光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ...
フォークリフトは俺の愛馬だ
手綱はハンドル

レバー操作で
馬はいななく

俺の愛馬は屋内じゃなく
屋外だけを走る
馬なんだから当然か

雨が降っても
たとえ
槍が降っても
...
燃え出したアスファルトの中華鍋のカーブが
油まみれのぼくの額を照らしている
野菜炒めのように瞬時に仕上げられた身のこなしで
逃げるように潜った自動ドアのその先は市民プールだったというわけだ

...
ずれたのか意図的にずらしたのか
斜めにかぶった帽子の下のか
みの毛をかき上げてスカートのシワを伸ばす仕草が
まるで大人っぽい子供のように静かだ。
そろそろ日付が変わりそうな頃に
彼女はピアノ ...
詩の身体をよこたえて
幸福の点滴を始める
詩は安らかな顔のまま眠りに落ち
徐々に心臓が停止していく
追い打ちをかけるように
成熟の点滴を始め
社会の点滴を始め
現実の点滴を始める ...
他人からどう見られるか気にするなっていうんです
君の人生は君のものだと

ありのまま振舞えばよいと
勇気づけてくれるのです

しかし実際はありのまま振舞えば
禁猟区から出た獣のように
...
オアシスの波打ち際を飛び立ちはじめた鳥たち
が足取り軽やかにアジトにたどり着く頃に
コロニーにようやく帰ってくる。
砂漠でも冷たい風って吹く。
舞っていた一枚のかみっ切れが
降りてきたんです ...
オーヴァードーズで死んだ海外の俳優のニュースでワイドショーはもちきりだった、俺は適当に皮を剥いた林檎を丸一個たいらげて顔を洗った、そいつの映画は一本も観たことはないが名前くらいは知っていた、世界的 ... 抗っているのだ
耳障りなMP3と私の言葉の反射線に
何もない虚空に何も変わらない存在を
その夕暮れの赤を
あなたの口癖を

ブラックアウトするコックピットで燃え盛る大地を見た兵士は
さよ ...
イーゼルの端から
あなたの目を見つめる
すれ違いの視線が嬉しくて
わずか8号のキャンバスに
尽きることのない思いを重ねる

窓から入る黄昏の風に
鼓動が乗って赤く染まる
もう少しま ...
蝉の声が空に重なる
秋が匂う古い和紙を広げ
朝顔の種に夏の風を置く

水無月の氷室
竹林が滝のように響き
氷が波音から運ばれる

笹の葉を一枚
逢えないあなたを想い
墨を乗せて ...
小学校の教師になる男の多くは
変態に違いない
その考えはずっと変わらない

クソ生意気で煩いガキの面倒なんか
我が子であっても嫌なのに
他人の、しかも
頭悪くて汚ない子供なんか
死んで ...
君の笑顔に星が住んでる

それからずっと星と暮らした

すべての星に神さまが居る

星のあなたが空に手をふる
和紙で創られた羽根
赤く染まって陽に透ける
白く染まって雲を漉く

紫色の花びらが木陰で
蝶のお昼寝の揺り籠になる
大きな羽根のその中で
小さな花が顔を出す

ただ好きですと
...
傷口に染みるレースのカーテン
それはもう記憶という結晶が
穴だらけだから光を通して
埋めようとする誰かの言葉で

白い沈黙に乗せた身体は
人間を忘れ自然を聞いた

鳴き声だけで寄り添っ ...
気まぐれにオカリナを吹く

郊外にある運転免許証センターの駐車場で
これが最後だという妻の免許更新の日だった
ペーパードライバーの妻は
当然、無事故無違反だから
更新は二時間ほどで終わる
...
花のかたちをした夜が
水を駆けて駆けてゆく
水を求め うたう声もまた
駆けて駆けて駆け抜けてゆく


手のひらに降る灰
すぐ消える灰
鉄柵の内の空
すぐ消える空
...
甘い
パンのために踊り
朝がきて眠る

恋のためには
すべてがじゃまだね
うすむらさきの白い壁
鉄柱 花占いも

そう言ってわらうと
輪郭は迸り
崩れながら溶けあって
甘い ...
個体発生は系統発生をたどって
夕陽があらぬところに射し込むと
新しい何かが始まるかもしれない

かもしれないでは何も
何も解決できない
かもしれないけど

ほどけた点に射し込む
...
悲しい心の雨宿り

黄昏の半分は
行き場の無い気持ちの
荷物置き場

長い石段が
飽和状態まで濡れて
もう涙はたくさんと言う

眼の前で紫色した光が腰を下ろす
見上げると手が ...
蛍の光のなかに二人はもういないし 蛍もいない
きれいな緑色の軌跡ばかりが
薄いパネルの表面を掠めて 涼しげな川岸の草葉を揺らしている

