すべてのおすすめ
マカロニグラタン
嬉しくてぼくは
マカロニくわえて
息吹いた
ちーやん熱がって
泣いた
みーたんわろた
と
海苔をはっつけて
白米にまく
明太子
鮭
あられ
わさび
お茶づけにする
うまい
塩こぶがあれば
なおうれし
わかささん
鋼色に丈を伸ばす坂道を外れて
側溝を三十メートル
車ごと転げていく
わかささん
弾んで 落ちて
そのとき少しずつ
速いスピードで 窓から
青空片が 舞い込んでくる
雪 ....
彼の家というものに誘われたのが
初めての クリスマスの夜だった
家族に紹介するというので
料理など持参してみたり
めいっぱい緊張して気を使って
ぎくしゃくと挨拶をすませて彼の部屋に行くと
....
掌には何一つとしてない
私はそこに 色々な夢があった
見えている君には 存在するのかもしれない
姿を思いめぐらせた 頭の
私は 眠りに 落ちていく
それは すきま風の緩んだ日 無 ....
アイスバーンの空の上
地球では 氷河期の 真っ最中
僕たちは 体が大きいだけで
神経は 細かく出来上がっているんだ
だから そんなに いじめないで下さい神様
僕たちだって 絶滅す ....
多分、初めて思う
病院で、見た景色
残された、老人の
心の景色
隣り合う、夫婦
齢を重ねた、二人
刺身とケーキと、記憶
そこにあった、幸せ
消失
心が壊れ ....
骨のしびれと肉の痛みに
霊魂が戸惑う堤防の草むらで
空き瓶と空き缶が寄り添い
密談をしている
亀裂の入ったトルソと
染みの入った掛け軸の ....
Kは鬼ごっこをしているが、妙なことに、およそ鬼と呼べるような人間がどこにも見当たらないのである。そういって悪ければ、Kはすっかり鬼の顔を忘れてしまったのであった。
ベンチの裏に丸くなって隠れては ....
風が私の
すべてをかいくぐって
すべてをさらいそう
信じないって言ったから
試そうとしていたのかな
体温は
だれかに言った 寒いね
の一言で一℃あがる
ああ 寒いね
の返事で ....
101225
幸運の女神は猫の顔をしているのだと
いくつもの変数を宣言しながら彼はいぶかしげに首を振る
尻尾も振りたいところだが
のっぺりした尾 ....
穢れなき白き薔薇
黒き手により捨てられて
哀れな鑑賞者それを悲しみ
大切に拾い集めるも
在るのは黒ずんだ欠片だけ
君は間違いなく命の恩人であるし
あの頃の僕のモノリスであったし
制作面や生活面におけるスペックとして僕が望んでいる人だし
君の処女性や乙女性
それら全てのバランスにおいて
今までの女性で群を ....
旅をする彼女を空港まで送った
夕食をとり国際線のフロアへのエスカレーターで
<なにか約束したいな>と彼女がはにかんだ
こんどまた会う日の約束なのか
結婚の約束なのか
....
家族っちゅう関係が
とうとう壁になりました。
信用と銀行とお金と男の子
お友達とお友達のお友達と…
....
メリークリスマスお前ら
世界中の恋人たちがこれから
夜通しファックしようってのに
わざわざ現代詩フォーラムに
ログインしてるお前らのこと
俺は愛しているけどな
連れ合いと一緒に
三鞭酒か ....
菜のはな畑に踏みいっていっせいに はぜた視界はぬりつぶされてきいろ 爆竹だった この手をすりぬけていったキミの髪の毛のひかりはドーピングによるものだったんだ ね 網膜がひぃと悲鳴をあげてただの細胞にか ....
去年のクリスマス、
何をしていたかとゆうと、
まったく思い出せない。
そんなことをいえば、
どんなにさかのぼっても、
思い出せるクリスマスなんて、どこにもない。
せいぜい、
小学校のころ ....
蛇口をひねると
小さな雲が出てきました
まだ水を作っている途中でした
水道管の中から
作業中の囁きが聞こえてきます
小さな雲は部屋の中を
ふわふわ移動すると
一滴の雨を降らせ ....
京都は夕暮
伊勢丹に在り
妻の選ぶスカート・ワンピース
京の女はこまごまし
京の男は柔らかし
蕎麦を食らいて腹は満ち
疲れては柱による
入浴香料・携帯ボトル
などいろいろ買い入れ
街 ....
冬の{ルビ至=たどり}ついた日
海峡は慈悲のない 風でした
限りなく動揺する
どこまでも
消え去る端をも
わけ広げる海風景
北風の冷たさに波頭は白く飛沫をあげ
人などだれ ....
澱んだまなこが粘りつく液体となってずるずると年月を嘗め回している。あふあふと飯をさらい込み、ゲテモノを隅から隅まで食いつくし、寄生昆虫のように板にへばりついている。自己憐憫の色艶がどす黒く光り、ねばい ....
灰色の階段を降りて
いつものランチセット
髭の生えたマスター、60代
階段と同じ色
カウンター越しの威圧感で
パスタの味がちょっと鈍くなった
なのでうっかり塩をかけすぎてしまい
食後 ....
「いつも笑っていられますよう」
寒さを忘れて ひたすら願っていた
温かさに包まれていた
あれから…小春日和が続き あの温もりが此処に在るような幻想の中にいた
や ....
各駅停車
大都市のはずれの三度の坂がある町
夕日に向かって
背中にぶっきらぼうしょったがに股のじいちゃんが孫の手をひく
おそろいのナイキのキャップ
孫の歩幅に合わせて教えるように歩いてる ....
真水で栞を作っています
本がすっかり乾いてしまったから
水に住む生き物や底に沈む石ころが
あれば良かったのですが
誰に許しを得れば良いのかわからないので
最初から無理な話でした
....
神楽坂を下る
「いっしょに帰ってもいいですか?」
「あぁ」
宴席でのお酌も拒むあなたと
いっしょに帰る
ーー 合評会の後だから?
ーー 「ゆきうさぎ」が好きなのかな?
....
ねむりの海岸にうちあげられて
ぴくりともうごかない魚のようなおとこ
その手の甲が
ずいぶんとひびわれているのがわたしにはさみしい
おとこのかたちに馴染んだシーツを
鉛筆で ....
芝生の海に
レジャーシートの筏を浮かべ
寝っころがったその先の
青い宇宙の奥行きを考えないで
ただ
平面の広さとして
憧れるだけであった
その日は
確かにあったのでありました
芝 ....
「無人島に持ってゆく本を、一冊だけ」
誰がいつ考えついたのだか分からない、自意識の穴に生温い風を注ぎ足す如雨露みたいなクエスチョンが世の中にはあるから、寝ぼけまなこの作家はいびきを呑み込んで「字引 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161