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カブトムシのような角を頭につけたい
と、ネコが駄々をこねる
説き伏せてミニカーの助手席に押し込む
おもちゃだからエンジンはないけど
ぼくはハンドルを握り
海岸沿いのフラワーラインを ....
静か
僕は
夜だ
眠る
雨よ
僕の
音を
啜れ
雨よ
僕の
夢を
齧れ
何処
....
{引用=*四行連詩作法(木島始氏による)
1.先行四行詩の第三行目の語か句をとり、その同義語(同義句)か、あるいは反義語(反義句)を自作四行詩の第三行目に入れること。
2.先行四行詩の第四行目の語 ....
君の胸のドアをこじあけ
わたしが眠るスペースをつくる
何度も何度もふみならして
あなたがなにもいわないうちに
丸くなって眠る
あなたの温もりと
私の体温がとけあって
ひとつになればい ....
きつねがお嫁に行った後の
雨上がりのボンネット
ワイパーでいっぺ ....
女教師 と 女学生
『 遠足前日 』
* : * : * : * : *
先生:ってことでね、おうちに帰るまでが遠足です。 なにか質問がある人ー
生徒:はーい! ....
雨音にかき消されて
声が届かない
思いの半分も
伝えられない
それでも
きみは
苛立ちもせず
静かに
雨が止むのを
待っている
「心が透けて見えたらね」
そんなの
きみ ....
きいてね。
きいたこと、あってもね。
うるさいだろうけど、ね。
ねぇ、きいてね。
きいてね。
その耳たぶでね。
もっと奥のほう、
まごころ ....
お前にかける言葉を私は忘れた
その肩の向こうに続く飛行機雲を見た時に
こんなに高い空の下では
自分が何か過ちを犯している気がしてならない
だから今日は嘘を話そう
明日の天気みたいに嘘の話を
....
夜中にひとり食パンをかじる
バターをつけないで
ジャムをつけないで
電気もつけない
冷蔵庫の前にしゃがんで
はみはみ
虫みたいに食べる
どこか外国から船に乗せられて
海をこ ....
ピーナツバターを塗りたくってから、くだいたナッツをまんべんなくのせて、すこし焦げるまでトーストする。卵を溶いて、砂糖と出汁で味をつけて充分熱したフライパンで巻く。沸騰して火を止めてから三十秒経った ....
風に裏切られ
風に助けられ
風に煽られ
風に愛され
風に踊らされ
風に守られ
風に蹴られ
風に勇気付けられ
風に泣いて
風に抱きしめられる
....
カーテンを開かなくても分かる 今日は晴れ。
眠気を感じず きびきび 起きれた。
迷いなくベッドメイキングをする。
積んでた本に 小指をぶつけることなく洗面所に行く。
歯磨きからコンタクト装着ま ....
家族が寝静まった頃
ぼくらはそれぞれの家を出た
ぼくはミルクチョコレートを持って
きみは水筒に氷と麦茶を詰めて
二人で村田川の護岸に膝を抱えて座った
今日は手を握ろう、と思ってき ....
3月18日
かかりつけの産婦人科にて、妊娠していることが発覚した。
5週2日だった。
エコー写真に写る、虫みたいな黒い影。
「これが胎嚢です」と、聞いたとき、
診察台の上で
鼻を膨らま ....
ひらがなの
かきじゅんが
ぜんぶさかさまだから
おかしかった
まるですきにさきみだれる
はるのはなを
みているようで
まちがえていることが
ただしいのだと
きみに ....
カラス
何色にも染まらないさって かっこよく
そんな風に 言えれば良かっただろうけど
染める気なんて とっくに失っただけ
一通り色んな 物まねをしてみたけどさ
全ての物事に 定義をつ ....
病的な雨音が
日ようびをぬらしていく
あの雨にあたれば
きっと細胞の何千個かでも
溶かされてしまうって
そう思っている
雨なんか降ってないけど
恐怖に首輪をつけて
わた ....
そういえばあなたは 春が嫌いでしたね
春は余計に淋しくなってしまうからと
いつかぼそっとつぶやいてたのを
ぼんやり覚えています
今でもやっぱり 春は淋しいままですか
気がつけ ....
杉林 針葉の緑をすり抜け
どこからか 舞い落りた白い花弁が
木蓮の紫の蕾近くを行き過ぎ
日陰に残る雪より先に 土に落ちた
山の 日が射す場所は暖かく
雪で登る事が難しいと思っている間に ....
犬も歩けば棒に当たるそうです
眠ることが下手な人が
こっそりと教えてくれました
でも、僕は何もしてあげられません
犬が棒に当たる様子を黙って見ているか
背後にその音を聞くくらい ....
iPod nanoを買った
僕は音楽をイヤホンを使って
フルボリュームで聞くと
身体の真ん中、丹田の下から
頭のてっぺんまで通路が開き
身体の中の気が噴出する
この気には二種類あって
ひ ....
雛菓子をつまむ指先の
その感触は
母さまの温もり
ひとつまみ
もうひとつまみと
雛の飾りから拝借する君の
{ルビ当=あ}て{ルビ所=ど}ない{ルビ戯=たわむ}れは
長き ....
私の娘に出会ったら
どうか伝えておいてください
何一つ伝えるもの残すものはないのだと
ただそれだけを伝えてやってください
私が道のそこかしこに置いた石に
あのこが躓こうとも
教えられよ ....
おまえがねむらなくても
かわりはいくらでもいる
といって
すいまがおとずれます
ああ、ねむることも
いきることなのだと
ゆめのせかいで
きがつくことができたなら
....
いやいや作る節約のためのお弁当
しょーもない話ばかりの同期
お局たちのでかい態度
1日中見るPC画面
なんのために生きてるんだろ
なんて、
今まで考えもしなかったようなこと
....
こころの中に
一つの家を建てよう
どんなに激しい嵐にも
どんなに揺れる地震にも
決して消えることの無い、一つの家を
地面に膝を落とす、日も
涙の絞り落ちる、夜も
....
液化する非対称なわたしは
ずっとめまいがしてる
皮膚に火がつく
人なのに塩のにおいがする
午後なのにくじらがいる
音が破裂している
呼吸呼吸呼吸呼吸呼吸呼吸
呼吸呼吸 ....
言葉には温度があって
軽々しかったり 重々しかったり
しらじらしかったりするという
かき言葉に
それだけの意味を私が込めたとして
どの線からもそれは滲んではこない
私の指から離れた ....
身体を澄ませて
夜が囁く言葉に
精神を傾ける時
無限に広がる天球から
探していた答が
静かに降りてくる
五月の真夜中
足元の地球が緩やかに回転する
天恵 ....
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