蒸気と霧が立ち込める、ネオンと接合車が溢れかえる、四六時 ...
長い坂道を夕日が
駆け下りてくる
木々を草花を燃やしながら

並んで歩くあなたの目も
ルビーのように揺れている

強く光るのは涙のせいなの
それとも私が泣いてるから

赤い目で ...
ゆっくりと 歩くスピードを
なだらかにしていく
都合よく転校したきみが
どこかでごろごろしているのかな
大きなたんこぶの上を痛がりながら進んで
元気いっぱいの掛け声から逃げている
爽やかな ...
病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵のように残り
自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ

病院の午睡時は
誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の ...
なぜ私が現代詩というものにたいして拒否反応があったのだろうと考えるとき、長い間、私という小さな視座から見える世界が、ある意味ではとても単純な世界だったことに由来することに気づいた。

生きるか死ぬ ...
寂しいと
口に出すのがくやしくて
ぜんぜん寂しくないふりをする


吹かれ堕ち
桜の花の無残たる
汚れた悲しみなんかが好きだし


憎みたい
人ならいっぱいいる夜に
憎むきもち ...
疲れても疲れても、上乗せされる日々に
欲しても欲しても、満たされない願望に
憤りを感じる。
重荷だ。毎日の全てが。
谷底だ。マンションの階段を掃除していた日々。
信じられないくらい可愛い子ど ...
朝飯は夕べのうちに炊きあげた
 玄関の埃も掃きだした
 窓も閉じた

出発する
雨の中を出発する
明日の晴れない空に向けて

 訳も聞かずに怒鳴り散らした
 昨日の後悔をポケットに ...
君が言うところの新しいあさが来た
君が言うところのすべきことはできてない
言い訳が見つからない時いつもするように
カーステレオのボリュームをいじる
でかい音で流れてるのが何なのか
僕には ...
母の花鋏を持って庭に下りる
背の高いグラジオラスが
白い雲を背にして並び

赤い花が足元から空まで咲き
さあどうぞと言っている

一緒に埋めた球根が花になり
私の手を握ろうとす ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
そのとき世界はひだかたけし自由詩719/7/12 13:14
フォークリフトは俺の愛馬こたきひろし自由詩419/7/12 7:08
miyaki自由詩219/7/12 6:25
醜いか美しいああああ自由詩019/7/12 5:52
詩は死んだ葉leaf自由詩019/7/12 5:47
アンチテーゼりゅうさん自由詩019/7/12 4:39
ああああ自由詩119/7/12 4:14
その時刻のことはどうしても思い出せないホロウ・シカ...自由詩1*19/7/11 23:23
赤と君の口癖倉科 然自由詩119/7/11 22:43
黄昏の美術室丘白月自由詩319/7/11 21:50
氷の節句自由詩119/7/11 20:58
北公次花形新次自由詩119/7/11 20:34
日々の星水宮うみ川柳3*19/7/11 19:36
ブーゲンビリアの妖精丘白月自由詩219/7/11 18:33
洗礼ミナト 螢自由詩019/7/11 11:07
オカリナを吹くたま散文(批評...4*19/7/11 10:40
ひかり ひとふさ木立 悟自由詩119/7/11 8:54
パンになってしまうねはるな自由詩219/7/11 5:40
鼻毛先生AB(なかほ...自由詩0*19/7/11 0:21
黄昏の境内で丘白月自由詩219/7/10 21:19
末下りょう自由詩2*19/7/10 19:54
坂の終わりに丘白月自由詩219/7/10 17:08
風にゆられる木々ふじりゅう自由詩119/7/10 16:21
病院の午睡時ひだかたけし自由詩12*19/7/10 15:30
身辺雑記と、詩について思うこと田中修子散文(批評...719/7/10 9:38
「寂しい」は、無視するに限るね秋葉竹短歌519/7/10 9:24
苦しみが頓挫する。杏っ子自由詩219/7/10 9:23
六月の家族オイタル自由詩319/7/9 23:37
timmy you koond jos new holew!竜門勇気自由詩019/7/9 22:58
グラジオラスの妖精丘白月自由詩319/7/9 21:58

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加筆訂正:
北公次/花形新次[19/7/11 20:42]
アナル追加
4.26sec.