
1739
1740
1741
1742
1743
1744
1745
1746
1747
1748
1749
1750
1751
1752
1753
1754
1755
1756
1757
1758
1759
1760
1761
1762
1763
1764
1765
6.22sec.